【シュガー・ラッシュ】感想・ゲームの世界がゲームすぎて終始笑顔のゲーム映画

視聴後に「ゲーム好きなら必ず見ておけ」といいたくなってしまうのは本当でした。もちろんそうでない人も間違いなく楽しめると思いますけど。

シュガー・ラッシュ | ファンタジー・アドベンチャー | ディズニー映画

劇場で公開時から気になってはいたものの、機会に恵まれず見られてなかったのでいまになってようやく見ることができました。話には聞いていましたが、ゲームをやる人間なら必ず見ておくべしと太鼓判を押したくなる内容です。

「シュガー・ラッシュ」予告編 – YouTube

古今東西のゲームキャラがそこかしこに

舞台はゲームセンターのゲームの”中”、中心となる登場人物もゲームのキャラクターばかり。メインキャラクターたちはこの映画オリジナルのゲームからの登場ですが、あちらこちらに古今東西さまざまなゲームからゲスト出演しているのが見どころの1つでしょう。

特に、物語の序盤はゲストキャラクターへのサービスが豊富です。PVに登場するザンギエフやエッグマン、クッパのほかにも所狭しと詰め込まれていて、画面の隅々まで目がはなせない感じ。キャラだけでなく、ゲームのアイテムや効果音などでも、それだけで「あのゲームだ」とわかるニクイ演出が光まくりでした。

実在のゲームの登場人物や演出など、探せばいくらでもでてきそうなおもちゃ箱状態なので、何度見ても楽しめそうです。舞台となるゲームセンターにはTMNTっぽい筐体も見えた気がしますし。

本作はGCアニメーション映画で、キャラクターは最新の技術で描かれてはいるものの、レトロゲームのキャラクターは動きがカクカクしていて、アニメーションパターンの少なさを表現しているあたり、実にそれっぽくていい演出。思わずにんまりです。

そういえば、予告編を見たときから謎だった「なんでザンギエフが悪役なのか」ということは結局わかりませんでしたね…。とはいえ、悪役の集会を仕切っているリーダー格がパックマンの敵キャラなのは説得力あります。さすがパックマン。といっても、パックマン本人はちょい役でしたが。

例の隠しコマンドはずいぶん酷いことに使われてしまっていましたが…よくよく考えたら実際のゲームでもあのコマンドは酷いもんか、というかズルだもんな、と妙に納得しながら見ていました。

レトロゲームと最新ゲームのアツイ競演

主人公は30周年を迎える年季の入ったレトロゲームの悪役。そして、メインの舞台となるゲームは比較的新しそうなレースゲーム「シュガー・ラッシュ」と、FPSっぽい最新のガンシューティング「メダル・オブ・デューティー」。前者はお菓子の世界でマリオカート、後者はSF系のシューターですね。「Call of Duty」からとったと思われる名前ですが、キャラクターや世界観は「Gears of War」とか「Halo」っぽい感じでしょうか。

どれも映画内オリジナルのゲームではありますが、30年前のレトロゲームと最新のFPSキャラが協力しているのはなんだかアツいもの感じずにはいられません。レースゲームやガンシューティングが3D映画とマッチしそうなのもわかりますが、それだけではなく、やはりどちらもゲーセンの花形なので納得の選出にも思えますね。

タイトルにもなっている「シュガー・ラッシュ」はマリオカート的なレースゲーム。クライマックスでもレースシーンがありますが、最後尾スタートでごぼう抜きしていくという、レースゲームのアツイところを感じさせてくれます。レインボーロードかと思わせてくれるシーンもあったのですが、どうも監督自身もそんなようなことを語っておられるようで。

監督のリッチ・ムーアは「レインボーロードでコースアウトして落下するなどの体験を再現したかった。『マリオカート』の世界を3D映画にしたかった。」と語っている

シュガー・ラッシュ – Wikipedia

単にゲームの世界を舞台にしているというだけでなく、ゲームならではの特徴をうまく映像化しているんじゃないかと思うわけです。

人の輪に入るのにヒーローも悪役も関係ない

ゲーム的な部分を見つけてはニヤリとしているうちに、気付けば劇中のゲームキャラクターたちがメインとなる物語に引き込まれているつくりも見事。実在ゲームのネタを探す映画などではなく、本筋のストーリーでキッチリ楽しませてくれるディズニークオリティーなわけです。

主人公は悪役であるがゆえに、みんなの輪の中に入れず寂しい思いをさせられている、と思い込んでいますが、そうではないのだというのがストーリーの中心。みんなと仲よくするのに、ヒーローとか悪役とか、そういう立場などは関係なかったのです。悪役なのにヒーローしている主人公と、ヒーローだったのに悪役になっているラスボスのコントラストも上手いですよね。

ヒーローにも悪役にも脇役にも、それぞれ自分にしかできないことがあって、それでゲームは成り立っているんだよという落としどころは大正解でしょう。何もかもがうまくいきすぎているような最後でしたが、このくらいやってくれると壮快で気持ちいいものです。

ゲームっぽい演出はスタッフロールの最後の最後まで続くので、頬がゆるみっぱなし。よくよく考ええたら、再生を始めたところからすでにゲームっぽい描写だったような…。そんなわけで、最初から最後までゲームの世界を楽しませてくれる「シュガー・ラッシュ」。いまさらいうことでもないかもしれませんが、ゲーマーならマストではないでしょうか。

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