【朧村正】DLC第4弾『角隠女地獄』 2つ目のエンディングまで到達して『元禄怪奇譚』が完結したので感想など(※ネタバレ注意)

ついに終わってしまいました…。DLC第4弾の鬼娘編で2つ目の結末までたどり着き、これまでに配信された4種のDLCの物語をすべてみたことになりました。今回の結末はこれまでとは一味違ったものになっており、さらに他編との関連性も明かされ、本当に完結したんだなと感慨深いものがあります。

PS Vita版『朧村正』のDLC第4弾『角隠女地獄』で2つ目のエンディングに到達しました。これですべてのDLCの物語が終了。なんといいますか、「終わってしまったんだな…」という寂しさと感慨深さが混ざった気分でございます。

思えば、Vita版『朧村正』の発売が2013年3月で、そのときにDLC4種の配信が発表されていました。しかし、最初のDLC「津奈缶猫魔稿」が配信されたのが2013年の11月でちょっと間があくカタチに。続く第2弾「大根義民一揆」は2014年1月ですから、ここから順調にリリースされるのかと思いきや、第3弾「七夜祟妖魔忍伝」は7月の配信。そして、最後の第4弾「角隠女地獄」は8月末…の予定が延期されて11月に。すべて出そろうまで1年半以上の月日が流れているわけで、思えば遠くへ来たもんだ。

そんな長い旅路の果てにはちょっと嬉しいご褒美も用意されていました。『元禄怪奇譚』の4編はそれぞれが独立したショートストーリーかと思いきや、実は…。

ともあれ、まずは鬼娘編の感想から書いていきましょう。

鬼のパワーで終始圧倒できた鬼娘編

最初のエンディングまで到達した時点で鬼娘のキャラパワーをひしひしと感じていましたが、クリア後に全国ボスを巡っている最中にその感覚はさらに強まっていきました。もうね、鬼だから種として人類とは一線を画しているのだろうと思えるくらい強いんです。

朧村正 DLC第4弾 雷神対大鬼

鬼娘の3種の形態はすべて強力で、ソツなく使いやすい子供、クセのあるパワータイプに見せかけて金棒回すだけで強い大人、そして無敵の大鬼。さらにスキルツリーが進行すると、体力や霊力を回復させるスキルが習得できるため、元の強さがそのまま底上げされるカタチに。

個人的にもっともお世話になったのが子供状態の奥義。「ドンキーコング」を彷彿とさせるハンマー状態なのですが、霊力の回復とかみ合うとほぼ無限にハンマー状態を維持できるようになり、真に無敵の強さになります。将軍様をハンマーだけで叩き潰す様は圧巻。

そんなわけで鬼娘編は本当に苦戦らしい苦戦もなく一気に全国制覇ができました。一応、鬼娘にも体力と防御が低めという弱点はあり、被ダメージはバカにならないのですが、満腹状態でパワーアップするスキルもあるため、これはこれでかみ合ってやっぱり強いという。なので結局は鬼のような強さ。いや、本物の鬼でした。

さて、ここからは物語の話をしましょう。

※以下ネタバレを含みます。注意。

これまでと一味違う鬼娘編の結末その2

これまでのDLC3編は、1つ目の結末はハッピーエンドだけど2つ目の結末はつらい話、みたいな感じでした。今回の鬼娘編もそうなのだろうと身構えていたら全然そんなことはなく、むしろ笑って終わる話でした。あたるとラムちゃんは最後までラブコメディだったわけです。

どっちに転んでも結局は羅邪と結ばれなければならない清吉の視点だと果たしてハッピーエンドといえるのかどうか?と考えもしましたが、ハッピーに決まってんだろふざけんな爆発しろ! かわいい嫁さんがいて職もある、こんな幸せなことはない…彼らが末永くお幸せだったことは想像するまでもないでしょう。とっぴんぱらりのぷう。

そういえば、鬼娘編は「金太郎」と関連性があるのですよね。赤い腹掛けにまさかりかついで足柄山のクマと戦う冒頭はもちろん、山姥の名「お八重」は金太郎の母親とされる「八重桐」からとったものでしょう。金太郎の母親を山姥とする話もあるそうで、そのへんと引っかけたのもありそう。日本の昔話とか伝承とかと結び付けているのは毎度のことながら上手ですよね。

『元禄怪奇譚』の結び

羅邪が地上に降りていたのは七福神の宝を探すためでしたが、鬼娘編に登場した宝は4つだけ。大黒天の打ち出の小槌(変身アイテム)、布袋の堪忍袋(清吉の収納ポケット)、恵比寿の釣り竿(山姥から)、福禄寿の桃(羅邪の口に投げ込む)の4つ。他の3つは触れられないまま投げっぱなしなのかと思いきや、そうではありません。

実は、DLC4種すべてで2つ目の結末を見ていれば真相が明らかになるのです。寿老人の瓢箪は猫又編のタヌキが所持、弁財天の琵琶は忍者編の無明道人が所持、毘沙門天の鉾は忍者編で白蛇より伝五郎へ受け渡されたモノ。つまり、4つの物語は七福神の宝を通じて繋がっていた、というわけです。

あれ?百姓編は関係ないような?と思ったのですが、百姓編の1つ目のエンディングで過酷な労働を強いられていた鬼たちは、おそらく行方不明になった羅邪と宝を探すために動員されていたのではないかと。また、七福神の宝が失われたから権兵衛たちが不作に悩まされることになった、とも考えられるかもしれません。

いずれにしても、七福神の宝が失われたのは羅邪が雷神に見せびらかそうとして転んでぶちまけた結果なので、元凶は羅邪じゃないか!と思わずにはいられません。元凶だけど1人だけ幸せな結末になっている羅邪…というとなんだか羅邪がイヤなヤツみたいですが、なんたって鬼ですからね。『元禄怪奇譚』という一連の少し不思議な物語は、鬼の仕業だった、というオチなのでしょう。

そんなわけで、『朧村正』DLC4編もこれで終了。気持ちのいい余韻を残して完結してくれました。すでに本編は廉価版も発売され、DLCは1つ500円というお買い得な本作。個人的にオールタイムベストの1本なので、未体験の人はこんなネタバレ読んでないでプレイしましょう。

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