ゲームはバイオレンスから離れていけるのか

戦闘のないゲームが人気を集めつつあるという話を聞いて、思ったこととか。

Choke Point | 【コラム】武器を下ろせ – 戦闘のないゲームの時代

Eurogamerに掲載されたコラムの翻訳記事です。ゲームといえば、何かしら戦闘の要素が入ってることが多いのですが、近年は戦闘のまったくないタイトルでも人気を集めつつあるとのこと。といっても、レースやパズル、スポーツといったジャンルの話ではありません。

たとえば、『風ノ旅ビト』や『Unfinished swan』などは、たしかに戦闘らしい戦闘はありませんでした。敵っぽいモノも出てきますが、勇敢に立ち向かうのではなく、上手に逃げ回るといった感じですし、バイオレンスとは程遠いですね。

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コラムでは、戦闘をなくす傾向は特にインディーズゲームに多くみられるそうです。理由として、戦闘を上手く作るのにお金がかかることも上げられています。戦闘を使わずにおもしろさを出そうとして、新しいものが生まれているのかもしれません。

しかし、このコラムを「なるほどなー」と思いながら読んでいる隣では、「裏塔劇」のアイスクライマーが流れているわけで、そもそも人はバトルから逃れられないんじゃないかと…。戦いじゃないゲームでわざわざ戦ってしまうわけですから。

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思い出したのが、「社長が訊く」の『キングダムハーツ』の回。印象に残ってるのが以下の野村哲也氏の発言です。

野村
はい。それからもうひとつ、
『nintendogs』(※22)の衝撃もありました。
「『nintendogs』はペットたちとのふれ合いがありますよね。
でも僕は必ず、その先にバトルを考えちゃうんです。
「『nintendogs』はなんで戦えないかなー」って(笑)。

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最初に読んだ当時はかなり笑ったところですが、これ、戦闘とは関係ないものに戦闘要素をつけることで「ゲーム化」になるんですよね。(『nintendogs』でバイオレンスなバトルとなると、『TOKYO JUNGLE』的な何か…?) また、それを望む心もあるんじゃないかなとも思います。だって『マリオブラザーズ』でも自然とバトルがはじまっちゃうわけですし。

結局のところ、ゲームは「遊び道具」なので、どう使うかは使う側次第だと思うのです。どこまで意図されて作られているかどうかはともかく、自然と対戦になってしまうのは、そうやって遊ぶのがおもしろいからなわけですし。

とはいえ、そういや『風ノ旅ビト』のマルチプレイでは対戦にならなかったなー、とも思うわけです。上に登るところで押し出して落っことしてやろう、とかにならないんですよ。(押し合い判定あったっけ…) ゲーム全体に流れる雰囲気が、対戦したいと思わせないのかもしれません。

話がずいぶんズレてしまったような気がしますが、バイオレンスなゲームが濃い口のカレーやラーメンだとすると、『風ノ旅ビト』なんかは緑茶みたいなものでしょうか。甘いものを食べると辛いものがほしくなり、また甘いものが欲しくなるように、バイオレンスなゲームをプレイしていると、そうではないゲームを求めるようになるのかもしれません。

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