キャンペーンモードがマルチプレイ対戦形式で進行するため、登場人物たちの会話を聞いている暇などなく、どうしても把握しづらい『Titanfall』のストーリーをざっとまとめてみました。カンタンに言ってしまうと、IMC優勢ではじまった戦いがミリシアの逆転でほぼ勝利になるシナリオです。
『Titanfall』はシングルとマルチの境界を取り払うことを目標にしたゲームデザインがされており、キャンペーンモードがマルチ対戦の1モードになっています。ロビーでは登場人物によるミッション説明があり、対戦中での会話などでストーリーが進行するわけですが、対戦中なので「それどころではない」というのが実際のところ。
IMCとミリシアの両陣営でそれぞれストーリーが展開されるので、実質2周することになるのですが、それでも把握しづらいのですよね。1回やったら二度とやらないようなゲームモードにならないよう、繰り返し遊ぶことで全貌が掴めてくる作りを意図されているのでしょう。シングルとマルチの境界を取り払われた次世代ゲームでは、「シングルクリアしたら即マルチいくぜー」みたいな旧世代思考も変えていかなければいけないのかもしれません。
ともあれ、やっぱりわかりづらいストーリーなので整理してみましょう。まずはその世界観から。
キャンペーン以前・Titanfallの世界観
『Titanfall』の世界は、ワープ航法が確立されていて人類が地球以外の惑星に進出している世界であることはゲームをやっていればなんとなくわかります。このあたりをもう少し詳しくみていきましょう。『Titanfall』のキャンペーンモードのストーリー開始前、この戦いが起こるまでの過程を時系列順に追ってみます。
まず、人類は「ジャンプ」と呼ばれるワープ技術により地球外の惑星に進出。冒険家や開拓者によってさまざまな惑星の調査や探索がなされます。地球圏はどうなっているかといえば、特に問題なく豊かな生活ができている模様。資源が尽きたから宇宙へ出ていく、というわけではなく、宇宙へ出られるんだから資源に困ることがなくなった状態。なので、わざわざ宇宙の遠くへ出ていくのは冒険とか開拓とかが目的のようです。
IMCの前身である「Hammond Engineering」はこうした宇宙開拓時代の資源抽出業者。この時代に築き上げた技術やデータベースのおかげで、100年の間に巨大な企業IMC(Interstellar Manufacturing Corporation)へと進化しています。企業というか、企業国家というくらいのスケールですね。
『Titanfall』の舞台となるフロンティアは地球から遠く離れた惑星系であり、地球に近い環境を持つ星が複数存在しているレアな環境。フロンティアの惑星の多くはIMCによって入植、開拓されたものです。しかし、宇宙開拓が進めば進むほど目新しさがなくなり、多くの人々から興味が失われてしまったため、IMCの投資も減っていくことに。そして基幹惑星系で大きな戦争が起こったことでIMCの興味は戦争へ移り、IMCの投資は実質なくなることに。
しかし、フロンティアの住民はそのまま数世代にわたって発展を続けます。IMCの支援なんていらんかったんや!ってわけですが、戦争でいろいろ必要になったIMCは資源の産出地として再びフロンティアに目を向けるようになります。フロンティアが発展を続けていたのはフロンティアに眠る豊富な資源があってこそ、だったわけです。
ここでIMCは「フロンティアに最初に入植したのはウチなんですけど?」という理屈でフロンティア住民を蹴っ飛ばして工場作ったり資源の採掘をやったりと強引な政策をとります。もちろんフロンティア住民は「ふざけんな!」という状況。そんなフロンティア住民が結束して立ち上がったのがミリシア、というわけ。
ところで、IMCがこんな横暴な搾取を働いていれば、地球圏あたりのお偉方から怒られたり、世論が黙っていないような気がするかもしれませんが、IMCの提供する資源のおかげで裕福で贅沢な暮らしができているため、誰も文句を言わない状態になっているようです。宇宙の果てて資源を理由に揉めていることなんざ、対岸の火事なのでしょう。石油を取り合う争いが何度も起こっている現在の地球と同じような構図なのかも。
