『ゆるキャン△』が本当にすばらしいので少し語らせてほしい

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ゆるキャン△ 感想

2018年の冬アニメで個人的に大プッシュしたいのがこの『ゆるキャン△』でございます。本作はきらら系のマンガが原作でキャンプをテーマにした内容が特徴。「どーせかわいい女の子がキャッキャウフフしてるだけなんでしょ?」と思うことなかれ。いや確かにそれは間違ってはいないのですけれども、キャラクターたちの距離感が絶妙ですばらしいんですよ。

アニメの第1話を視聴した段階ではボクも誤った認識をしておりました。「ああ、このピンク髪が1人でキャンプしていた子を引き込んでワイワイやっていく展開なんだな」と。1人でいるよりみんなでいた方が楽しいよ~ってか。ハイハイそういうことでしょ?と流していたんです。でもね、違うんですよ。『ゆるキャン△』はそうじゃないんです。

『ゆるキャン△』独特の方向性が端的に示されているのがアニメ第3話、なでしことリンが鍋を囲みながら話すシーンです。ここでリンはなでしこから野外活動サークルに誘われたのに嫌そうな顔をしてしまったことを謝っています。ここまでは普通。で、これに対するなでしこの返答がすばらしい。

ゆるキャン△ 3話より

なでしこ「(略)無理に誘っちゃってごめんなさい。(略)じゃあまたやろうよ、まったりお鍋キャンプ。そんで気が向いたら、みんなでキャンプしようよ。」

この返答、すごくないですか。リンが1人でいることを否定せず、だからといって突き放すわけでもなく、やさしく手を差し伸べておく…、空気読みの達人か。このセリフは、なでしこがただグイグイ押してくるだけのキャラクターではないことを示すと同時に、『ゆるキャン△』の方向性を示したものでもあります。実際、この後の展開は彼女の言ったとおりになっていきます。

ともあれ、これこそが『ゆるキャン△』のすばらしいところでしょう。1人よりもみんなの方が楽しい、なんて言わない。"みんな"を強制しないんですよ。1人には1人の楽しさがあるんだと、胸を張って主張してくれているのです。こんなにうれしいことはない。だからといって卑屈になって"みんな"を否定するわけでもありません。大勢でワイワイやるのもそれはそれで楽しいとキッチリ描いてくれてもいるのです。

ゆるキャン△ 10話より

1人とみんな、どちらも楽しいということが描かれているのはアニメ第4話から5話にかけて。リンと野クルのメンバーはそれぞれ別々のキャンプ場へ出かけていく展開になっています。

といっても、単にバラバラの展開を並行して描かれているわけではありません。2手に分けれての行動はガッチリ繋げて描かれているのです。2つのグループを繋げているのはスマートフォン。スマホでのメッセージのやりとりが人々を繋げているのです。これってすごく現代的だし、リアリティもある見せ方ですよね。

ゆるキャン△ 4話より

スマホでのメッセージのやりとりは作中で何度も描かれているのですが、めちゃくちゃ効果的に使われているのがアニメ第5話のラスト。バラバラのキャンプ場にいる2人がそれぞれの夜景を撮影して送り合うシーンですね。アニメ版のキャッチコピー「きっと、そらでつながっている」を体現したシーンでもあります。

原作でもすばらしいシーンでしたが、アニメ版はカラーになったことによる夜景の美しさ、タイミングのピッタリ合った音楽、そして「綺麗だね…」のセリフの追加により、破壊力がウルトラマシマシになっています。あまりのすばらしさにリアルタイム視聴時は「いい最終回だった」と言ってしまうほど。2回目以降はちょっと涙ぐんでしまったり。歳をとると涙もろくなっていけませんね。

ゆるキャン△ 5話より

その後の展開も上述のなでしこのセリフのとおり、2人でキャンプしたりソロで出かけたり、最後にはみんなでキャンプしたり。「なんだよ、結局"みんな"になるんじゃん」と思うことなかれ。最後といってもあくまでアニメ版のことで、原作はその後もまだまだ続いていくので、またソロでキャンプする展開もあります。"みんな"はゴールではなくバリエーションの1つに過ぎないのです。

そうしてキャンプを続けていくうちになでしことリン、野クルメンバーや斎藤さんとの距離感が縮まっていくわけですが、だからといって近づきすぎることもなく、遠すぎず近すぎずの距離感が維持されているのが本作のすばらしいところ。なんと心地よいのでしょう。

ゆるキャン△ 11話より

もちろん、『ゆるキャン△』のすばらしさはこれだけではありません。経験に基づいた細やかなキャンプ描写、道具や食材を準備するワクワク感、道中でのハプニング、冬のキャンプ場ののどかで静かな空気感、そしておいしそうなキャンプ飯…、語りだせばキリがありません。

個人的に好きなのは主にリンが1人で出かけていくパート。旅レポや食レポのような趣があっていいですよね。ボクは斎藤さんのように布団でまるまっているタイプなので寒空の下でキャンプをしたいとは思わないのですが、リンが原付で走り回っているのをみていると「ちょっと出かけてみようかな」って気分になってきます。といっても、原付で150キロどころか駅まで5分走るだけで「寒い!もうやだ!」ってなってるわけですが。やっぱり布団と結婚しよう。

ゆるキャン△ 2話より斎藤さん

そんなわけで『ゆるキャン△』、ぜひ観ましょう。原作は現在6巻まで出ており、アニメは4巻ラストまでとなっております。原作を読んでみると、今回のアニメ化がいかにすばらしい出来かがわかると思いますし、アニメを観ておけば原作を読む際スムーズにセリフの脳内再生ができて何倍も楽しめることでしょう。もちろんナレーションに至るまで。もし2期があるならまた同じスタッフに作っていただきたいところです。マジでお願いします。

そんなすばらしい『ゆるキャン△』はAmazonプライムビデオで観れます。漫画も電子版がKindleで配信中です。ボクはなでしこのような空気読みの達人ではないので「気が向いたら観てね」なんて言いません。いいから観て!!マジでいいものだから!!!

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