【パシフィック・リム】感想・海外製の怪獣映画はでかくて巨大で力でパワーだった

どうせ怪獣と巨大ロボがドッカンドッカンやるだけなんでしょ?と思ったアナタ。
そうです!大正解!

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最初に予告映像を見たときからずっと気になってはいたのですが、いざ公開されてみると自分の周囲じゃ絶賛の嵐すぎる状態に我慢できず、劇場に足を運んでしまいました。せっかくなので感想など。

ちなみに上の画像は劇場でもらえたポストカード。イラストはなんと寺田克也さんです。カッコイイ。

KAIJUが大暴れする大迫力の怪獣映画

『パシフィック・リム』は世界に現れた怪獣こと「KAIJU」たちに巨大ロボット「イェーガー」で立ち向かうという、男の子全開の内容です。(※自律して動いてるわけじゃないけどもうあえてロボットといっちゃいます。)

怪獣映画といえば、未知なる怪獣たちに追い込まれた人類がさまざまな作戦を立て、兵器の開発をして決戦を挑む…みたいな流れをイメージするのですが、『パシフィック・リム』ではそんな仮定はプロローグですっ飛ばし。その分、怪獣vs巨大ロボのガチンコバトルに時間が割り当てられている感じ。お約束にお約束を重ねてド真ん中の直球ストレートがガンガン投げ込まれている感じでした。

最大限時間を割かれた巨大で強大なバトルは大迫力。映画で「大迫力」なんていうと安っぽく聞こえるかもしれませんが、映像と音響から溢れる巨大感、重量感、力強さの表現をすべてひっくるめると、これ以外の言葉が思いつきません。この「大迫力」に全振りしたかのような映画が、この『パシフィック・リム』なのです。

怪獣映画といえば、突然現れた怪獣に逃げ惑う人々がつきものです。本作でもシェルターに非難する人々が描かれる場面はあるものの、バトルの最中、怪獣と巨大メカの足元には人っ子一人描かれていません。これは怪獣と巨大メカのバトルに集中させるための配慮であり(たぶんみんなシェルターに非難してるってことなのでしょう)、ボクたちは余計な心配をせず頭をカラッポにして大迫力な怪獣バトルを楽しめばいい、ってわけです。

映画『パシフィック・リム』予告【HD】 2013年夏公開 – YouTube

力とパワーと巨大感と重量感と

日本のロボットアニメにおける巨大ロボットは戦闘機っぽい表現になることも多く、ビュンビュン飛び回っている印象も強いので、ズシンズシンと一歩ずつ地面を踏みしめて歩くイェーガーに前時代的なものを感じる人もいるかもしれません。しかし、KAIJUもイェーガーもでかくて重くて力強い。これが大きなスクリーンと大音響にめちゃくちゃマッチするわけです。

怪獣たちとイェーガーの戦いはプロレスです。パンチを浴びせて、掴んで投げ飛ばす。こういった特撮の怪獣モノによくありそうな流れを、現代の映像技術を全力で投じて表現しているのです。

力強さの表現はパイロットも関係しています。イェーガーは神経接続によるモビルトレースシステムみたいなものですが、1つ1つの動作が重々しくなっています。パイロットの動作によっても重たいものを動かしているのだという重量感を表現すると同時に、力強さも感じさせてくれるわけですね。

そして、必殺の武器を使うときはちゃんと叫ぶのもお約束どおり。ロケットパンチは見ているこちらまで叫びたくなるほどです。あまりに重なったパワーの表現に力をもらうどころか、見ているだけで疲れてしまいそうな…いや、気持ちのいい疲れ方ですけどね。

この映画を楽しむポイントがこうした巨大感や重量感に裏打ちされた力の表現であるため、劇場で見た人と後々BDやDVDで見た人で感想に差が出てしまうんじゃないかと思えるほどなので、気になる人はぜひ劇場へ行きましょう。

実際、映画館から帰ってきて予告映像などを見返してみると「あれ?こんなんだっけ」と思ってしまいました。それほどスクリーンと大音響との相性がいいと思うのです。

深い日本へのリスペクトと海外的要素の融合

海からやってきた怪獣とか、最後の作戦の内容なんかは「ゴジラ」へのストレートなリスペクトに胸が熱くならざるをえません。といっても、怪獣たちは自然の警鐘というポジションではなく、あくまでも人類の敵なので遠慮なく全力で叩きのめせるあたりはハリウッド的なのかも。

イェーガーは2人1組で乗り込む設定ですが、ここで友情パワーが芽生えるのではなく、男女間だったり親子間だったり家族(的なもの)間でのLOVEであるあたりにもなんとなく海外的なものを感じます。なんとなく。

日本のアニメや特撮のような内容なので、日本語の吹き替えもすごく自然です。当然、声優さんたちのスキルの高さもあるのでしょうし、実際かなりの豪華キャストなのですが、映画全体の内容や雰囲気によるマッチングもあると思うのですよね。といっても、字幕版でも怪獣は「KAIJU」だし、イェーガーの機会音声は「Portal」のあの声だったりするので、字幕版は字幕版で見ておきたいような…。

イェーガーは中国、ロシア、アメリカと各国のモデルがあり、どれも国ごとのイメージを上手く表現しているのですが、日本製のイェーガーももっと見たかったかなーと。主役の相方が日本人ですけどもね。とはいえ、あの世界設定で日本人がイェーガーを作ったら海底の奥でクアンタムバーストして帰ってきそうではあります。関係ないですが、ロシアはマジロシアでした。

原子炉は核爆発しねえよ!とも思いましたけど、核融合炉を積んだモビルスーツも大爆発してるからいいよね、ってことで。

映画『パシフィック・リム』予告2(吹替版)【HD】 2013年8月9日公開 – YouTube

こんな怪獣映画が日本ではなく海外で製作されてしまい、日本も負けてられないぜ、とばかりの意見もいくつか見かけました。これほど怪獣や巨大ロボに理解のある作品が出てきたとあっては、日本人として思うところはあるのかもしれません。

とはいえ、日本が日本としてやるべきことは、アニメや特撮といった得意分野をこれからも邁進していくことじゃないかなと。極めて日本的なものをガッチリと受け止め、海の向こうからこんなカタチで投げ返してくれるというのなら、励みになるなんてもんじゃないだろうと思います。だってこれほど大きく影響を与えているのですよ。胸を張ってしかるべきでしょう。

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