『Control』がどんなゲームなのかを一言で表すならば、「SCP財団」の施設を探索するようなゲーム、といえるでしょう。自然の摂理に反した物品を収集した施設の中で不可解で奇妙な現象に巻き込まれていく…、そんな体験ができます。ホラーというほど怖くはありませんが、まるで都市伝説を体験しているかのような高揚感がたまらないゲームとなっております。コワクナイヨ?
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SCP財団とは
そもそも「SCP財団」ってなんやねん、という方もいらっしゃるかもしれません。ざっくり説明しておきましょう。
SCP財団(SCPざいだん、英: SCP Foundation)とは、自然法則に反した存在・物品・場所を取り扱う架空の組織の名称であるとともに、それについての共同創作を行う同名のコミュニティサイトである。
wikipediaより
サイトはこちら。要するに、Wiki形式で集められた都市伝説的な創作の集合体みたいなものです。調査報告書のような淡々とした形式が特徴で、なんとなく読んでいると流してしまいそうなんだけれども、よくよく考えたらゾクリとするような、独特の感触が魅力。また、それぞれのエピソードは独立したものでありながら、仄かな繋がりが見え隠れするところもおもしろいですね。興味がわいたならぜひ。ただし、あまり深入りしすぎないようご注意を。
連邦”操作”局はだいたいSCP財団
『Control』はこの「SCP財団」の影響を色濃く受けたゲームとなっています。開発者がそう語っているのだから間違いないわけですが、言われるまでもないくらいには「SCP財団」です。不可解な現象を発生させる都市伝説的なアイテムとそれを解説する黒塗りされた資料…、どこからどうみても「SCP財団」でしょう。どこかで見たようなアイテムも存在しているので、詳しい人なら「これってあのSCPでは?」と気付いたりできるかも。そうした資料が収集品扱いでそこらへんに落ちているのだからたまらない。
奇妙で不可解な都市伝説を体験できる!
本作最大の魅力はなんといってもコレ。音と映像で表現された都市伝説的な体験ができることです。あくまでもテキストベースだった「SCP財団」をゲームで再現しているわけですよ。これがもうすごいのなんの。美しくも怪しく、不可解でアーティスティック。世界のすぐ隣にあるけれども絶対に入り込めない裏側の世界に繋がってしまったかのような体験ができます。最高か。
奇妙で美しい光景が続くわけですからフォトモードの存在もありがたいところ。心霊写真どころの騒ぎではありません。目の前で歪んだ光景をバッチリ収めることができます。おかげでパシャパシャ撮りまくり。最高だぜ。
超常現象には超常現象で立ち向かえ
肝心のゲーム部分は三人称視点のアクション&シューターとなっております。銃を使った射撃はオーソドックスなものですが、本作の特徴は超能力のようなスキルを交えたアクションです。念力で浮かべた物を敵にブン投げたり、空中を浮遊したりできます。バトルは射撃だけでも超能力だけでも厳しいため、両者をバランスよく活用していく調整になっています。良調整ですね。
個人的に評価したいのがカメラワーク。この手のゲームでありがちな、壁際に追い詰められたときや狭い場所でのバトル時に視点がぐちゃって死ぬ現象がほとんど起きないんですよ。というのも、バトルになる場所が広めになっていることや壁際になった場合のカメラワークなどが上手に作られているからなんです。非常にストレスが少なくていい感じ。何気ないことですが素晴らしいことです。
泣き所はロード時間の長さ
全体的に良作といっていい内容なのですが、唯一の泣き所がロード時間の長さ。今回ボクはPC版をSSD環境でプレイしたのですが、それでもかなりの長さでした。まるでオープンワールドゲームの起動時のようなロード時間が毎回のように挟まれるのはなかなかにキツイ。特に死んだときは厳しい。そんなに死にまくるゲームではないものの、死ぬときはサックリ死ねるので長い長いロード時間は本当に辛い。トイレ休憩と割り切るべきなのでしょうか…。
連邦操作局へようこそ
そんなわけで『Control』は「SCP財団」にインスパイアされたゲームなわけですが、ほぼ「SCP財団」のゲーム化といっても過言ではないような内容になっています。好きな人なら間違いなく楽しめる一品に仕上がっているのではないでしょうか。また、アクションシューターとしての出来も良く、念力でそこらじゅうの物をブン投げて敵にぶつけているだけでもかなり楽しめるのではないかと。ホラーのように露骨に怖がらせにくるのではなく、テキストや音声を交えてゾワリと背筋を凍らせるような不可思議な体験がしたいならぜひ、連邦操作局へ。