【Plague Inc. -伝染病株式会社-】ウィルスで人類を絶滅させるゲームで背筋が凍る思いを体験

なんとも不謹慎な題材ですが、性質の悪いジョークではなく、ウィルスの恐ろしさや科学の重要性を伝えるために作られたゲームだとか。実際、いとも簡単に滅びてしまう人類に恐怖できます。

Homepage – Ndemic Creations

『Plague Inc. -伝染病株式会社-』はウィルスで人類を絶滅させることを目的としたスマホ用ゲーム。iOS版とAndroid版があります。ゲーム本体は無料で、アイテム課金形式になっていますが、別に無料のままでの十分遊べます。

ゲームの内容は、ウィルスを強化して世界中に感染させ、最後には人類を滅亡に追い込むことです。ものすごーく不謹慎にみえますが、このゲームのディレクターはコロンビア大学のウィルス研究者。ウィルスの危険性や科学の重要性を伝えるのが目的なんだそうです。

すでに1500万本以上もダウンロードされているらしく、ショッキングなコンセプトにメッセージを載せる目論見は成功したといえるんじゃないでしょうか。ウィルスの感染が拡大し、人類が蝕まれていく様子を眺めていることになるのですが、クッキーを焼くか、ウィルスを強化するか、という違いくらいなので、題材の勝利といえると思います。

参考:人類絶滅させるiPhoneアプリ,科学の重要性世界に伝える – Bloomberg

序盤は人類に気付かれないままじわじわと感染拡大

難易度は3段階から選べます。Easyだと大体プレイ時間30分くらいで人類が滅びます。「Defcon」のように淡々と人類が死滅していくさまを眺めることになるので、背筋が凍る思いができます。

関連:ゾンビはもう飽きた人へ 背筋の凍る怖さは「DEFCON」でどうぞ

ゲームを開始すると、まずウィルスを作ります。名前を自由に決めていいのですが、思いつかなかったので「さつまいも」ウィルスと名付けました。他意はありません。

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ウィルスを投下する国を選びます。裕福な国よりも、貧しい国を選んだ方がウィルスに対処されづらいとのことなので、アフリカ大陸のエジプトを選んでみました。空港も港もあるので他国に向けたルートも確保できてますし。

最初のうちはじわじわと感染者が増えていきますが、ウィルス自体が弱いため、死亡者はでません。感染力も弱いので、感染者数もなかなか増えません。「こんなものか」とのんびり眺めていることになりますが、このスローペースな序盤が、後の恐怖とコントラストになってくるわけです。

ウィルスはゲーム中で得られるポイントを使って強化していきます。感染、症状、能力の3つに分けられたツリー状の強化システムになっています。感染は感染を拡大させるルートを増やし、症状は人類に与える影響を強め、能力は人類が対抗して薬を開発するのを遅らせる力です。

ウィルスを強化するためのDNAポイントは、感染が拡大するごとに得られます。感染者が増えれば増えるほどポイントがどんどん増えていきます。つまり、感染が拡大すればするほど、ウィルスも強化されていくのです。

脅威の感染力に蝕まれる人類

感染が拡大していくと、人類はさつまいもウィルスの存在に気付きます。この時点ではまだまだウィルスの力が弱いため、特に問題視されませんが、初の死亡者が出たあたりから、脅威として認識されるようになってきます。

しかし、脅威として認識されたすでに他国にも感染が拡大しており、水際での防衛ができない状態になっていたりします。飛行機や船に乗って拡がり続け、世界を巻き込んだ脅威のウィルスになっていくのです。

こうなると、感染者の数も死亡者の数もネズミ算式に増え続け、すさまじい速度で人類を蝕んでいきます。人類はさつまいもウィルスを最大の脅威と認定し、科学の力を結集して対抗しようとしますが、ウィルスも強化を続けるので薬の開発が間に合いません。

感染が世界中に拡大し、国々は混乱し、ついには無政府状態に陥る国家まででてきます。空気、水、動物、さまざまな感染経路をもち、暑さにも寒さにも強く、人体に及ぼす影響は致命的と、まさに最悪のバイオハザード。

あまりにもあっけない幕切れに恐怖

世界が真っ赤に染まり、滅亡へのカウントダウン状態を眺めていると、突如感染者の数が激減しはじめます。何事かと思ったのですが、すでに生き残った全人類がさつまいもウィルスに感染してしまったからです。もう感染者が増えることはありません。淡々と減り続ける感染者の数と、淡々と増え続ける死亡者の数に、かえって想像力を掻き立てられ、恐怖することになります。

そして人類を根絶するとゲームクリア。最後に感染者や死亡者の推移など、各種データを見ることができます。終わってみれば、ウィルスを投下してからゲーム内時間のわずか2年で人類が滅びてしまいました。あまりにも短い期間ですが、突然変異などでポッと強烈なウィルスが出てくると、こんなものなのかもしれません。

食物連鎖の頂点に立つ人類として、恐れるべきは内側の敵なわけですが、こんなウィルスが現れないことを祈るのみです。すでに肌寒くなってきた昨今ですが、ふとんやこたつに入って温まった背筋をちょっと冷やしてみてはいかがでしょうか。

iOS版:Plague Inc. on the App Store on iTunes
Android版:Plague Inc. -伝染病株式会社- – Google Play の Android アプリ

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