【電撃文庫 FIGHTING CLIMAX】遊んできたのでプレイレポなど 『P4U』よりもさらに初心者に配慮した格ゲーかも

3月18日から稼働開始した『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』をさっそく遊んできました。
題材が電撃文庫ということで、格ゲーをやらない人へのアピールもかなりある感じ。
格ゲーを嗜む人ならすぐにガンガン対戦できる感じでもあります。

電撃文庫 FIGHTING CLIMAX 公式サイト

ライトノベルの最大手レーベル、電撃文庫の20周年記念ということでセガとのコラボで実現した格闘ゲームが『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』です。

すでにアニメ化されているタイトルも多いので、ライトノベルに親しみのないボクでもキャラクターくらいはなんとなしにわかるあたり、電撃文庫のデカさがうかがい知れるというもの。

『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』紹介動画8人ver – YouTube

とはいえ、ラノベやアニメと格ゲーの接点は大きいわけではないようです。電撃文庫のイベントで本作が出展されたときにも、格ゲーに馴染みのない人やレバーに触るのがはじめての人も見られたとか。

そんなわけで、本作には格ゲーをやらない人へ向けた配慮がかなり多く詰め込まれていました。具体的には、操作はカンタンに、駆け引きの焦点を明確に、ってあたりですね。

このあたりは、元がRPGだったペルソナの格ゲー『P4U』もそうでしたが、『電撃』はそれ以上に初心者向けのつくりになっている印象を受けました。

『P4U』よりシンプルな操作系

初心者向けの配慮といえば、やはり操作の簡略化が鉄板。
いわゆる昇竜コマンドもなく、波動や竜巻コマンドだけで、真空波動コマンドもないですね。

ボタンを連打するだけでコンボができたり、複数のボタンを同時押しするだけで切り返し用の技が出せたり、と『P4U』を彷彿とさせるシンプルな操作系になっています。

『P4U』では下段攻撃や緊急回避など、ボタン同時押しのバリエーションがあったためにやや複雑な印象もあったのですが、『電撃』ではそういうものは減らしてシンプル化を図っている感じですね。(『P4U』の同時押し系もやっていれば慣れるんですけども)

また、『P4U』における連打コンボは専用のモーションになっていましたが、『電撃』の場合は、A>B>C>A+B>EX必殺技、といったコンボが出るようになっています。

このため、『P4U』では連打コンボと手動のコンボで歴然のダメージ差があったと思うのですが、『電撃』ではその差がやや抑えられているんじゃないか、という印象を受けました。とはいえ、コンボはこれからどんどん開発が進むでしょうけども。(ついでにいっておくと、『P4U』の連打コンボはゲージ増加やバースト回復にボーナス効果があるので、ダメージ以外の使いどころがなくなることはないんですけどね)

あと『P4U』でのボコスカアタックに該当する中段+コンボ始動技もレバー後ろとA+Bで出せます。しかもこの技、相手を空中に浮かせた後、ジャンプで追いかけるのも空中でのコンボも連打で繰り出せます。エリアルまで連打で出せるとは驚きのお手軽さです。

実際には、AAAと押すと、A>B>Cと出ます。なので、

4A+B>追加A>jc>JA>JB>JC>jc>JA>JB>JC>必殺技

といった、見た目にはそれっぽいエリアルが、操作的には、

4A+B>追加A>AAA>jc>AAA>竜巻A

といったカンタンな入力で繰り出せます。
わかると思うのですが、ほとんどAボタンしか使ってません。

こんな感じで操作系は『P4U』よりもさらにカンタンになっている感じです。
といっても、カンタンすぎると「コマンド技が出せるようになった」とか「コンボができるようになった」とか、上達する喜びのわかりやすいポイントが削がれてしまう危険性もあるのですが、『電撃』ではそこはちゃんと守られている感じでもありますね。

たとえば、いわゆる超必殺技「クライマックスアーツ」は連打コンボからは派生してくれないので、「この超必をなんとかコンボに組み込めないだろうか」というのが最初の目標になるように設定されているんじゃないか、とも思えるのですよね。

対戦での駆け引きの焦点が絞りやすい

対戦ゲームにおいて、対戦相手との読み合いや駆け引きは華です。
たとえ対戦に負けてしまったとしても「いまの行動は読まれていたなー」とわかるのであれば非常に悔しく感じるのですが、何をされているのかわからないまま負けになると、悔しいを通り越してやる気を失ってしまったりします。

なので、駆け引きの焦点がわかりやすく設定されているかどうかは非常に重要なポイントです。
ある程度やり込まなければ駆け引きができない、スタート地点に立てるまでが長いゲームも多いわけですが、『電撃』に関しては、駆け引きの焦点が絞りやすくなっている感じですね。

