映画『アサシンクリード』感想 暗殺されたクライマックス

公開初日に映画館で観てきました。個人的にUBIソフトに対する感情は良くも悪くもいろいろあるので、スクリーンにでっかく表示されたUBIロゴを目の当たりにして何ともいえない表情を浮かべていたような気がしますが、映画館から出てくるときにはさらに微妙な表情になっていたと思います。端的にいうと微妙でした。

本作はゲームの「アサシンクリード」シリーズの世界設定を引き継いだオリジナルストーリーが展開されています。先祖の記憶を追体験できる「アニムス」を使って過去の世界でアサシンとなり、いわゆるオーパーツ的な古代の遺産を巡ってアサシン教団とテンプル騎士団との戦いが描かるのはゲームと同じ。歴史の裏で暗躍していた人々の物語といった内容ですね。今回の舞台は1492年のスペインで人間の自由意思を司る「エデンの果実」を巡っての戦いとなっています。

見所はやはりゲーム版を彷彿とさせるアクションシーンでしょう。人ごみに紛れてターゲットに近づき、処刑台に乱入して大立ち回りしたり、屋根から屋根へ飛び移って追手から逃げながらの格闘など、まさに「これが観たかった!」という映像に仕上がっておりました。パルクール&殺陣の「アサシンクリード」的なカッコよさはバッチリ再現されていたのではないかと。

アクションシーンは文句なしにカッコイイのですが、頻繁に挿入される現代パートの映像がくどかった印象。アニムスの設定を理解させるためと、先祖の追体験を通して主人公がアサシンの技を吸収していることをわからせるために、過去と現代の描写を重ねているのはわかるのですが、ちょっとしつこいかなと。おかげでアクションにイマイチ集中できませんでした。現代の描写を重ねるのは最初にアニムスを使った場面にとどめて、後は最低限でよかったんじゃないかなと思う次第。

他にもくどい印象を受けたのは現代パート全般。現代パートと過去パートの比重は半々くらいか、6:4くらいで現代の方がやや長いかくらい。現代パートにおける会話シーンは全体的に間延びしていて退屈だった印象です。中でも酷かったのは主人公が食堂で周囲の人々から話しかけられるシーンで、どいつもこいつも意味深なセリフを一方的に言うだけ言って去っていくばかり。会話しろよ!そりゃ主人公でなくとも苦笑するよ!

で、クライマックスも現代パートなのですが、結末の尻すぼみっぷりがひどい。話の流れからあの人を暗殺ターゲットとしたラストバトルになるのだろうな、と思いながら見ていたのですが、概ね予想どおりの展開になるのはいいとして、アサシンスキルを体得した主人公がパルクール&殺陣の現代版を演じるのかと思いきや、そんなこともなくスタッフロールへ突入。「えっ?終わり?」ってなりました。なんという盛り上がらない結末。その前のアブスターゴ脱出がクライマックスだったなんて、まったく予想外だぜ…。

そんなわけで映画版『アサシンクリード』、期待していた実写版アサシンアクションは堪能できたのですが、総合するとあんまりオススメできない内容でした。次回作に続きそうな幕切れではあったので続編があるなら期待したいところですが、このメタスコアであるのか、次作。

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