発売からずいぶん経ってますが、欲しくなったので買っちゃいました。いまさらですがレビューしておきます。
『P4U』未公開設定画を多数掲載した唯一無二の設定資料集が大好評発売中! – ファミ通.com
最近自分の中でなんとなく『P4U』の流れがきているので、その勢いにまかせてポチりました。
ボリュームは十分 細部まで読み始めると止まらない内容
サイズはA4とでっかいので、ポスターとか販促用イラストとかを見るにはいいですね。いかにも設定資料集っぽく、いい紙使ってる感じですし。176ページとボリュームもあり、しっかり値段分の価値はあるといった印象です。
内容は、販促用イラスト数点、各キャラクターごとにゲーム内イメージと絵コンテ、その他の設定画と開発者インタビューという感じ。キャラごとの設定資料に1番ページ数が割かれています。
キャラクターごとに、見開きでキャラセレ画面の絵と紹介、カットインやストーリーモードなどのゲーム内イメージ、それからいくつかの技の絵コンテ、という構成になってます。
カットインやストーリーモードのイメージのページでは、DLCカラーを含む全カラーバリエーションも掲載されてます。
絵コンテは、さすがに全技というわけにはいきませんが、1つ1つのアクションの作りこみっぷりがわかります。
「格ゲーってこういうふうに作られているのかー」と感心しつつ、メモ書きや開発者コメントに細部へのこだわりが伺えます。特に開発者のコメントは、読む前と読んだ後でゲーム画面の見方が変わっちゃうかも。「ほんとだ!ちゃんとここも動いてる!」みたいな。
コメントでは、各キャラクターのコンセプトなども語られており、言われてみれば「なるほどなー」と納得してしまうところも。
こういった絵コンテのページが大半なので、パラパラとめくっているとすぐ見終わってしまいそうですが、細かいメモ書きに目をやりはじめると、いつの間にか時間を奪われています。1つ1つのアクションに対する「こだわり」が強く感じられて、読んでいて楽しいんですよね。
開発者のインタビューは、アトラス、アークの両社のディレクターへ開発中の話を聞いたものが1つと、アトラスのディレクターとシナリオ担当者にストーリーやキャラクター関連の話を聞いたものが1つ。
アーケード版稼動当初に4gamerで掲載されたインタビューでも、両社とも口をそろえて「背景が1番苦労した」と語られていましたが、ここでもその話が登場してます。また、初期に作られていた背景画も掲載されてます。
初期案の背景はたしかにアークっぽいテイストなのですが、ペルソナかといわれたら、ちょっと違うのかも…。現在のゲーム中のものとはずいぶん雰囲気が違います。
シナリオ関係では、ラビリスの話がまるまる1ページ割かれていてラビリス好きには嬉しいところ。『P4U』は『P3 FES』と同じく、本編から直接繋がる「後日談」なのですが、『P4U』は格ゲーである以上、仲間通しの殴り合いになるわけで。 それでもギスギスした空気にはならないように、TV番組っぽい演出を効果的に使っているとのこと。
『P4U』のストーリーは、1度は打ち勝った弱い自分自身と再び戦う、って感じでしたが、何度も戦って買ったり負けたりする、というのは、まさに格ゲーそのものだったことも明らかになってました。キャラクターの動きという面で、『P4』を見事に格ゲーに落とし込んでいるのは一目瞭然なのですが、ストーリー面でもうまく格ゲーに落とし込まれていることがわかります。
参考:
4Gamer.net ― P4Uはペルソナ4の正統な後継作です――「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」について,ディレクターの和田和久氏にインタビュー
4Gamer.net ― 「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ」に込めた原作愛と格ゲー愛について,アークシステムワークス森氏,井口屋氏にインタビュー
付録はフレームデータを網羅した特設サイトのURL
付録として、フレーム表のURLとパスワードがついてます。むしろこっち目当てで買う人もいるんじゃないでしょうか。フレーム表の公開期限は2014年9月26日まで、になってます。まだ先の話ですが念のため忘れないようにしましょう。
フレーム表のWebサイトでは、すべての技性能の数値が一覧表になってます。発生、持続、硬直、硬直差だけでなく、ダメージ値、初段補正、加算補正、同技補正なども網羅されてますね。あと頭無敵とか弾無敵なんかの属性も表記されています。
技の画像はなく、シンプルなテキストメインの表です。いまのところ、フレーム表の掲載されているムックなどは出ていないので、貴重な資料になるかと。wikiにもフレーム表はありますけど、こちらの方が単純な情報量は多い感じですね。
「設定資料集」は、作品をより楽しむための燃料だと思うのですが、『P4U』に関しては、その役割をいかんなく発揮してくれているのではないかと。細かく詰め込まれた開発者の愛情も見えますし。
エンターブレイン
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