【DRAINUS】レビュー

シューティングのお時間です。『Touhou Luna Nights』や『ロードス島戦記 ディードリット・イン・ワンダーラビリンス』のLadybugが突如リリースした横スクロールシューティング『DRAINUS』、発売からちょっと間があいてしまいましたが、買って即プレイしてそのまま2周クリアしてきました。なんですか、めちゃくちゃ面白いじゃないですか! 超カッコイイ発進シーンに始まり、テンション高めのBGMにのせて弾とビームの間をリフレクターで搔い潜っていたら、あまりにも痺れる2周目の導入に引っ張られて、気付いたらそのまま2周目をクリアしていました。何この体験。すげえぜ。

DRAINUS | Game(インディーゲーム) | PLAYISM(プレーイズム)公式サイト

※2022/07/08追記 レビュー動画も作りました。

カッコイイが押し寄せてくる!

見てのとおり、『DRAINUS』は超カッコイイ横スクロールのシューティングゲームです。どのくらいカッコイイかというと、まずチュートリアルから1面開始への繋ぎ方からすでにカッコイイ。発進シーンは言わずもがな、そこから砂漠の地表に飛び出して、砂嵐に入ってり抜けたりする展開もカッコイイ。中ボスを倒したらそのまま上昇して、雲の中を飛ぶと画面に水滴が浮かび、追っ手を叩きながらさらに上昇するとそこは宇宙…。か、カッコイイ…。開始から数分でもうコレです。しかもこれでまだ1面終わりじゃないですからね。どんだけ盛るんですか。この導入にすべて突っ込んできやがったな!って思いましたが、もちろんその後もずっとカッコイイが続きます。マジカッコイイ。

https://shibayamablog.net/wp-content/uploads/2022/07/Drainus_Opening1.mp4
▲やはり発進シーンはカッコよくてナンボ。カッコイイはどれだけ盛っても良いんだってわかります。

気持ちよく遊べる難易度

実は難易度は”ほどほど”です。シューティングと聞くとどうしてもやたらめったらムズかしい印象がありますが『DRAINUS』はそうでもないです。本当です。ホラー好きのいう「怖くない」とは違います。そもそもボクはシューティング得意じゃないですからね。そんな人でも難易度ノーマルなら初見でモリモリ進めていけるくらいの難易度になっています。バリバリの本職シューターがどう感じるかはわかりませんが、得意でもなければ苦手でもないくらいのボクが最初から気持ちよくなれるくらいの難易度だということは確かです。

気持ちよく遊べる難易度になっている理由は、”初見殺し”がないことでしょうか。シューティングによくある「突然の死」がないんですよね。敵の出現にはアラートが出るし、強力な攻撃の前にはわかりやすい前兆があるので、わけもわからず死んじゃうケースがありません。もちろん、わかっていてもやられちゃうことはありますけれども、それは自分の腕の問題だと納得できます。なんというか、全体的にフェアな作りだなーと感じました。なので、変なストレスがないんですよね。だから気持ちいい。

▲描き込まれていても視認性は良好。そういう意味でもストレスが少ないゲームです。

弾もビームも吸収して跳ね返せ!

『DRAINUS』の最大の特徴は「リフレクター」です。敵の弾を吸収して攻撃に変換するやつですね。似たようなシステムを搭載したゲームは過去にもありますし、敵の弾を攻撃やスコアに変えるのも珍しいわけではありませんけど、なんだかんだで気持ちいいシステムですよね。

リフレクターは画面左下のガードゲージがある限り展開し続けることが可能で、弾を吸って解放するとちょっと無敵時間もつきます。でも展開中は攻撃できなくなるデメリットも。とはいえ、ガードゲージは時間で回復するので気軽にホイホイ使っていけるのがいいところです。紫色の攻撃なら弾だろうがビームだろうが吸えるので、むしろ積極的に弾にぶつかりにいくゲームになっています。アラートが鳴るギリギリまで吸ってから解放…、ギリギリって感じがたまんねぇぜ!みたいになります。

▲くぉ~!ぶつかる~! ここでリフレクターを解放、パワーをビームに!

