【スター・ウォーズ/フォースの覚醒】感想 新たな3部作の幕開けは新旧の調和がとれた傑作から

スターウォーズ フォースの覚醒

最初に言っておくと、ボクは決してディープな「スターウォーズ」ファンというわけではありません。「ライトセーバーかっこいいよね」とか「X-WINGいいよね…」とか「サソリベイダーってなんやねん」とか、そんな程度。コアな話題には付いていけませんが、世代的に「スターウォーズ」関連の作品を触れる機会は多いわけで、知らないわけではないし、嫌う理由なんてありません。新作の公開とあれば、ホイホイ劇場へ足を運ぶわけです。

超大作の続編ということは、期待したくなる一方、美化された過去のイメージと釣り合わせようとすると、残念なガッカリを生む諸刃の剣ともなりかねません。なので、過度な期待はしないように、自分を抑えながら劇場へ行ってきたのですが、観終わってみれば「なんだ、期待して行っても大丈夫だったんじゃないか」というくらい、楽しんでいました。それはもう、過去作で1番楽しんだんじゃないかというくらいには。とはいえ、この楽しさは過去作があってこそのモノです。

※以下、感想はネタバレを避けて書きます。といっても、予告の動画や公式サイトに書かれている程度のことはネタバレとは思っていないので、1ミリのネタバレも許さねえ!って人はタブを閉じるようにお願いします。そんな人はそもそも本記事へのリンクをクリックしないとは思いますが、念のため。

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、エピソード7として、新三部作、旧三部作に続く物語で、時系列でいえば1番最後に当たります。(今回の三部作はなんて呼べばいいんだろう?また又三部作?) ボクが期待を抑えていたのは、今回が新たな三部作の1作目であることも理由の1つでした。(別にジャー・ジャー・ビンクスは関係なく) 世界観やキャラクターの紹介を兼ねているだろうから、どうしても見所が押し潰されてしまうのではないかと懸念したためです。でも、そんな懸念は軽く吹き飛ばしてくれていましたね。

というのも、世界観やキャラクターは物語の展開に合わせてテンポよく描かれていくからです。たとえば、最初の舞台となる惑星ジャクーでは、砂漠にスターデストロイヤーやAT-ATの残骸が転がっていて、これだけでかつての戦いとそこからの時間経過がうかがえるというものです。個人的には、先にゲームで体験していたので、余計にすんなり入れたのもありますけれども。

そもそも、世界観に関しては、偉大な過去作による下積みがあるので、いまさら事細かに説明する必要がないというのもあるでしょう。そうなると、今回が初「スターウォーズ」となる人にとってはどうなんだろう?と思わなくもないですが、「なんか宇宙でビームとか撃って戦ってるんだ」とわかれば十分楽しめるので、問題にはならないでしょう、たぶん。とはいえ、旧作を知っているかどうかで楽しさが何倍も変わるのは間違いありません。特に今回は初代であるエピソード4を彷彿とさせる展開も多く、知っていればニヤリの連続でしょう。

どちらかといえば、旧作からのファンを喜ばせるために、あえて説明を省いている節も。ミレニアム・ファルコン号の登場から離陸シーンなどは、旧作ファンなら最高にテンションが上がるシーンでしょう。説明は「オンボロ」の一言だけで、カメラがパンしたところにファルコン号が!って演出はマジで高まる瞬間ですし。でも、これは旧作を知らない人にとっては特になんてことないシーンになってしまうのかも。そう考えると、やっぱりファン前提なのかなという気がしないでもない。けれども、これだけのビッグタイトルですから、むしろそれが正しいといえるかもしれません。

世界観だけでなく、キャラクターも旧作からの人物が登場します。予告やポスターにも描かれているとおり、ハン・ソロやレイアたちですね。偉大な旧作の偉大なキャラクターですから、スクリーンに映るだけで一気にもっていかれそうに思えますが、彼らを出しても新たな主人公たちがまったく食われていません。これはすばらしい。物語の中心となるレイ、フィン、カイロ・レンの3人がどれもいいキャラしてるんですよ。3人とも若さがプッシュされていて、年老いた旧作キャラからの世代交代が感じられます。

スターウォーズ フォースの覚醒 新たな主人公たち

個人的に特に気に入ったのがフィン。ストームトルーパーの脱走兵、という今までにはなかったポジションで、実は萌えキャラというあざとさ。でも、あんなにいい笑顔でサムズアップされたのではたまりません。ズルイですよ、あんなの。愉快なキャラなので湿っぽくなりすぎず、フォースではなく場の空気にバランスをもたらす存在としても貴重です。

また、一見すると新たなベイダー卿のポジションっぽいカイロ・レン君も、中身も印象も大きく違っていていいキャラしてました。強い部分と弱い部分を両方みせることで魅力を押し上げているわけですが、弱さの部分の描き方が上手で、敵役なのにうっかり応援しそうになるほど。マスクで顔が隠れているのに表情が豊かというか、顔色がうかがえるというか、すごくうまく表現されていたと思います。

顔がわからないのに表情が豊かという意味では、新たなマスコットのBB-8も忘れてはいけません。彼はR2-D2のポジションなのですが、真面目で実直そうなR2-D2に比べると、もうちょっとユーモアがありそうな性格のかわいいヤツです。正直あざといかな、と思わなくもなかったのですが、こいつもいい笑顔(?)でサムズアップ(??)するので一気に好感度がマックスになってしまいました。ズルイ。

全体的に過去作を彷彿とさせる展開で「スターウォーズ」の世界観を描き出し、合わせて過去作と似たようなポジションのキャラクターを配置しながらも、実はそうではないところで新しさを出す、という手法で描かれた本作。偉大な過去作を受け継ぐ新作として、新旧のバランスは絶妙だったのではないかと思います。偉大なベイダー卿に憧れるカイロ・レン君のように、迷いや焦り、プレッシャーもあったのかもしれませんが、『フォースの覚醒』は新たな三部作の第一歩を堂々と踏み出したのではないかと。そんなわけで、早くも次回作に大きな期待がかかるところであります。

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