ゲームもクラウドの時代?クラウドゲーム機の未来を考えてみる

クラウドゲーム機というものがいよいよ現実味を帯びてきました。クラウドゲーム機とは何か、この先のゲーム業界にどんな流れをもたらすのか。TGS2012で開催されたセッションの情報を追いかけてみました。

4Gamer.net ― [TGS 2012]PS4はクラウド対応? コンシューマゲームはなくなる? 多彩な話題が飛び出した「TGSフォーラム2012クラウドゲームセッション」レポート

東京ゲームショウ2012(TGS2012)において、クラウドゲームに関するセッションが開催されたそうです。ゲーム好きとしてとても興味深い内容だったため、内容を追いかけつつ紹介したいと思います。

クラウドゲーム機とは何か?

ここ数年はどっちを見ても「クラウド」というキーワードを見かけることが増えましたが、ついにゲームにもやってきました。

いままでのゲーム機は本体とソフトが手元にありましたが(ダウンロード版でもソフトのデータは手元にありますよね)、クラウドゲーム機では、本体もソフトもクラウドサーバ上に置かれている、というようなものです。なので、クラウドゲーム機は、クラウドサーバと通信するための機器としての位置づけになります。

ゲームの映像はサーバからストリーミング配信されます。配信されてくる映像を見て、プレイヤーはコントローラを操作するわけです。

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クラウドゲーム機のメリットは?

ゲーム機本体が必要ないことがあげられます。お部屋スッキリですね。ゲーム機本体が必要ないので、導入のコストも抑えられそうですよね。今回TGS2012で発表されたWi-fiクラウドゲーム機「G-cluster」は、価格は未定ですが数千円レベルを想定しているとのこと。

ゲーム機は年々パワーアップを繰り返していますが、その都度購入していると結構なコストになってしまいます。特に、PCゲームでは最新作に合わせてPCのスペックアップが必要になったりするわけですから、大きな負担になりかねません。しかし、クラウドゲーム機であれば、ゲームを動作させているのはサーバ側ですから、こういった支出も減らせるでしょう。

また、ニコニコ動画やUstreamのように、ゲームプレイ映像の配信も同時に可能だったりするようです。配信をすることでコミュニケーションが生まれ、少し違った楽しみ方もできそうです。

映像のストリーミング配信を再生できる環境であれば、スマートフォンやタブレットでも可能なので、iPhoneでPS3のタイトルを遊べる、なんてことができるようになるのかもしれません。

クラウドゲーム機のデメリットは?

やはり遅延が問題になりそうです。今回の出展では、入力から表示までのレイテンシは「200ms」を目安にしているとのこと。12フレーム、または0.2秒の遅延ということになります。このラグが許容できるかどうかは、ゲームのジャンルによって大きく異なるのではないでしょうか。

今後も通信技術は進歩していくと考えられますが、遅延がゼロになることはないでしょう。なので、クラウドゲーム機で楽しめるタイプのゲームと、楽しめないゲームは、どうしても出てきてしまうのではないでしょうか。RPGなどは問題なさそうですし、今回の出展のプレイレポでアクションゲームも結構やれてそうです。でも、音ゲーなんかはかなり厳しいでしょうね。

海外ではすでに開始されているサービスがあったけど…

アメリカではすでにOnLiveというクラウドゲームサービスが存在しています。サービスは2010年から正式に開始されたのですが、2012年8月には経営難により清算、新会社に引継ぎ、という状態になっています。先行して進んでいた企業があり、すでに1度、 転んでいるわけです

転んだ理由は何でしょう? それはサーバのコストが問題だったようです。OnLive社では、1接続1サーバというカタチで8000台のサーバを用意して運営していたとのこと。コスト的に無理があったのではないか、という見方のようです。

技術的にもコスト的にも現実味

現在では1台のサーバで15~50接続まで可能になったとのことで、かなりのコストダウンが図れそうです。

また、通信環境についても今後まだまだ伸びることが予想されます。ラグの問題が解消されていけば、プレイヤーにとっても快適な環境はうれしいですし、サービス提供側にとっても、提供できるゲームの選択肢が増えてうれしいところでしょう。

TGS2012のセッションでは、サービス導入について現実味を帯びてきたことが述べられています。しかし、最適な料金モデルについてはまだ検討が必要なようですね。

スマートフォンでは家庭用ゲーム機と違ったジャンルのゲームが流行するように、クラウドゲームサービスではクラウド向きのゲームが受け入れられるのではないか、との話も出ています。映像配信ができるのだから、配信向け、配信でウケるようなジャンルがクラウド向き、なのでしょうか…

クラウドゲーム機は、いままでのゲーム機とは違ったスタイルなので、家庭用ゲーム機がなくなってしまうということにはならなさそうですが、大きな変化をもたらしそうです。というか、家庭用ゲーム機にクラウドゲームサービス対応の機能が搭載されるかもしれませんし。どんなゲームが登場し、どんな遊び方に変わっていくのか、ちょっと楽しみですね。

参考:

4Gamer.net ― [TGS 2012]Wi-Fiクラウドゲーム機として蘇った「G-cluster」の実力は? 直撮りムービーと現地で仕入れた技術情報

“世界初のWi-Fiクラウドゲーム機”ことジークラスタを触ってきた【TGS 2012】 – ファミ通.com

OnLive – Wikipedia

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