かくして、IMCとミリシアの戦いがはじまります。が、その前に登場人物についておさらいしておきましょう。
登場人物の紹介
まずはIMC側のキャラクターから。
・グレーブズ中将(画像右の人)
IMCサイドだとロビーで毎回作戦の説明をしてくれているおじさん。実はIMCのフロンティア方面における司令官。IMCの部隊を自由に動かせる権利をもっています。フロンティアで強引な政策をとるIMCにおいては、彼のやり方はフロンティア住民に寛大だともいわれており、IMC内でもちょっと浮いてるようです。悪役IMCの良心。
・ブリスク(画像左の人)
南アフリカ出身の傭兵でIMCの情報担当。IMCサイドでゲーム中にあれこれアナウンスしてくれるのはこの人。高給のIMCでがっぽり稼いだようですが、最新兵器を好きなだけ使える職場環境が気に入ってしまって契約を続けているそうです。キャンペーンではスペクターのテストといってフロンティア住民を虐殺していたりと悪役IMCの悪役。
・スパイグラス(画像中央の人…ロボット)
スペクターのようなロボット。IMCサイドで出撃時のドロップシップに乗っていたりしますね。IMCでさまざまな業務を一手に担う優秀なコンピュータのようです。
続いてミリシア側のキャラクター。
・マクアラン(画像左の人)
元IMCのパイロットで以前の戦争ではかなりの戦果をあげた歴戦の勇士。IMCのやり方に反発し、仲間たちと共にフロンティアの開拓をしていたけど、IMCにより集落をボコボコにされたので仲間たちを救うためにミリシアへ加担しています。グレーブズ中将の元部下でもあります。
・ビッシュ(画像右の人)
ミリシア側の情報担当。ミリシアサイドでゲーム中にあれこれアナウンスしてくれる人。実はIMCで訓練を受けているのだけれど、酒癖が悪くてフロンティアに左遷されて全財産なくなったのでミリシアに就職している模様。
・サラ(画像中央の人)
ミリシアの襲撃部隊の指揮官。この人もミリシアサイドでゲーム中にあれこれアナウンスしてくれる人。女性なので覚えやすいですね。幼いころにIMCの手により家族を失っており、復讐心からミリシアへ加担してます。
・バーカー
マクアランの戦友で元IMCのパイロット。キャンペーンでは酔っぱらっていて口が悪いので印象に残りやすい人。兵士としての腕は確かだが戦争が終わってしまったことから鬱になって飲んだくれていたところ、マクアランに引っ張ってこられています。彼が初登場するエンジェルシティでは指名手配されていますが、酔って暴れたとかそういうわけではありません。
登場人物はこんな感じ。こうして並べてみると人数は少ないのですが、顔と名前が一致しなかったりしてなかなか把握できていないのですよね。
さて、登場人物の紹介ができたところでキャンペーンのストーリーを解説していきましょう。
キャンペーンモードのストーリー解説
キャンペーンモードは9つのマップで戦います。大まかな流れは、劣勢だったミリシアがIMCに大逆転、という感じ。対戦でIMCとミリシアのどちらが勝ってもストーリーの大筋は変わりません。
まず最初は「燃料補給集団の襲撃」。この時点でミリシアはすでにかなり劣勢に立たされています。宇宙を股にかける巨大な企業国家IMCを相手に寄せ集めのミリシアでは、そりゃ劣勢になります。フロンティアは資源が豊富なのですが、採掘場をIMCに奪われてしまっているためミリシアの燃料不足は深刻です。なので、まずはガス採掘惑星を襲撃して燃料を確保するところから反攻作戦スタート。
次の「コロニー」は、ガス採掘惑星の襲撃を受けたIMCがミリシア艦隊掃討のため捜索している状況。IMCは生命反応のある未開惑星にブリスクの小隊を派遣したのですが、ブリスクはスペクターのテストに住民を虐殺しちゃいます。しかしこのコロニーはマクアランとその仲間たちによって造られたものだったため、マクアランは仲間の入植者を救うためにミリシアに加入することに。
