『ガンダムUC ep.7 虹の彼方に』を観てきたので感想とか ※ネタバレあり

アニメ版『ガンダムUC』の最終回である「episode 7 虹の彼方に」を観てきました。密度の濃さは毎回のことですが、ラプラスの箱をめぐる物語の締めくくりとして、最後を飾るにふさわしい内容でした。密度が濃すぎて情報量がすごいことになっているので、頭の中で整理しきれていませんが、感想を書いていきます。

ガンダムUC episode7 虹の彼方に

アニメ版『ガンダムUC』の第1話は2010年2月に上映されているので、今回の最終話が上映されるまでに4年以上経過していることになります。長い期間なので「ついに完結してしまったんだな…」という喪失感もありますが、見終えた後の満足感が上回りますね。

今回の「episode 7 虹の彼方に」は最終回であり、全編を通してのクライマックスに当たります。なので、2時間の最初からずっとクライマックス状態。詰め込まれた情報量も圧倒的なものになっています。第6話が最終回前の溜めの回として、やや地味な印象があった分、最終回は派手に大爆発した感じ。

あまりの情報量に「なんかすごかった」って言ってしまいたいのも確かなのですが、それではあまりにも小並感すぎるので、頭の中を整理する意味でも感想を書いていこうかと思います。映画を観た後そのまま喫茶店に流れて話しているくらいの内容ですハイ。※ネタバレありなので注意!

あ、前話までを整理するなら100秒でわかるガンダムUCがいいかもしれません。…マリーダさん?

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おっさんを虜にするバナージの可能性

今回の主役はなんといってもシールドでしょう。推進力も何もないシールドが勝手に飛び回るもんだからアンジェロ大尉もビックリです。リディやフロンタルが特に驚かないことに驚きです。ガンダム作品で不思議パワーが炸裂するのは珍しいことではありませんが、ビームガトリングをくっつけた盾がびゅんびゅん飛び回るのはかなりキテるんじゃないでしょうか。

しかも強い。超強い。サイコジャマーなんてガトリングを撃つまでもなく体当たりで撃破できる。バンシィのビームサーベルを受け止められるくらい頑丈だからガトリングが爆発したってピンピンしてる。コクピットに乗ってなくても呼べば飛んできてくれるし、3枚合わせりゃコロニーレーザーだって防げる。もうね、なにこれ。

とはいえ、フルアーマー状態で出撃したユニコーンの中で最後に残った装備がシールドというのも何か象徴的な感じがしますね。あれだけたくさんの武装を積み込んでいても、バナージにとって1番必要だったのは武器ではなく盾なのでしょう。使った武器を次々とパージしていく様は最高にカッコイイですけど、倒すための力は捨てて、守るための力になっていく感じなんでしょうね。だから、最後に残るのは必殺武器であるビームマグナムではなくシールドだった、と。

バナージは不殺系の主人公ではありつつも、その理由や意思が明確に描写されているのがいいですね。感情やワガママで「殺したくない」っていうわけではなくて、「殺すわけにはいかない」なんですよね。彼の目的は戦争を止めることなのですが、根本的に止めるためには憎しみの連鎖を断ち切るしかない。誰かを殺せば、殺された誰かの家族や友人や恋人が憎しみを元に武器を手にしてしまう、という連鎖。殺すのはいけないことだから、とか、そんな理由じゃないんですよね。

もともと巻き込まれ型の主人公だったバナージ君は状況にのまれて仕方なくガンダムに乗っていましたが、ep4からは自分の意志で、自分の目的のために乗るようになります。ep4で「RX-0」をバックに出撃するシーンは、彼の成長物語の大きなターニングポイントでした。憎しみの連鎖の呪縛に囚われた人々を解放するための戦いがはじまるわけです。

もちろん、そんなのうまくいくわけがありません。大人たちからすれば、青臭い理屈です。しかし「でも、それでも」とあがき続けるバナージの姿に、大人たちも心を打たれていくのです。彼の”可能性”に賭けてみたくなってしまうのです。心の中で「でも、それでも」と叫び続けていたのは、大人たちも同じだったのかもしれません。

こうして次々とおっさんたちを落としていくおっさんキラーのバナージ君ですが、まさかフロンタルまで落としてしまうなんて…バナージ、恐ろしい子。過去の呪縛に囚われているという意味では、シャアの再来であるフロンタルはその代表といえるかも。そのフロンタルを呪縛から解き放つのは、まさに最終決戦の決着に相応しいラストだったのではないかと思うのです。ネオジオングだけじゃなく、シナンジュの動いているところも見たかったですけどもね。

バナージ君がおっさんキラーであることは視聴者にとっても同じこと。「ガンダムUC」は1st世代の30台以上向けをターゲットだそうなので、主人公におっさんキラーを据えるなんて反則です。ボクは1st世代でもないですけど、十分おっさんなので…いいですよね、バナージ君。

細かすぎるメカ描写のラッシュ

機動戦士ガンダムUC episode 7 プロモーション映像02 [HD] [PlayStation®Store] – YouTube

「ガンダムUC」の見所の1つは名も無き兵士の戦いにあります。毎回、パイロットの名前も声もでないようなMSのアツイ戦いが描かれるのですよね。もちろん今回もあります。

