【PERSONA3 THE MOVIE #1 Spring of Birth】を見てきたので感想とか

遅ればせながら劇場版「ペルソナ3」を見てきました。原作のストーリーをコンパクトに圧縮したアニメ版で、ゲームをプレイ済みならニヤリとできる場面もちらほら。客観視点でみる主人公はゲームとは違った印象も。

劇場版「ペルソナ3」 公式サイト

公開からちょっと間があきましたが見てきました。画像は来場者特典のスーパーP3シールとポストカード。スーパーP3シールはビックリマン風になったキャラクターのシールで、1袋3枚入り。「えっ?ポストカードなんてもらえたっけ?」と思われるかもしれませんが、ポストカードは12月7日より追加で特典になっているようです。

ポストカードの表側とシールの中身はこんな感じ。
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P3風のさわやかなブルーになっています。シールは森山さんと風花のペルソナ、それから今回のボス敵でした。シールは全29種類ですが、週替わりで中身が違うそうです。12月7日現在は3週目の最終週です。ちなみに、シールの裏側もちゃんとビックリマン風の解説が書かれています。細かい。

では映画の感想とか。

※多少のネタバレ含みます。が、ゲーム版に忠実なのでゲームをプレイ済みの人なら平気、かも。

ゲーム本編をコンパクトに圧縮したアニメ版「P3」

劇場版「ペルソナ3」はゲーム版のストーリーをそのまま再現した内容になっています。今回はサブタイトルに「#1 Spring of Birth」とつけられており、4部構成であることが予想されます。(※第2部は「#2 Midsummer Knight’s Dream」。季節を表す単語が入っているので、春夏秋冬の4部ではないかと。)

具体的には、今回はゲーム内の4月から6月までのストーリーを追いかけています。なので、まだ全キャラクターは登場しません。一応、顔出し程度に混ざっていたりもしましたけど。コロマルさんの活躍が早く見たいです。

「P3」のゲーム版は1年間の学生生活とシャドウとの戦いであり、ボリュームは満点。あれだけのボリュームを90分(x4)という限られた時間の中に落とし込もうとすれば、当然かなりの圧縮が必要になります。しかし、ここが非常に上手なのがこのアニメです。アニメ版「ペルソナ4」でも映像化による圧縮がとても上手な印象でしたが、劇場版「P3」ではさらに圧縮技術に磨きがかかったようです。

いくら圧縮されているといっても、「ここは飛ばしちゃダメだろう」という部分はキッチリ飛ばさずにやってくれます。ブリリアント!

ゲームにあったカレンダー表示を挟みながらテンポよく進むので退屈しません。バトルと日常のバランスもちょうどいいくらいなんじゃないでしょうか。ただ、最後のバトルシーンのみ、やや間延びしてしまった印象。クライマックスの見せたいシーンをじっくり見せようとすると、反対にそれまでの展開の早さが仇になってしまったのかも。

ペルソナの格ゲー版である「P4U」シリーズでも「P3」のストーリーは関連してくるのですが、ストーリーを知るために今から「P3」をやるのもなー、って人にはちょうどいいんじゃないでしょうか。といっても、第2部は来年2014年の初夏に予定されているので、このペースだと完結は再来年になりそうですけど。

ゲームプレイ済みならニヤリとできるポイント多し

ストーリーだけでなく、ゲームの内容を忠実に再現しているパーツがあっちこっちに盛り込まれています。なので、ゲームをプレイ済みの人なら見ていてニヤリとできる場所が多くあり、より楽しめるようになっていました。

コミュで登場するキャラクターや場所など、ちょっとずつですが結構たくさん出てきます。担任の先生や古本屋の老夫婦、ゲーセンやバーガーショップなどなど、ゲームをやっていた人には知っている人に知っている場所のオンパレード。当たり前かもしれませんが、やっぱりうれしいポイントですね。

バトルシーンもゲームの設定をうまく反映したものになっています。このへんはアニメ版「P4」でもそうでしたね。ゲームをやっていない人でも、ゲームの内容を表現してるんんだろうな、って感じられるようになっていると思います。そうすることで、ゲーム版にも興味をもってもらうおう、って意図もあるでしょうし。

音楽もゲームに忠実で、原曲もそのまま使われている場面が多くあります。アレンジ曲も結構あって、どれもすばらしい出来だったのでテンション上がります。

個人的には、ゲーム版と同じく夏服をもらえない荒垣先輩に涙。確かにゲーム版もそうなんですけど、せっかくのスクリーンデビューなのにチンピラから変な格好呼ばわりとかあんまりです。あと、ヒーホー君がちゃんとジャックフロストと呼ばれて登場するところもいいですね。女性客も多かったので、プリクラ君じゃないんですよ!という強く認知できたのではないでしょうか。といっても、この映画に足を運ぶ方々なら大抵知ってそうですけど。

客観視点で見る主人公が新しい感覚

「ペルソナ」シリーズはプレイヤーが主人公なので、主人公キャラクターに固定の人格が与えられてはいません。しかし、今回は劇場版になるにあたり、「結城 理」という名前と人格を与えられています。「P4」もアニメ化や格ゲー化に伴って「鳴上 悠」になったので、あれと同じような感じです。

「P4」の「鳴上 悠」はちょっとぶっ飛んだところや抜けたところはありつつも、概ねまともな人格者でした。ゲーム版をやった人間から見ても、アニメ版の彼に大きな違和感はなかったと思います。しかし、「P3」の「結城 理」はまともとは程遠い人格になっています。

とはいえ、自分で動かしていると気にならなかっただけで、改めて思い返すと「結城 理」の人格はゲーム版に忠実なんです。最初は「こんな危ない人だっけ?」と思いながら見ていましたが、よくよく考えればゲーム版そのままです。影時間に遭遇してもビクともせず、ペルソナ能力を得たら迷わず命がけで戦い、何を考えているのかわからないけど優しくては差し伸べてくれる…大体合ってるんですよね、これ。

一見すると心が壊れちゃってる系の危ない人なんですが、空虚で儚げで、見ていられないような危うさと透明感のあるルックスを掛け合わせたキャラクター、それが「P3」主人公であり、「結城 理」もこのイメージにピッタリになっています。ハッキリ言ってかなり変な人なんですが、客観的にみると変な部分がよく目につくようになるんですね。これじゃ順平やゆかりがイラっとくるのもわかります。ゲームだと突然イライラしはじめる順平に「えっなんで?」ってなりがちでしたが、客観視点だとわりと納得。

やっていることはゲームと同じなんですが、視点を変えるだけでこんなにも印象が変わるもんなんだな、と。どうせゲームと同じ展開なんでしょ?と思ってる人、確かにその通りなんですが印象はずいぶん違うので見てみる価値はありますぜ、と思いました。

最後に、PV4弾のラストにあのシーンが入ってるんですけど、そこはPVで見せない方がよかったんじゃないかなーと思いました。そこまでの流れでなんとなくは予想できるとはいえ、PVを見て知っているとキター感が損なわれてしまうと思うのですよね。なのでPV3弾を貼っておきます。

映画『PERSONA3 THE MOVIE -#1 Spring of Birth-』PV – YouTube

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