アニメ【シンデレラガールズ】17話の考察と感想と 城ヶ崎姉妹の「意地」とみりあ「お姉ちゃん」の光と

アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第17話は、城ヶ崎美嘉・莉嘉のギャル姉妹と赤城みりあのエピソード。アイドルの先輩役として、みんなのお姉ちゃんとして引っ張ってきた美嘉を、小さな後輩である莉嘉とみりあが救い出す展開になっていました。彼女たちの小さなShining Starはあまりにも眩しく、心が浄化されること間違いなし。

アイドルマスター シンデレラガールズ 第17話 考察と感想と

TVアニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」オフィシャルサイト

前回は、個性を伸ばす方針のプロデューサー(以下、P)と個性よりもスター性を重視する美城常務の方針の間で、もっとも”個性的”なアイドルであるウサミンや前川たちにスポットが当たりましたが、「個性」というテーマは全編を通してキーポイントになりそう。「個性」を制限されたとき、「個性」をどこに見い出して、どう表現すればいいのか? それが第17話のテーマになっています。

前回、第16話の考察と感想は以下よりどうぞ。

アニメ【シンデレラガールズ】16話の考察と感想と 心の中で輝く「個性」こそがウサミンパワーの原動力
個性派アイドル揃いの346プロダクションでしたが、美城常務の方針によって「個性」を否定されたアイドルたち。その代表としてスポットを当てられたのが崖っぷちアイドル・ウサミンこと安部菜々。第16話では、ウサミンと方向性の近い前川みくとの間で「個性」について掘り下げるエピソードになっており、Pの言う「個性を伸ばす」とはどういうことなのかが描かれているのです。

今回17話は、城ヶ崎姉妹と赤城みりあの3人をメインに据えたエピソードになっています。サブタイトルは「Where does this road lead to?」、直訳すれば「この道はどこへ通じているの?」でしょうか。「この道」とはつまり、トップアイドルへの道のことですが、行き先のわからない”もやもや”が3人を悩ませることに。これまで先輩として世話を焼いてくれていた美嘉が、今度は小さな後輩たちに助けられる展開となっています。莉嘉とみりあは、アイドルとしての面と姉としての面、2つの面から美嘉を救うことになります。

3人のキャラクターを2つの関係から描くということで、ただでさえ高密度な『シンデレラガールズ』がさらに濃密な内容になっています。しかも、ゲーム版における設定をキッチリ盛り込んだ上で、アニメ版ならではの物語を描き切っているわけですから、ただただ驚嘆。

私は私 それがギャルの意地

15話の楓さん、16話のウサミンに続いて、17話では城ヶ崎美嘉が登場します。ゲーム版の属性でCool、CuteときたのでPassionの出番ですね。美嘉は1stシーズンでもすでに多くの出番があり、シンデレラプロジェクトに在籍する莉嘉の実姉というだけでなく、一足先に成功を収めているアイドルの先輩として、周囲を引っ張る存在になっています。姉貴分として周りから慕われるだけでなく、世話焼きな性格も反映されている感じですよね。

そんな彼女の元へも美城常務の改革の手がやってきます。カリスマJKアイドルとしてギャル系で売っていた美嘉ですが、大人向けの高級路線への変更が伝えられます。前回のウサミンの内容を引き継ぐのであれば、誰かに言われたからといってやめるのではなく、自分の個性を貫けばいい、ということになりそうですが、そうはなりません。美嘉はウサミンとは立場が違うからです。第一線で活躍中の美嘉には、後輩たちは部署の未来がかかっているので、”ワガママ”は許されないのです。彼女は、これまでのギャル系路線を捨てて、アダルトな高級路線の仕事を受けることになります。

アイドルマスター シンデレラガールズ 言いたいことを飲み込む美嘉

一方、妹の莉嘉はTV番組の出演が決まって順風満帆…に、みえたのですが、こちらもギャル系路線ではなく、子供向け路線の仕事になっていました。子供と大人で路線は真逆ですが、自分たちのやりたいことができない、という意味では同じですね。しかも、今回の仕事はシンデレラの舞踏会に向けた重要な第一歩ですから、莉嘉にも部署の未来がかかっていました。城ヶ崎姉妹の状況は対照的にみえますが、実はまったく同じ問題にぶち当たっていたわけです。