「オデッセイ」でマップ中央にあるのは戦艦オデッセイの残骸。以前の戦争のとき、グレーブズ中将やマクアランが乗っていた艦ですが、マクアランが反乱を起こして奪取したとされています。マクアランが反乱した理由はIMCのフロンティア住民に対する横暴なやり方であり、それにはグレーブズ中将も理解があったようで、割とすんなり明け渡しちゃった過去がある模様。
で、そのオデッセイの残骸からデメテルの設計図をダウンロードします。デメテルはフロンティアと中枢惑星を結ぶ経路の重要な補給基地なので、ミリシアはここを叩く作戦にでます。そのために必要になる戦力として、かつての戦友バーカーを連れ戻しにいくのが次の「バーカーを追え」。
ミリシア側ではスタート時に下水道にボッシュートされているバーカーを見れます。ここでマクアランと共にエンジェルシティから脱出しています。IMCもマクアランの意図を読んで先手を打っていた(バーカーを指名手配して部隊を派遣してる)のですが失敗。
こうして無事にバーカーを連れ出せたわけですが、彼は素直にミリシアに加担してくれません。相手があのIMCとなればそりゃそうですよね。仲間にしたければIMC難攻不落の母艦センチネルを落としてみせろと無理難題をおっしゃるバーカーでしたが、「センチネルへの襲撃」で本当に落としてしまうミリシア、実はめっちゃ強いのでは? ともあれ、このあたりから戦況が大きく変わる感じで、IMCとミリシアの攻守が入れ替わります。
「ドラゴンがくる」では、ミリシアはバーカー率いる強襲部隊を野生生物を撃退するために作られた塔へと送り込みます。塔を目指す目的は、塔の構造を解析するために塔を作動させること。反対に、IMC側はその前に塔を破壊してしまおうと乗り出しています。戦いの最後に建物すべてを爆破されちゃいますが、解析に必要なデータは間に合った模様。
こうして得た解析データをもとに作られた”アイスピック”でミリシア艦隊を迎撃しようとする塔と破壊するのが「スリー・タワーズ」。ビッシュの作ったアイスピックを手にサラが塔を破壊します。ちなみに、このマップでも野生生物のドラゴンがいます。元々はドラゴンを撃退するための塔だったようですが、ドラゴンを倒せるなら戦艦も落とせる、ということなのでしょう。
無事にIMCの防衛ラインを突破したミリシア艦隊はついに目的地デメテルへ進行。クライマックスである「デメテルの戦い」がはじまります。うるせーぞ!ドロップシークエンス開始! 最重要な補給基地であるデメテルを叩かれることでIMCは大打撃を受け、ここで実質的にミリシアが勝利することになります。この戦いの最中、マクアランは命がけでグレーブズ中将を説得したため、戦後にグレーブズ中将がミリシア側に寝返ることに。
デメテルの戦いから3ヶ月後、グレーブズに率いられたミリシアがIMCのロボット製造工場を襲撃するのが最終マップの「人造人間」。ここはもうエピローグといっていいでしょう。えっ?3ヶ月?と思われるかもしれませんが、実はロビーでの会話でさらっと「あれから三月」云々と言われています。補給路を断たれて敗走するIMCにはほとんど人間の兵士が残っていないことが明らかに。戦争は偉い人が「参りました」っていわないと終わらないわけですが、そのフロンティア方面の司令官が寝返っちゃってるので、さてどうしたものやら。
ここでキャンペーンは終了ですが、DLCの追加マップがその後の戦いという設定になっています。敗走するIMCがフロンティアの奥地へ逃げ、基地を作りながらシミュレーターで訓練を重ねて反撃のチャンスをうかがってる感じですね。
そんなわけで、『Titanfall』のキャンペーンで描かれているストーリーはこんな感じ。資源と生活圏を巡る戦いであることと、グレーブズ中将と元部下のマクアランの過去がポイントですね。
今回の解説を書くにあたって参考になったのは公式のコンパニオンアプリ。公式サイト以上に世界設定やストーリー解説がされており、情報量もかなりのものなので、より深く『Titanfall』を知りたい人はぜひダウンロードしてみましょう。
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