やはり印象的なのはネェル・アーガマのカタパルト上での戦い。ニンジャのように飛び込んできたガルスとショットガンをもったズサのコンビがカッコイイバトルを繰り広げてくれます。たぶんガルスがこんなにカッコよく描かれることは未来永劫ないと思います。

他にも、分離して襲い掛かってくるバウとか。主人公メカの気分でギュンギュン動く上に、合体するときはガッキィーン!と電撃が走るという。なんですかその電撃エフェクトは。いやメカの合体にはつきものでしょ?といわれたらそうなんですが、ノリノリすぎやしませんか。

こんな感じで無名の兵士の活躍をあげていくとキリがありません。全体的にバトルシーンも多いですし。ep4がジオン同窓会って感じでしたが、今回はネオジオンの同窓会というか、オールスターって印象なので、ZZ好きは大興奮だと思います。

もちろん、主人公やライバルたちのメカもぐりんぐりん動きます。しかし、ラスボスのネオジオングについてはさすがにデカすぎたのか、動きのある映像にするのに苦労しているようにも感じましたね。登場時から有線ビットをにょきにょき伸ばしたり、エコーズ隊のMSを操ったりと異形の化け物感がバリバリで非常にいい感じでした。といっても、あんなデカいもので気付かれずに乗りつけるとか、どうやったんでしょうか。

最終決戦では、武器のない状態でパンチで勝負!という殴り合い宇宙。やっぱ最後は拳で決着ですよね。手刀を構えてチョップを振り下ろすあたりまでは、パンチだけだと単調になるしこういうのもアリかな、くらいに思っていたんです。でもその暗殺拳の構えはなんですか。いつから伝承者になったんですかバナージ君。最後にネオジオングが崩れ去ったのは決して内部から破壊されたためではないと思いたいところです。ひでぶって言わなかったし。

過去の呪縛から未来の可能性へ

BD/DVD版では毎回前話までの総集編が収録されています。劇場では、あの総集編が本編の前に流されていました。で、もちろん今回も総集編が流れるわけですが「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が~」とか流れはじめて「!?」ってなるわけですよ。「ガンダムUC」の1話からではなく、初代「ガンダム」の最初からとか、「そ、そこから!?」ってなりますよね。なりました。

でも、実はこの総集編が伏線になっているんですよね。「ガンダムUC」は宇宙世紀元年のラプラス事件を発端にしているので、そこから紡がれる100年近くの歴史が内包されているわけです。だから、1年戦争もグリプス戦役もネオジオン抗争もシャアの反乱も、すべて無関係ではなく、むしろ密接に結びついているのです。歴史の裏で暗躍した「ラプラスの箱」による呪縛と、その呪縛からの解放が本作の物語なんですもんね。

物語のカギであった「ラプラスの箱」の正体がいよいよ明らかになったわけですが、ガッカリ、というよりも、やっぱり、という感じ。中身の予想ができていたわけではありませんが、大したものではないのだろうという予感は当たっていた感じです。劇中でも、そんなたいそうなものではないのだろうという空気が流れているので、ある意味期待通りなわけで、オットー艦長の「たったそれだけ」っていうのは視聴者の代弁なんでしょうね。

箱の中身を公表することで突然平和な世の中になるわけではないでしょう。マーサおばさんのいうように、ミネバの言葉を理解できる人ばかりではないでしょうし。とはいえ、これで箱をめぐる戦いはひとまず終結したわけで、100年近くにわたり暗躍してきた箱の力は失われたわけです。1つの時代が幕を閉じたわけですね。

それにしても、記念碑に各国代表がサインしている映像をみて、「あっこれ1文多い」って気付くくらいなんだから、オリジナルの記念碑にどれほどの価値があるのやら…。映像が検閲されて残っていない可能性もありますが、ネットが普及した時代を生きる人間からみると、全データを消すことなんて不可能でしょうし。編集可能な映像データに証拠としての価値がないにしても、この映像を元に声を上げる人とかいそうなもんですけども。

なんにしても、ラプラスの箱の呪縛から解放され、新たな時代への一歩を踏み出す瞬間でUCは幕を閉じるわけです。この先には、「F91」とか「Vガンダム」の時代が待っていることをすでに知っているわけですから、フロンタルの「虚しいな」って台詞が響くところでもあります。

ガンダムといえば、分かり合えるかどうかで争ってることが多かったのですが、「ガンダムUC」では、過去の呪縛と未来への可能性の戦いなんですよね。呪縛から解き放たれた人々は、バナージやミネバのような若い世代の可能性に光を見出すわけです。その結果の未来がどうあれ、過去に囚われ続けたり、不満のある現状を維持するよりは、新たな一歩を踏み出すべきでしょう、と。だからといって、ガンダムなんていつまでも見てちゃいけないよ、次の一歩を踏み出さなきゃ、という意味ではないでしょうけども。

そんなわけでついに完結した「ガンダムUC」、完結したので次の話を待つことなく一気に見れるようになりました。といっても、どの話も密度が濃いので一気に見ても情報量を処理しきれない可能性が高いので、マラソン的な見方はオススメできません。スタッフが全力で作りました!っていうエネルギーがビンビン伝わってくる作品なので、ガッツリ味わってほしいところです。いまなら最終回を劇場で見れますよ。

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