『Killzone: Shadow Fall』の開発者インタビューにて、起動時のロゴ表示を削除した意向が語られているようです。ゲーマーとしては興味深い試みかも。
首を長くして発売日を待っていたゲームを入手して足早に帰宅し、食事もお風呂も終えてディスクをセットしてゲーム機を起動し、いよいよ始まる！というところで長々と表示されるメーカーのロゴにうんざりさせられた経験はないでしょうか。
ゲームの開発メーカーだけならともかく、警告表示やゲームエンジン、ドルビーサラウンドなど、表示されるロゴは多岐にわたります。1つ1つのロゴが表示されている時間はたいした長さではありませんが、数が増えるとそれなりに待たされることになります。
『Killzone: Shadow Fall』では、この待ち時間を排除されているそうです。ディスクをセットしてゲームを起動すれば、そのままメニュー画面になるとのこと。さまざまなロゴはクレジットに入っているのだとか。
Choke Point | 『Killzone: Shadow Fall』、ゲーム起動時のロゴ表示を排除へ―Guerrilla Gamesが明らかに
開発者自身が語っていることですが、起動画面からロゴを消すことは相当の企業努力があったようです。そりゃそうでしょうね。
実は、企業ロゴの表示をできるだけ抑えて、ゲームの起動からスタートまでを短縮する努力は、すでに他のゲームでも見られると思います。
たとえば『Call of Duty : Black Ops 2』とか。ゲーム内オプションで起動時にシングル、マルチ、ゾンビモードを直接起動できる設定が存在します。この設定を有効にしておけば、たしかドルビーロゴとかをすっ飛ばせたはず。
他にも『ドラゴンズクラウン』では、ゲームを起動し、セーブデータを読み込んでスタートした後、最初に画面が暗転するタイミングでヴァニラウェアのロゴが表示されるようになっています。
ゲーム機を起動してからゲームがはじまるまでの時間は、各社が凌ぎを削っているところだと思います。ゲームスタートまでを1秒でも短縮しようとする努力はロゴだけではありません。メニュー階層を浅くし、スタートまでのステップ数を減らすことにも現れています。
現在、家庭用ゲーム機のライバルはゲーム機だけではありません。ソーシャルゲームやブラウザゲームを主とするスマートフォンやタブレットなどが最大の競争相手でしょう。
ゲーム機は普段電源が切られていて、プレイするときにスイッチを入れるわけですが、スマートフォンは電源の入った状態で手元にあるので、スタートラインが違います。電源を入れる、というプロセスがないので、ハードルが1つ低いわけです。だからこそ、ゲームスタートまでの時間の短縮は、現在ゲームメーカーにとっての至上命題なのです。
ゲームを開始できるまでの時間、という意味ではスマホに分があります。なのに、メーカーロゴに何十秒も待たせている場合ではないのです。
最近のタイトルで1番長く感じられたのは『メタルギアライジング』でしょうか。注意事項からコナミロゴ、小島プロ、プラチナゲームズ、havok、CRIWARE、ドルビーと続き、33秒ほど待たされてからタイトル画面になります。33秒というとたいしたことはないように聞こえるかもしれませんが、「さぁゲームをしよう」とコントローラを握ってディスプレイの前で待っている人間にとっては、とてつもなく長い時間に感じられてしまうものです。
もちろん、タイトル画面にたどり着いても、スタートボタンを押してからロードがはじまるので、実際にゲームをプレイできるのはさらに後です。読み込み時間があるのは仕方のないことですが、ゲーム開始までの体感時間が長いと、翌日もう一度ゲームを起動してくれるかどうか、何度も遊んでもらえるかどうか、という点で疑問は残ります。実際、何度も起動するのはちょっと億劫になりました。
ユーザーの体験を重視するならば、今後もゲームスタートまでの時間を短縮するために、メーカーのロゴ表示は削ぎ落とされていくでしょう。とはいえ、今回の「Killzone」や「Call of Duty」のような強力なフランチャイズだからこそ実現できるのかもしれません。実際問題、大人の事情としては厳しそうですし。ユーザーにとっては間違いなくメリットなので、この流れが主流になってほしいとは思いますけどね。
参考：
Why Killzone Shadow Fall is almost 40GB (it used to be 290…) • News • PlayStation 4 • Eurogamer.net
ゲーム起動時のロゴ表示を排除する試み | スラッシュドット・ジャパン
売り上げランキング: 228
