【ペルソナ4 ダンシング・オールナイト】レビュー 「ペルソナ」らしい超ハイカラな音ゲーで最後の宴を踊り明かせ!

『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』のレビューです。「なんで音ゲーやねん」と思うなかれ。キャラゲーに甘えないクオリティと、数多くのシリーズから提供された楽曲によるリズムゲームと、現代のキャッチーな問題にスポットを当てる「ペルソナ」らしいストーリーモードにより、『P4』シリーズの正統な続編としても、集大成としても楽しめる1本なのです。

P4D ペルソナ4 ダンシング・オールナイト レビュー

2008年に発売されたRPG『ペルソナ4』は、HD版の『P4G』、格闘ゲームの『P4U』2作、3DダンジョンRPGの『ペルソナQ』、そして2度にわたるアニメ化など、ジャンルを超えた展開がなされてきました。そして、ナンバリングタイトルの次作『ペルソナ5』も発表される中、おそらく『P4』シリーズのおおとりを飾ることになるであろうタイトルは『ペルソナ4 ダンシング・オールナイト』、なんとリズムゲームです。

公式サイト:P4D – ペルソナ4 ダンシング・オールナイト

「なんで最後に音ゲーなの?」と思わないでもないですが、これだけシリーズを重ねているとクールなオシャレ路線の楽曲がテンコ盛りになっているので、”ベスト盤”みたいな意味でシリーズの集大成といえるかもしれません。収録されている楽曲はボーカルトラックをメインに、浅倉大介氏や小室哲哉氏など、豪華なアーティストによるアレンジが施されています。原曲も素晴らしいのですが、今回は『P4』キャラクターたちがダンスをするため、”踊れる”アレンジになっています。

ちなみに、ボクはフルサントラが付属するということで「クレイジー・バリューパック」を買いました。先着特典っぽいサントラではなく、ゲーム内で流れる音楽が全曲収録された2枚組のガチサントラが入っているので、「どうせ後々サントラ買っちゃうだろうなー」という人はこっちへおいでませ。ゲーム内にプレイリスト機能付きのサウンドモードが搭載されているので、ダンス中の曲だけならそちらでも自由に聞けます。

P4D 充実のサウンドモード

最初に白状しておくと、ボクは音ゲーに疎いです。ゲーセンで筐体に百裂拳を叩き込む伝承者のような音ゲー勢を見て「無理だコレ」って思っているような人です。でも、『P4D』は家庭用ゲームですし、元がRPGの『P4』シリーズファンに向けたものなので、ボクのような初心者でも楽しく遊べる作りになっています。

間口は広いが懐も深いリズムゲーム

ゲームはリズムに合わせてボタンを叩くもので、譜面は画面中央から放射状に流れていきます。プロデューサー曰く、プレイ感はアーケードの洗濯機みたいなアレに近い、とのこと。叩くボタンは6つですが、長押しや同時押し、スティックによるスクラッチなどもあります。

P4D りせとかなみ

ワイド画面に対して左右に譜面が流れていくので、目で追ってしまうと見逃しやすいです。なので、画面を全体的に見ながら音に合わせてボタンを叩くのが攻略になりそう。とはいえ、タイミングがボーカルだったりベースだったりパーカッションだったりするので、結局は繰り返して覚えることになりますね。そのためにパーフェクトのパターンを鑑賞できるモードも用意されています。

難易度はそれほど高くないと思います。音ゲーに疎いボクでも難易度ノーマルなら初見でクリアできるくらいです。クリアだけならムズかしくないけど、パーフェクトを目指したり、高難易度に挑んだりするのなら歯ごたえのある調整なのではないかと。難易度はイージー、ノーマル、ハードの3段階に加えて、さらにもう1つ上があるので、間口は広く、懐は深く、といった塩梅でしょうか。

P4D 菜々子

楽曲の解放に難易度が関係ないのも初心者にやさしい作りですね。ダンスのパートナーの解放は難易度別にクリアする必要があるものの、クリアだけならアイテムを利用してもOK。「ボタンに関係なくすべてのノートを押せる」というチートまがいのアイテムもあるため、ゲーム内の要素を解放するだけなら腕は関係ありません。たなか社長に感謝。もちろん、こういったアイテムにはスコアの下がるペナルティがあるので、あくまで救済用ですけどね。

『P4D』は音ゲーをやらない人でもバリバリやっている人でも楽しめるように作られている印象です。ひたすら高難易度に挑むもよし、自分に合った難易度でパーフェクトを目指すもよし、変な服を着せて踊らせるのもよし。幅広い遊び方が許容されているのではないでしょうか。

P4D クマイゴールとマーガレット

さて、本作の最大の特徴はストーリーモードですね。音ゲーになってもガッツリとボリュームのあるストーリーが搭載されています。

「絆」の力で現代の闇に立ち向かうストーリーモード

ストーリーモードはテキスト主体のアドベンチャーに音ゲーパートが挟まれる形式です。チャートが視覚化されていますが、選択肢で分岐するわけではありません。格ゲーの『P4U2』と同じ形式ですね。また、格ゲーと同じく、ストーリーモード中の音ゲーパートは難易度が低めになっているので、音ゲーが苦手な人でもなんとかなるんじゃないかと。ボリュームはボイスのスキップ次第ですが、5~6時間ほどでした。

P4D チャートスタイルのストーリーモード
P4D ストーリーモードの選択肢

今回のテーマは「絆」。これまでも絆の力で数多くの困難に立ち向かってきた『P4』メンバーですが、あらためて原点に回帰するようなテーマかもしれません。TwitterやLINEなどでいつでもどこでも誰かとつながっていられるSNS全盛の現代において「つながりたくてつながっているのか? つながりを強要されているのではないか?」ってのはなかなかにキャッチーな問題ですよね。堂島さんの言葉も身に沁みます…。

P4D ネットの闇
P4D ストーリーモードのアニメシーン

「戦いではなくダンスで解決!」という、一見ギャグみたいな設定をしっかりストーリーに落とし込めているのは本当にお見事。といっても、導入の長さや直斗の推理を序盤に入っているところを鑑みるに、シナリオライターさんもかなり苦心したのではないかと…。ともあれ、都市伝説からはじまってサスペンス色のある犯人捜しへ展開し、やがて現代的な問題にスポットが当てられていく…という、実に「ペルソナ」らしいストーリーなので、『P4』シリーズのファンなら間違いなく楽しめるのではないかと。

「正統な続編」を踊り明かせ!

P4D 水着の千枝と雪子

さまざまなジャンルへ展開をみせてきた『P4』シリーズですが、毎回カッチリとストーリーをつけてキャラクターを魅せるところは変わっていません。かつて『P4U』が登場したときにも、お祭りゲーではなく「正統な続編」であることが強調されていましたが、今回『P4D』においても、それは同じなのでしょう。幅広いジャンルに手を伸ばしつつ、キャラゲーであることに甘えず、高品質なゲームを提供し続けてくれる開発陣の姿勢には頭が下がるばかり。

最初に述べたとおり、『P4』シリーズの最後を飾りそうな本作が音ゲーなのは、楽曲のベスト盤としての集大成なのかもしれませんが、踊りながら大団円を迎えるというのも、実に”ハイカラ”なのではないでしょうか。というわけで、『ペルソナ5』もいよいよ迫りくる中、最後の宴を楽しもうではありませんか。

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