【Full Metal Furies】レビュー 共闘がフィーチャーされたアクションRPGだけどソロでも全然遊べます

『Full Metal Furies』をクリアできたのでレビューなど。ここで言うクリアとは真のラスボス撃破までのことで、プレイ時間は17時間ほどでした。本作は『Rogue Legacy』を手掛けたCellar Door Gamesの新作で、ベルトスクロールアクションっぽさもあるアクションRPGとなっております。同社製のゲームらしく歯応えある難易度ですが、今回は共闘がフィーチャーされており、仲間と一緒なら怖くない!…かも。

本作は最大4人のオンライン協力プレイに対応しており、共闘がウリのゲームとなっています。しかし残念なことに、フレンド招待のみでランダムなマッチングはありません。なので、今回は最初から最後までソロプレイで遊んだ人によるレビューとなります。片手落ちもいいところですが世の中どうにもならないことがあるのです。ご容赦ください。

※2018/4/4追記 バージョンアップによりフレンド以外ともオンラインで共闘できるようになりました。

弾幕を避けたり敵を殴ったりするアクションRPG

まずはエリアマップからステージを選ぶフェーズになります。『スーパーマリオブラザーズ3』から『Shovel Knight』まで使われている由緒正しきエリアマップですね。道は一本ではなく分岐していきます。ストーリーの進行と関係のないステージもありますし、一度クリアしたステージに再挑戦することも可。もちろん、エリアの最後にはボスも待ち構えています。

full metal furies フィールドマップ

ステージの道中は敵を蹴散らしながらの進むことになります。中には敵と戦うのではなくひたすら弾幕を避け続けるだけのステージもあり、バリエーションは豊か。スクロール方向も横だけでなく縦になったりもしますし、ルート分岐や隠し通路などもあります。このあたりは後述のやり込み要素や謎解き要素にもつながっています。

ベルトスクロールアクションっぽく見えますが、軸を合わせて攻撃を当てたり軸をズラして攻撃を避けたりするわけではないため、あまりそれっぽいプレイ感はありません。どちらかといえば見下ろし型のアクションで、ちょくちょく弾避けシューティングが混ざる感じ。キャラクターによっては狙って撃つ要素もあるため、見下ろし型のシューティングにもなったりします。

イカれたメンバーを紹介するぜ!

プレイヤーのキャラクターは4種類。盾で防いで殴るタンク、ハンマーを振り回すファイター、ハンドガンと設置タレットのエンジニア、そして狙撃とフックショットと地雷設置のスナイパーです。4人とも性能が全然違うので楽しさもまったくの別物。しかも、ソロプレイの場合はここから2人を選んで交代させながら使っていくことになるため、コンビの組み合わせによってもおもしろさが変わってきます。ちなみに全員女性です。

操作は4ボタン+αで、基本攻撃ボタンが1つ、固有スキルに3つ、それから交代に1つが割当てられます。エンジニアは銃のリロードがあるのでさらにもう1つ。コマンド入力などはなくシンプルな操作となっています。特筆すべきは交代で、ボタンを押すだけで即チェンジできます。なので、通常攻撃で敵を吹っ飛ばしたところで交代してスキルで追撃、なんてこともできます。他にも、スキルの多くはクールタイム制ですが控えにまわったときもリチャージは進むので、スキルをブッ放して即交代、なんてことも。

彩り豊かなバリアが示す役割分担

もっとも交代が必要になるケースは敵がバリアを纏っているときです。というのも、敵のつけている青や赤のバリアは対応したキャラクターでなければ破壊できないからです。青いバリアは青いタンクで、赤いバリアは赤いファイターでなければ破壊できず、他のキャラクターではダメージが通りません。なので、バリア破壊が最優先で交代していくことになります。バリアが2色混ざると大忙しです。が、大抵の場面で2色混ざるし、ボスなどは2色のバリアを切り替えてきたりするのでもう大変です。このバリアが共闘時の役割分担を明確にしてくれていると思われます。たぶん。

倒れたら起こせばいいじゃない

難易度は高め。序盤こそサクサク進めますが中盤以降は要所でかなり死ねます。HPがゼロになると強制で交代となり、倒れた仲間を起き上がらせることもできますが、近づいてボタンを押して復活用のゲージが100%にならないと起き上がれません。ゲージは放置していてもじわじわと溜まっていきますが、99%で止まってしまうので必ず助けてあげなければなりません。このあたりの仕様は共闘感を増す意図を感じます。

ともあれ、ソロプレイでは2人揃って死なない限りはゲームオーバーにならないので、1人が倒れても復活を最優先として立ち回っていればなんとかなります。ならなかったりする。最悪ゲームオーバーになってもそれまでに拾ったものは引き継がれるし、失うものは何もないので気楽なものです。

稼がなければ生き残れない

本作はアクションRPGを自称しているだけあって、キャラクターの育成要素もあります。まず、ステータスやスキルの強化は所持金を消費して行います。スキルツリー形式ですが消費するのは所持金ですから最終的にはすべて習得できるでしょう。とはいえ、かなりの金額になるのでどこから伸ばすのかが重要になっています。オススメはHPとSTR。レベルを上げて物理で殴りましょう。また、所持金で強化していくため、使っていないキャラクターを後から育成するのも比較的カンタンですね。

装備品のアップグレードもあります。装備品はボス撃破の報酬や道中の宝箱から設計図を入手すれば買えるようになります。単純な強化というわけではなく、ある点で強化される代わりに他の点でデメリットが追加されたりするので、性能の変化といった方がより正確かも。また、装備品ごとに熟練度のようなものが存在しており、対応したスキルを使うことで累積して一定量ごとに基本パラメータが上昇します。なので、スキルをケチらずバンバン使っていくといいでしょう。ただ、空振りでも溜まっちゃうのはいかがなものかと思わなくもない。

成長のペースはステージを1つクリアするごとに1つか2つは強化していけるくらい。なので、ちびちび強くしていく感覚が楽しめます。強化したからといってゴリ押しでどうにかできるわけではありませんが、それでも強化しないよりはした方が断然ラクになるので強くなった実感もちゃんとあります。個人的には好みの塩梅です。

真のラスボスよりも凶悪な謎解き要素

本作においてもっとも凶悪なのは謎解き要素。パスコードを入力しないと先のステージが出てこないところがいくつもあるのですが、このパスコードを解読するための謎解きが非常に厳しい。「そんなんわかるか!」って言いたくなるようなものもありました。アクションのムズかしさなどこの謎解きに比べたらかわいいものです。とはいえ、この謎を解き明かさなければ真のラスボスへの道は開かれないため、やるしかありません。こればっかりはもうちょっと手心を…。

ソロでも十分遊べますけれども…

そんなわけで『Full Metal Furies』は共闘を強く意識したアクションRPGとなっていますが、ソロでも十分楽しめます。特にキャラクター交代システムはソロ独自の要素なので、ソロはソロできっちり楽しめるように作り込まれていると感じます。とはいえ、「この要素は共闘なら輝くんじゃないかなぁ」と思ってしまうようなところはいっぱいあるため、一緒に遊んでくれるフレンドがいるならぜひオンラインを試していただきたいところであります。ソロで遊んでこれだけ楽しいのだから、友人と一緒に遊べば絶対に間違いなくマンモス楽しめるはず…だと思います。たぶん。

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