あと、もちろん緊急回避のボムもあります。ボムはゲージ制なので割と気軽に使っていけます。なので、緊急回避だけでなくダメージ目的でも使うことになりますね。リフレクターで防げない攻撃とかガードゲージがない場合の時間稼ぎとか、用途はいろいろです。ともあれ、リフレクターで無敵になって、ボムで無敵になりつつガードゲージを回復させて、さらにリフレクターで無敵になる…、とか。もうずっと無敵!ってわけにはいきませんけど、それでもやっぱり強いです。気持ちよくなれるポイントがいっぱいあるのはいいことです。

パワーアップを自分でカスタマイズ!

もう1つの特徴的なシステムはパワーアップです。敵のドロップするアイテムを取るとパワーアップしていくのは普通ですが、なんとパワーアップの武装と順番をカスタマイズすることができます。最初のパワーアップはオプションで~次はミサイルで~、と自分で組み上げられるんですよ。ステージの途中で変更もできるので状況に合わせた武装になることも可。最強武器を組み合わせてキミだけの最強機体を作り上げろ!

▲思った以上に楽しいパワーアップのカスタマイズ。”救済”っぽい強さの兵装もあったりします。

どのパワーアップも被弾することで1段階ずつ失われるのですが、それってつまりパワーアップした分だけ体力がある、ってことでもあります。なので、このゲームそうそう死にません。ほどほどの難易度はこういう理由もあるわけですね。ただし、1度死ぬと初期状態=体力1の状態でその場復活なので、立て続けにやれれちゃうことも…。順調に進めてるときは楽勝だけど、ちょっと事故ると一瞬でゲームオーバーが見えてくるタイプのゲームとなっております。怖いですねぇ。

襲い来る”過去”

『DRAINUS』を語るうえで外せないのがオマージュとかパロディとか言われるタイプのやつです。シューティングゲームに特に詳しいわけでもないボクでも知ってるやつがわんさか出てきます。たとえば敵だと、256発撃ち込みたくなるやつとか16tボム落としたくなるやつとか。そもそも主人公の相棒のカエルみたいな人もアレですよね。他にもパワーアップなんかはモロにそれってわかるやつ多いですし、ステージの演出なんかも含めると一体どれだけ詰め込まれているのやら。作った人の「好き」が溢れていて、プレイしているとニッコリ笑顔になれますね。

▲でも越えちゃいけないラインもある。やめろ!トラウマを刺激するんじゃあない!

2周目への強烈な牽引力

個人的に『DRAINUS』で最高だったのは「2周目への誘い方」です。シューティングゲームに2周目は付き物ですけど、ただでさえムズかしいゲームがさらにムズかしくなっちゃったりするので、ボク自身はまともにプレイすることはありませんでした。でも『DRAINUS』は2周目をプレイしましたし、なんならそのままクリアまで突っ走りました。どうしてか?というと、2周目の導入がめちゃんこ良かったからです。

ストーリーによって2周目に”意味”が与えられ、その意味を演出によって瞬時に理解させ、間髪入れずに2周目の戦いが始まる…、もうね、有無を言わせる間もなく身を投じることになるんですよ。そうして始まってしまうと先の展開が気になるし、最後まで走り切るしかなくなるんです。見事な作りですよ、本当に。やるしかないじゃん!こんなの!ってなりました。『DRAINUS』のストーリーが単体で面白いのか?と言われたら「どうだろうか…」ってなるんですけど、プレイヤーを2周目に引っ張り込むためのストーリーとしては最強だと言わざるを得ません。すごいぜ。

▲かつてこれほど2周目をやりたくさせるシューティングがあっただろうか。

やろうぜ!

そんなわけで『DRAINUS』、見た目の印象からしてハイクオリティでしたが、それ以上にすごい体験をさせてくれるシューティングゲームでした。難易度はほどほどで気持ちよく遊べるので「シューティングは嫌いじゃないけど得意でもないし…」ってくらいの人にジャストフィットすると思います。ボクはしました。いろいろ書いてきましたが、カッコイイグラフィック!カッコイイBGM!ドカドカ撃破キモチイイ!!くらいでもいい気がします。PV見て「なんかカッコイイな」と思えたら適性あります。たまにはシューティングでもどうですか。『DRAINUS』、オススメです。

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