アイドルマスター シンデレラガールズ きらし視点の莉嘉

この問題に対して、2人のとった行動も対照的でした。姉の美嘉は、仕事だから仕方がない、として路線変更を受け入れます。大人の対応ですね。周囲の姉貴分である彼女には、頼りにできる存在もなく、ただひたすら自分を押し殺してガマンしようとします。しかし、妹の莉嘉は、状況を受け入れず、抗おうとします。といっても、子供の対応というわけでもなく、Pに助けを求めようとせず、自分でなんとかしようと考えます。しかし、莉嘉には頼りになる姉がいます。大好きなお姉ちゃんの前でだけは、”ワガママ”をいう子供になってしまったのです。

すべてを飲み込んでガマンしているところに、ワガママをギャーギャー言われたら、キツイ言葉で怒ってしまうのも無理はありません。「遊び半分じゃ、真面目にやってる他の子の迷惑になるから」の「真面目にやってる他の子」には、もちろん美嘉自身のことも含まれているのでしょう。ここでのポイントは2つあって、まず、あれだけガマンしていた美嘉が怒りを露わにしていること。これは相手が妹という特別な存在だから。それから、莉嘉がワガママを言ってしまったことも、相手が姉という特別な存在だからです。生の想いをぶつけ合えるのは姉妹だからこそ、なんですよね。

アイドルマスター シンデレラガールズ 城ヶ崎姉妹

怒られたことにショックを受ける莉嘉ですが、ここで注目したいのは「お姉ちゃん…?」と言っているところ。予想外の反応に困惑しているだけではなく、姉の異変に気付く瞬間でもあったのです。莉嘉は説明の用量を得ずにワガママになってしまっているのですが、もともと彼女が姉に聞きたかったのは、「(この状況は)お姉ちゃんだったらどうするんだろう?」ということでした。でも、お姉ちゃんはその答えをもっていません。莉嘉が駅のホームで姉の看板を眺めるシーンが挿入されていましたが、おそらくここで、姉のイメージチェンジが彼女自身の望んだものではなかったと理解したのではないでしょうか。

アイドルマスター シンデレラガールズ 美嘉の看板を眺める莉嘉

結局、莉嘉の悩みを解決したのは莉嘉自身でした。服装で自分を表現できないことは、着飾ることを大事だと考えるきらりにとっても難問でしたが、真逆の考えをもつ杏との問答の中から答えを見つけます。大事なのは服を着る自分自身であり、気分を高めるためのオシャレなら、他にいくらでもやりようがあると。

それにしても、ここでアドバイスをくれるのが杏ってのがいいですよね。第9話のTV出演回では体操着を着させられていたし、”あの”私服を晒してもスマイルを一切崩さなかった杏が「服なんてなんだっていいじゃん」というのは、最高に説得力があります。印象的に人々の足元が映し出される中、彼女は飾り気がないどころか裸足ですしね。(EDでは履いてるけど)

アイドルマスター シンデレラガールズ 杏さん

ともあれ、答えを見つけた莉嘉は、園児服を着ても見事に自分を表現してみせます。まさに「チビギャルの意地」。さらには、同じ悩みを抱えた姉を収録本番に招待することで、姉にも答えを示してみせます。2人を悩ませていた問題は同じものでしたから、姉も笑顔を取り戻すことに。これこそ「ギャルの意地」。姉の復活に「やっぱお姉ちゃんっていったら、コレだよね!」と喜ぶ妹に、「カリスマJC城ヶ崎莉嘉の姉だからね」と成長した妹を誇らしげに称える姉の構図は、まさに姉妹愛に他なりません。

