【遺失物統轄機構】架空のゲームを攻略する新感覚イラスト集

『遺失物統轄機構』の攻略本、買っちゃいました。個人的にゲームは自力でクリアしたいので攻略情報は見ない派なのですけど、今回ばかりは仕方ないんです。だってゲームが存在しないんだもの。

▲帯に思いっきり”現実”が書いてある。

本書は画集です

正確にいうなら、本書は「攻略本”風”の画集」です。ほし氏によるゲームのスクリーンショット風のイラストをまとめた本になっています。といってもただイラストを収録しただけではなく、ゲームの進行に沿うような形でまとめられているので、めちゃくちゃストーリーを感じられます。読んでいる最中、こんなストーリーテリングがあるんだなぁと膝を打ちまくりでした。もう実際にゲームでテリングしてほしいぜ。

▲裏表紙に載っている超面白そうなスクショの数々とそれっぽい煽り文。でも存在しない。

ゲームっぽいからこそ

面白いのは、ゲームのストーリーだけに留まらず、プレイヤーとしての物語も想像しちゃうところですよね。「ここムズそうだなぁ」とか「これ絶対変な選択肢選んじゃうな」とか、自分ならこうするって想像が入り込みやすすぎる。もっというと、スクリーンショットのシーンで起こっていることだけでなく、ページとページの間の時間もいろいろと想像できてしまう。いやぁ面白そうだなぁこのゲーム。…なんで存在してないの?

想像しやすさについては、どこかで見たことあるようなゲームシステムで形作られていることも理由かもしれません。学生として生活しつついろんなNPCと交流していくのは「ペルソナ」っぽいし、三人称視点での探索やバトルは「ダークソウル」っぽさもあります。とはいえ、ゲームっぽさを表現しようとするなら、どうしても既存のゲームに寄せることになるでしょうし、仕方ないかなーと思います。個人的にはどっちも大好きなゲームなのでウェルカムです。ウェルカムしたところで遊べないんですけど。

攻略情報もあるでよ

本の内容は9割くらい上記のスクリーンショット風のイラストで埋められているのですが、残りの1割ほどは本当に攻略本みたいな情報が掲載されています。ストーリーのチャートとかマップとかキャラクターや敵の設定とか、カッチリまとめられています。今や攻略情報ってネットで見るものですから、もうなんかちょっと懐かしさすら覚えますよね、こういうの。惜しむらくは装備やアイテムの紹介がないことかなぁ。終盤のページで装備してるヤケクソみたいな武器の詳細、知りたかったぜ。

▲めちゃくちゃそれっぽいチャートとか載ってる。でもプレイできない。

このゲーム自体が”遺失物”なのでは?

そんなわけで『遺失物統轄機構』、チュートリアルから真エンディングまで掲載されているので、最後まで読むとガッツリプレイした気分になれます。いや、でもそれはゲーマーとしてまずいのかもしれない。動画勢ならぬ書籍勢(?)になってしまいますし。やらずにやった気になるとか言語道断です。というわけで、プレイさせてもらえませんか。ほら、カドカワさんはゲーム事業もやってるそうじゃないですか。いけるいける! このゲームを「遺失物」にしないためにも、なんとかならないでしょうか。…ならんか。

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