【FPS初心者講座】 大事なのは反射神経でもエイム速度でもない

FPSをはじめたばかりの人やこれからはじめる人がよく犯す勘違いが、反射神経やエイム速度の重要性についての勘違いだ。これらの占めるウェイトって実はそんなに大きくないのだ。

FPSというジャンルはもともとPCゲームを中心に展開していたのだけれど、ここ数年は家庭用ゲーム機へメインストリームを移している。ゲーム機のスペックアップも理由だけど、パッド操作に合わせた調整もうまくいっている結果だろう。家庭用ゲーム機での展開に合わせて、はじめてFPSに触れる人も増えたのだと思う。もしかしたら、はじめて触れたけどもうやめちゃった人もいるんじゃないだろうか。

初心者の人がなかなか勝てないのは当然のこと。相手も同じ人間で、かつ自分より経験を積んでいるのであれば、そこは負けても納得ができるところだろう。しかし、負けた理由を「反射神経」とか「エイム速度」と思い込み、自分もそこを鍛えようとするのは大きな間違いだ。重要なのはそこじゃない。

FPSは西部劇の早撃ちじゃない

FPSというジャンルは、3Dで作られたマップの中を走り回るゲームだ。そうして動き回る中で、敵と出会えば撃ち合いになるわけだ。

だから、敵と向かい合って「よーいドン!」で撃ち合う場面はほとんどない。敵を見つけたとき、狙えるとき、撃てるとき、やれるときに撃つのだ。反射神経がよかろうが、エイム速度が速かろうが、背中から撃たれてしまってはどうにもできない。

反射神経やエイム速度が勝敗を分ける要因になるのは、正面から5分の状態で打ち合いがスタートしたときだけだ。でも。そんな状況はめったに訪れない。一見正面からの撃ち合いに見えたシーンも、実際はそうではないことが多い。

引き金を引く前に勝負はついている

撃ち合いに負けた理由を反射神経やエイム速度に求めてしまいがちな人々によくあるのは、敵が見えてから照準を合わせようとしていることだ。見える前から狙うとかどういうことなの?と思われるかもしれないが、敵と出会ってから照準を合わせていたのでは遅い

普通は、ある程度予想をしながら、敵が出てきそうな場所に「あらかじめ照準を置きつつ」動き回るのだ。そこで実際に敵が出てくれば、少しの微調整をするだけでいい。こうしておけば、反射神経やエイム速度がなくともすばやく相手を捉えることができる。

ある程度予想、なんて簡単に言ったけど、これはミニマップに表示される情報から読み取らなくてはならない。あっちからこちらへ向かってくる敵がいるっぽいな、じゃあこの先の曲がり角あたりで鉢合わせそうだな、とか。もちろん、こういった予想は相手も同じようにやっている。そのへんは駆け引きが存在しているし、そこが対戦ゲームの面白いところでもあるだろう。

あそこの影に潜んでそうだな、と、あらかじめ照準を合わせておけば、敵が頭を出した瞬間に引き金を引くだけでいい。そんな予想もなく歩いていれば、敵が頭を出してから慌てて照準を合わせることになる。ここで勝敗を分けているのは反射神経でもエイム速度でもない。

大事なのは戦況を読む力、状況を把握する能力

敵が照準に吸い寄せられる感覚」はFPSをやる人なら体験したこともあるんじゃないだろうか。これは、上述の「予想」がピタリとハマっているときに起こる現象だ。予想していた場所に敵がいるから、敵が現れてから照準を合わせる必要がない。そんな状態が連続すると、勝手に敵が照準に入ってくれるような感覚におそわれる。

敵の場所を予想しながら動く、という能力がFPSでもっとも重要な能力といってもいいだろう。画面内の情報から状況を把握する能力とも被るかもしれない。

うまい人は、敵がいる場所の予想ができているから、敵のいない場所も把握ができている。だから、敵のいない場所は遠慮なくガンガン走り抜けていく。走り回っているのにバッタバッタと敵をなぎ倒していく

下手な人は、敵のいる場所の予想ができていないから、敵のいない場所の把握もできない。だから、敵のいない場所でも無駄に警戒してしまい、なかなか動き回ることができない。もしくは、状況の把握ができていないのに走り回ろうとして、あえなく蜂の巣にされてしまうかだ。

まずは照準を置いておく意識から

初心者を脱出するためには、まずは照準を置いておく意識からはじめよう。敵が潜んでいそうな場所、怪しい場所にあらかじめ照準を合わせつつ移動してみよう。

最初のうちは、どこもかしこも怪しくみえてしまうかもしれない。しかし、ゲームに慣れていけば、敵がよくいる場所というものがわかってくると思う。マップによってセオリーが存在するし、おいしい場所というのは決まってくるものだ。

ミニマップから情報を読み取ることに慣れてくると、戦況が見えるようにもなってくるはず。戦況が見えてくれば、マップを移動する速度も上がってくる。そうすると、敵の裏へまわって背中を取る、なんてこともできるようになる。背中を撃つのに反射神経は必要ない

えっ?背中をとったのに撃ち負けたって? そういう人はボクといっしょに泣きましょう。