アイドルマスター シンデレラガールズ ギャルの意地

お姉ちゃんってつらいよね

悩めるお姉ちゃんは美嘉だけではありません。シンデレラプロジェクトの最年少メンバー、赤城みりあもお姉ちゃんとしての悩みを抱える1人だったのです。純粋無垢であまりにも「良い子」なみりあは、「良い子」であるが故に、悩んでいる姿を誰にもみせません。周りがよくみえているはずのきらりの目にも、みりあの異変には気づけないままでした。仕事はバッチリこなしているのだから、気づきようもありません。

みりあの悩みは、妹が誕生したことで親の態度が変わってしまったこと。「良い子」だからこそ、それが仕方のないことだとわかっているのですが、余計に”もやもや”する原因にもなっていたことでしょう。この悩み事は、城ヶ崎姉妹の場合と違って、あくまで家庭の問題ということもあって、誰にも相談できず、ベンチで1人「しょんぼり」していました。そこを美嘉が見つけたのは偶然ですが、同じ悩みをもつ者として、ある種の必然だったのかもしれません。

アイドルマスター シンデレラガールズ みりあを誘う美嘉

ここで世話焼きなお姉ちゃんである美嘉は、みりあとストレス解消のために街へ遊びに出ます。ストレスの溜まっているのは美嘉も同じでしたが、これまでは1人でレッスンに打ち込むくらいしかなかったので、ちょうどよい機会だと考えたのでしょう。ちなみに、2人がカラオケで歌っていたのは、みりあの持ち歌「Romantic Now」っぽいのですが(画面に映る歌詞から判断)、最後に美嘉が撮影していた写真には「Neo Romantic」とロゴが入っているのですよね。ロマンティックをもらえたのでしょうか。

アイドルマスター シンデレラガールズ Romantic

1日いっしょに遊ぶことで、ようやくみりあが心を開き、悩み事を打ち明けてくれました。美嘉にとって、みりあのの悩みは、過去の自分と同じものだと思えたのですが、実のところ、姉貴分として周囲を引っ張るためにいろいろとガマンしている現在の状況とも合致するのですよね。カラオケやショッピングと同じように、みりあの世話を焼くことも、美嘉自身のつらい状況から目をそらすための現実逃避だったのですが、不意に「つらいこと」を問われると、言葉ではなく涙が溢れてしまいました。みんなの姉貴分として飲み込み続けていたモノが溜まりに溜まっていたので、一気に流れ出してしまったのでしょう。それにしても、「みりあもやるー」がこんな形でストーリーに落とし込まれるなんて…。

美嘉とみりあの会話シーンは、足元の描写がすごくいいんですよね。最初、年上の美嘉に悩みを打ち明けるみりあは、足をぷらぷらさせていてすごく子供っぽく描かれています。しかし、涙を流す美嘉に対しては、地に足をつけてまっすぐに立ち上がります。この瞬間、みりあは子供からお姉ちゃんになったわけです。また、美嘉が誘ったシーンと比べて、2人の配置が逆になっているところも注目。立場が入れ替わっているんですね。

アイドルマスター シンデレラガールズ みりあと美嘉

黙って美嘉を抱きしめるみりあは、お姉ちゃんを飛び越えてお母さんになってしまったような気もしますが、小さなShining Starによって浄化されたことはいうまでもありません。まさか「ふひひ★」とか言っていた過去をこんな形で落とし込んでくるなんて、誰が予想できたでしょうか。

エンディングで事務所に置かれていた花は、おそらく秋明菊(シュウメイギク)。花言葉は「忍耐」「薄れゆく愛」そして「多感なとき」。キクではなくアネモネの仲間であり、アネモネの由来には悲しい伝説もあることから、切なげな花言葉がありますが、今回のエピソードと合致するのは「多感なとき」である莉嘉とみりあが、「忍耐」でガマンしていた美嘉を救った、というところでしょうか。

アイドルマスター シンデレラガールズ 秋明菊

また、エンディングに描かれている3人の変装用メガネですが、よくよくみると第10話のものと違っていて、3人ともお揃いのメガネになっていたりします。でも、3人揃って同じ道を歩んでいるわけではないことは、このカットに示されていますね。”この道”は真ん中で隔てられていて、それぞれ違う道を歩んではいるものの、目指す”行き先”が階段の上であることは同じである、と。

アイドルマスター シンデレラガールズ この道はどこに通じているの?

