駄菓子がテーマのコメディ漫画『だがしかし』の2巻が出たのでさっそく読みました。キャラクターの魅力とギャグの勢いは相変わらず、スナック感覚、もとい駄菓子感覚でさらりと読める良作です。あとほたるさんエロい。
2巻の表紙はサヤ師とキャベツ太郎。帯にもキャベツ太郎。中身にもキャベツ太郎のエピソードが入ってます。もうこれはキャベツ太郎を食べながら読むべきなのでしょう。ちなみに右のほたるさんはハガキサイズのカードで、なんか漫画を買ったらもらえました。ラッキー。
『だがしかし』は「少年サンデー」で連載中の漫画。タイトルの通り”駄菓子”をテーマに扱うコメディになっています。昔なつかしい駄菓子屋を舞台としているものの、ノスタルジックで切ない内容ではなく、勢いとギャグで押しまくる、笑いあり、笑いありの物語なのです。
1巻の感想はこちら。『だがしかし』がどういう漫画なのか、大体わかると思います。参考にどうぞ。
では、2巻の感想、というか、気になったところや思ったことなどをダラダラと。
最新の駄菓子「わくわくスマートフォン」のわくわく感
1つのエピソードにつき1つの駄菓子を扱っていく本作、ネタ切れが心配になるところですが、キャベツ太郎やヤッターメンなど、お馴染みに駄菓子から「わくわくスマートフォン」なる最新の駄菓子まで登場しております。
「なんだよわくわくスマートフォンって。おじさんが子供の頃なんてポケベルすらなかったぞ」と思いつつ調べてみるとこういうものみたいです。なにこれちょっと楽しそう。
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全然関係ないのですが、「わくわくスマートフォン」で検索すると、
「早くも薄れてきたスマホの“わくわく感”:日経ビジネスオンライン」
なんて記事が出てきてしまったのでちょっと吹きました。Google先生も「もしかして: らくらくスマートフォン」と申されておりますし、そりゃあそうですよね、ハイ。
駄菓子とは何か
駄菓子と普通のお菓子の境界線はどこなのか? 誰しも1度は考えたことのある問題が劇中にも登場します。避けては通れないですよね、やっぱ。
個人的には「100円」が境界線だと思っているのですよね。100円を超えると”ちゃんとしてる感”とか”ノーマルな感じ”とかが格段に高くなる印象ですが、これが2桁の価格になると途端に”よくわからないキャラクター”とか”妙なネーミング”とか、一気にカオスが深まる感じ。といっても、100円という値段だけではキッチリ分けられないですよね、トップバリューとかあるし。
このエピソードで扱われた「ヤンヤンつけボー」は100円をオーバーしつつも、”精神は駄菓子”というポジションがなんとも微妙にして絶妙。駄菓子屋に置いてあるけどなかなか手が出せない100円オーバーの高級感、あると思います。
当たらないアタリ付の駄菓子
アタリ付きの駄菓子の代表として「ヤッター!めん」が登場。アタリが出たらもう1つもらえる、というのではなく、アタリがそのまま金券になっているのが魅力で、ボクの周りでも人気の高い駄菓子だった印象です。
でも、さっぱりアタリを引けないほたるさん。ここにすごく共感してしまったのですよ。ボクもアタリを全然引けない人だったので。
「ヤッター!めん」のようなアタリ付の駄菓子もそうですが、他にも駄菓子屋にあるクジ引き的なやつとか、ガチャポンとかカードダスとか、ああいう類のものでビックリするほどアタリを引けなかったんですよね、子供時代のボクは。おかげで「ああ、こういうのは当たらないようにできているんだ」と認識するようになり、いまではギャンブルにまったく手を出さない大人になりました。ソーシャルゲームのガチャにさっぱりお金を落とさないのもこれが原因。
駄菓子屋は子供にとってお金の使い方を学ぶ場所でしたから(現代ではコンビニでしょうけど)、これも1つの教育のカタチなのかなと思う次第。といっても、いい感じでアタリを引けちゃった人は成功体験に引きずられてしまうでしょうから、諸刃の剣なのかもしれません。
ココノツ君はレトロゲームがお好き?
駄菓子とは全然関係ないのですが、ココノツ君がちょくちょくゲームで遊んでいるシーンがあるのですよね。ゲーム好きとしてはどうしても気になってしまって。
下の画像、右は第29話、左は第32話です。
29話ではゲームボーイアドバンスで遊んでいたようですが、32話ではゲームボーイ(初代)っぽいモノに変わっています。なぜ過去にさかのぼっているのか。レトロゲームが好きなのかもしれませんが、問題はそこではありません。
ボクが言いたいのは「ゲームボーイのソフトはゲームボーイアドバンスでも遊べますよ!」ってことです。本編とは全然関係なくてすみません。
全部混ぜるのは小学生の夢
粉末のコーラ「アメリカンコーラ」のエピソードで展開される小学生の夢。さまざまな味の粉を全部混ぜたら最高に美味いんじゃないか?というアレです。誰しもが1度は夢見るドリームです。
このエピソードは実際に全部を混ぜたモノを飲んだところでオチなので、そこは敢えて触れませんが、とても不味くてのたうちまわるようなオチではありません。飲んだ人々の反応が、なんというか、妙に生々しい反応をしているのですよね。勝手な推測ですが、これ作者さん実際に飲んだんじゃないかなと。でなけりゃあの表情は描けないと思うんですよ。
全編に作者のフェティッシュが炸裂
1巻の感想では「かわいい」と表現させていただいたのですが、今回はハッキリ言わせていただきましょう。「エロい」と。
メインキャラクターであるほたるさんは作者の好みが全力でぶつけられているようで大変好感触なのは1巻のときから変わらないのですが、エロさがどんどん上がっているような気がしてなりません。下品で露骨なものはありませんし、ちちしりふとももみたいな直球も少な目なのですが、抑えきれないリビドーの片鱗が垣間見えているわけです。
こういうのは言葉で説明すればするだけ野暮ってものですから、黙って親指を立てて頷いておきます。
そんなわけで『だがしかし』2巻、キャベツ太郎とあわせてどうぞ。
小学館 (2015-03-18)
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