具体的には、連打コンボによる打撃、ボタン同時押しによるガードポイント付のインパクトスキル、そして投げ。この3つのアクションが3すくみ構造になっている感じですね。

ボタン同時押しで切り返し技がでるのは『P4U』の逆ギレアクションに似ていますが、『電撃』のインパクトスキルは無敵ではなくガードポイントになっているのが特徴。あくまでガードポイントなので投げには負けたりします。投げにきたところにA攻撃を振っておけば、そのまま連打コンボにいける、という図式になっているわけです。

なので、切り返しのインパクトスキルをどこで振るか、振らないか、がまず最初の駆け引きの焦点になります。これは非常にわかりやすい。

あと、インパクトスキルはガードされると反撃が確定。
ほとんどのキャラクターのインパクトスキルが突進系の技になっていて、見た目通りの隙のデカさなので反撃がしやすいのもポイントが高いですね。(インパクトスキルから超必殺技や切り札がキャンセルで出せるので、ガードしても読み合いはあるっちゃありますけども。)

最近の格ゲーでは、見た目が大振りの技なのにガードしても反撃できない、とか、実はガードしても不利、とか、見た目の印象と実際の性能が一致していないものも多く、感覚的に馴染みにくいところもハードルを上げているポイントだと思うのです。調整に調整を重ねた結果であることはわかるのですけどもね。

『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』ゲームオープニングムービー – YouTube

サポートキャラや切り札が今後の研究ポイントか

ここまでは初心者向けのつくりについて書いてきましたが、ここからはその逆、初心者殺しになりそうな部分について。

このゲームにはサポートキャラクターというシステムがあり、これはいわゆるアシストとかストライカーという初心者殺しの筆頭になるんじゃないかってシステムですね。

サポートには専用のボタンが設けてあり、「いいから押せ!とにかく押せ!押すんだッ!」という開発者の意図が伝わってくるのですが、やはり最初のうちはなかなか意識できないというか、忘れたころに思い出したかのように使っている感じになってしまいますね。

格ゲーを嗜む人なら、「何か悪いことができそう」とニヤニヤしてしまうシステムだと思うのですが、わからん殺しはやる気を削いでしまいかねない危険なポイントでもあります。

とはいえ、脱・初心者のためのわかりやすいポイントであるともいえます。
サポートまで意識が周るようになり、サポートを絡めた連携の1つでも覚えれば、初心者から一歩前進した動きになっているはず。

もう1つのとっつきづらいシステムが「切り札」。
ゲージの上の電撃マークがストックで、対戦開始時に2つ所持、ラウンドをとられるごとに1つストックが増えるようになっています。

ストック性なので「ここぞ」といったタイミングで使いたくなるのですが、初心者はどこがそのタイミングなのかが見極められず、抱えたまま死んでしまう印象も。使いどころを覚えるためには実際に使ってみるしかないわけですが、”もったいないお化け”が邪魔しちゃうのでしょうか。

切り札もボタン同時押しで繰り出せるのですが、キャラクターによって効果はさまざま。
シャナやキリトなどは使いこなすための研究が必要になりそう。

切り札を使った後、一定時間パワーアップ状態になるのですが、具体的にどういう能力上昇なのかがわかりづらいのが難点。全キャラ共通で、コンボルートの増加、全通常技がジャンプキャンセル可能になる、ノーゲージでキャンセルサポートが撃てる、などの効果があるっぽいのですが、パッと見でわからないですよね。

他にも体力が減ったときやブラスト(いわゆるバースト)を使ったときのパワーアップなども、具体的な効果がイマイチわからず…。公式では、前者は20秒間攻撃力などが上昇、後者は攻撃と防御の上昇とゲージが増加とありますが、『P4U』の覚醒ほどのわかりやすさはないですね。

といっても、これらも脱・初心者のためのポイントであることに違いありません。
特に回数制限のある切り札やバーストはどうしてもケチってしまって使わないまま終了、ってことになりやすいと思うのですが、忘れずに使うだけでも一歩前進できるでしょう。

サポートも切り札も、初心者殺しの一面をもっているのは確かですが、脱・初心者のステップアップとして明確なポイントであることも間違いありません。「まず何を目指せばいいのか」というところをわかりやすく提示しているともいえるんじゃないでしょうか。

そんなわけで長々と書きましたが、普段格ゲーをやらない人に向けた作り込みが感じられる『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』、ぜひ遊んでみましょう。キャラクターの数はまだ少ないですが、格ゲーはキャラの数だけわからん殺しもあるので、まさにいまがチャンス。

ゲーセンにはイメージどおり猛者がいっぱいいますが、いまなら初心者もいっぱいいます。「なんかみんなバリバリコンボしてる!こわい!」と思うかもしれませんが、連打するだけで同じようなことができます。ベガ立ちで上手い人からテクニックを盗むのもいいでしょう。

とにかく1回触ってみましょう。本当にそういいたくなるタイトルでした。
えっ、ギルティギアが動いてて遊べない…? そ、そうですか…。

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