346プロは生まれたばかりのアイドル部門です

美城常務の仕事ぶりについてはさまざまな議論を呼んでいますが、結局のところ、前提となる346プロダクションの現状がハッキリしないことにはなんともいえません。が、今回ようやく346プロの現状についての説明がありました。今西部長との会話シーンでは、346グループは歴史ある総合芸能企業であることと、アイドル部門の346プロダクションは設立して数年であることが語られています。

アイドルマスター シンデレラガールズ 歴史ある芸能企業346グループ

アイドル以外の部門については、そもそも常務が海外へ行っていたのだから、その存在は想像できるところでしたが、企業全体としての歴史が古いことは、今回はじめて明らかになりました。このことから、常務の推し進めるブランドイメージを確立する戦略というものが、新たなイメージを作り出すことではなく、すでに存在している346の企業のイメージに沿ったものにしたい、ということだったとわかります。

また、346プロダクション内の設備がめちゃくちゃ整っていることも説明がつきそうですね。設備がピカピカのキレイなのは、アイドル部門が設立されて数年しか経っていないからであり、立ち上げから多額の投資ができたのは、歴史ある他部門の実績があったから、というわけですね。多額の投資をしているのだから成果を上げてくれなくては困るのだけれど、思うような成果が上げられていないので常務が投入された、と。

しかし、ポスターに書かれていた社訓をみるに、設立当初から個性を伸ばす方針だったのではないかと思われます。(そんなコロコロ変わるものでもないでしょうし) となると、成果が出るまでにそれなりの期間がかかることも織り込み済みだったんじゃないのかとも思うわけです。といっても、ビジネスにおいて、収穫の時期の判断ってムズかしいでしょうから、どちらが良いか悪いかは結果論になってしまいがちなのですけれども。

アイドルマスター シンデレラガールズ 大人向け高級路線の美嘉

ともあれ、今回は美嘉の件でようやく美城常務も成果を出せていましたね。実際、大人向けな高級路線の美嘉も悪くないようにみえてしまったのですけれども、よくよく考えてみると、Passionの彼女にCoolな仕事をさせているのだから、本来の能力値が発揮されていないのだろうなぁと思う次第。

それにしても、Pの企画は学園モノだったのに園児服を用意したり、常務の企画は大人向けの高級路線なのに写真家の判断でギャルポーズを許容したりと、両者ともにコントロール不能な現場に泣かされていそうでもあります。スモックは「アイマス」において由緒正しき衣装であるとはいえ、Pはちょっと怒ってもいいんじゃないかと。「みんな笑顔で、輝いています」 そ、そうですか…。

アイドルマスター シンデレラガールズ とときら学園

さて、次回のサブタイトルは「A little bit of courage shows your way.」、直訳すれば「ほんの少しの勇気がアナタの道を示す」でしょうか。”courage”は精神面の勇気、度胸といった意味合いだそうで、行動面の勇気を意味する”bravery”とはニュアンスが異なるようです。勇気を出さなきゃいけないアイドルといえば…智絵里あたりでしょうか?

アイドルマスター シンデレラガールズ 18話予告

※2015/8/10追記
予想どおり、智絵里にスポットが当たりそうです。かな子もメインになっていそうですね。かな子の手にしている台本には、「とときら学園」の「あんきらンキングコーナー」の「柴又ロケ」とあるので、幸子といっしょにロケに行くっぽいですね。それにしても、ウサミンに園児服…なんてことを…。

続き、第18話の考察と感想はこちらからどうぞ。

アニメ【シンデレラガールズ】18話の考察と感想と かな子と智絵里も杏ときらりも「ほんの少しの勇気」が道を示す
アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』第18話は、Candy Islandのメンバーをメインに据えて、きらりを交えて描かれるエピソード。かな子と智絵里、杏ときらり、という、ある意味で対照的な2組ですが、どちらのコンビも試練を乗り切るためのカギは「ほんの少しの勇気」でした。
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