『だがしかし』1巻の感想 駄菓子がテーマのコメディー漫画でかわいいは正義

そんなに漫画を読む人ではないのですが、ネットで見かけて気になったので読みました。『だがしかし』とは何とも気になるタイトルですが、中身は「駄菓子」を題材にした漫画です。といっても、ノスタルジックな空気に浸らせるわけではなく、2コマに1コマはギャグというくらいの勢いで飛ばしてます。

「駄菓子」というおっさんホイホイアイテムをテーマにした漫画と聞いて、さっそくホイホイされてみました。学校帰りに立ち寄って10円単位のお菓子を買い漁る…そんなあの頃の思い出がオーバーラップしそうですが、『だがしかし』はそういう切ないノスタルジー的な漫画ではなく、ひたすらハイテンションなコメディー作品になっています。個人的には「ハイスコアガール」のように”あの頃”に浸れる切なさみたいなものを期待していましたが、これはこれで。

『だがしかし』の主人公は地方の駄菓子屋の息子ココノツ君。漫画家を目指していて父親の跡継ぎはしたくないけど駄菓子屋の素質があるという設定の15歳です。そこに突如やってきたお菓子会社の娘・ほたるさんがドタバタを巻き起こすという内容になっています。表紙絵の子ですね。舞台になるのは昔ながらの駄菓子屋ですが、時代設定はあくまでも現代。

ちなみに、現代においてはもう見る機会もなくなってしまった駄菓子屋ですが、どうして消えてしまったのか、ということについてはWikipediaにも記述されています。少子化の影響とかコンビニの台頭とか、その他もろもろの時代の流れに飲まれてしまったわけで、そりゃそうですよねと。といっても、駄菓子そのものは現代でもコンビニに陳列されているのでそんなにセンチメンタルになるところでもなさそうではあります。

参考:駄菓子屋 – Wikipedia

話を『だがしかし』に戻しましょう。

物語は1話につき1つの駄菓子をテーマに進みます。「うまい棒」にはじまり「きなこ棒」、「ブタメン」に「フエラムネ」、「モロッコフルーツヨーグル」と誰もが知っている駄菓子のオンパレード。こんなペースで食べていたらネタ切れ待ったなし、って気もしますが、そうでもないのかな? すでに「めんこ」回があるくらいなので、駄菓子屋にあるものなら何でもアリなのかも。正直テーマになっている駄菓子がほとんど関係ねーじゃねーか!って話もありますが、それはそれで。

そもそもこの漫画の最大の魅力って駄菓子じゃなくてかわいい女の子にあると思うんですよね。いまのところほたるさんと友人の妹のサヤの2人しかいませんが、どっちもとてもかわいらしい。ほたるさんは都会からやってきた大会社の社長の娘ということで、意図的に周りから浮いてる感じのビジュアルにしていると推測しているのですが、それ以上に作者の好み、趣味をてんこ盛りにしたように見えるのが非常に好印象でグッド。かわいいに対しては正直な直球ストレートが正義です。

ところで…ほたるさんは登場時に15歳のココノツ君と同世代と紹介されていますが、小学生時代に「こざくら餅」が18個だったと語っているのですよね。ってことはアナタ本当は何歳なんです? 15歳の少年からみても若くみえるくらい若々しいというだけで実は結構…みたいな話なんです?

だがしかし こざくら餅の減少とともに浮かび上がるほたる高齢疑惑

そんなわけで『だがしかし』、おっさんホイホイからのかわいい女の子という巧妙なコンボになっております。作者の好みが正直に反映された(と勝手に推測している)ほたるさんは魂のキャラクターであり非常にかわいいので、読者としてもこの直球をストレートに受けざるを得ません。欲をいえばこの単行本、ちょっと薄い気がするのですが漫画の単行本ってこんなものでしたっけ? 駄菓子感覚でサクっと読め、ということかもしれませんけど。「駄菓子」にピンときた人はホイホイされてみましょう。

コトヤマ
小学館 (2014-09-18)
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