映画『ジョン・ウィック:チャプター2』感想

『ジョン・ウィック:チャプター2』を観てきたので感想など。前作を楽しめたボクにとっては今作も最高に楽しめました。「いい映画だったか?」と聞かれたら、「遺憾ながら」と答えましょう。あ、やめて、撃たないで。

「チャプター2」とついているとおり、『ジョン・ウィック』の続編となっております。なので、前作を未見の人はNetflixかどこかで観たうえで今作を観ましょう。前作の内容をざっと紹介しておくと、殺し屋稼業から足を洗って平穏に暮らしていたジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)に無知なチンピラが噛みついてしまったために、マフィア1つをまるごと叩き潰すハメになるお話です。今回「チャプター2」では、殺し屋稼業から足を洗うために別の殺しの仕事を引き受けさせられたり、そのせいで同業者から狙われまくったりする話となっており、相変わらずジョンが無双するお話なのであります。

キアヌの超カッコイイガンアクションが最大の見所であることは変わらず、前作にも増してスタイリッシュになったアクションが堪能できます。アクションに関しては前作が楽しめた人なら間違いなく楽しめることでしょう。ボクも大層楽しめました。殺し屋だからハンドガンの弾は確実に相手の頭に撃ち込むし、殺し屋だからアサルトライフルをフルオートで撃ったりせずセミオートで確実に当てていきます。このキレ味、最高だぜ。

逆に前作と大きく違った印象を受けたのはジョンの悲壮感が薄れていることでしょうか。前作は亡き妻の形見である犬が殺されてしまうことで、すべてを失った男の悲壮感バリバリだったのですが、今回は「まだ家が残っているではないか」とばかりに吹っ飛ばされてはいるものの、そこまで悲嘆に暮れる風でもない。まるまる復讐劇だった前作とは違い、今回は半分復讐劇でもう半分は自由への戦いになっているので、印象が変わったのでしょう。前作終了後にジョンが戦う理由としては納得。

「チャプター2」は大きく2つのパートに分かれている印象でした。1つは殺し屋としてフル装備で戦うパート、もう1つは”元”殺し屋としてハンドガン一丁から戦いを始めるパート。前者のパートでは組織のバックアップを受けて最強装備で戦えるわけですが、装備を整えていく描写が最高にワクワクさせられます。一見普通の仕立て屋やソムリエが武器や装備を売ってくれる裏社会感、たまりません。ボクも仕立て屋で裏地をどうするのか聞かれて「タクティカル」と答えてみたい。ともあれ、装備を整えていくジョンを見ていると「この装備をどう使ってくれるのだろう?」と否が応でも期待が高まってしまうのですが、手にした装備は”デザート”までキッチリ使い切ってくれるミスターウィック、最高だぜ。

で、後半パートでは「弾は7発」と念を押されたハンドガン一丁からスタートなので、「この7発をどう使っていくのだろう?」とワクワクしながら数える準備をするじゃないですか。最後の1発はラスボス用に取っておくんだろう?とかさ。そしたらどうですか。お前いきなりかよ!みたいな。悔しいけど笑ってしまいました。他にも階段で過剰にゴロゴロしたり唐突なスモウファイターの登場に呆気に取られたり、前作とは違って悲壮感が薄れた分、ちょいちょい愉快なシーンが挟まれているのですけど、個人的にはかなり好きです、今作のノリ。

ジョンが無双するといっても割とダメージは受けちゃうのも前作と変わりませんが、ラストに至るまで前作ほどボロボロにならないので命の危機を感じてハラハラさせられたりはしませんでした。そのかわり、ラストに”呼び出される場所”にはハラハラさせられました。にしてもあの世界、殺し屋多すぎやしませんか。もう忍んでない忍者レベルじゃないですか。あれだけいるなら続編があっても困ることはなさそうですけど。というか、実際続編もありそうな〆方だったのでキアヌのさらなるスタイリッシュアクションに期待。もう平穏な日々は無理だよね、あれ。

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