【ドラゴンズドグマ2】レビュー

『ドラゴンズドグマ2』をクリアしたのでレビュー。クリアしたというか、勢い余って3周してました。プレイ時間は140時間ほど。個人的に前作が好きだったので今作も楽しめましたが、相変わらず万人受けはしなさそうだなー、という印象です。本作の最大の魅力は”冒険してる感”にあるのですけれども、冒険ってしんどいものですからね。でもそれこそが本作のキモ。なかなか独特な面白さをもったゲームとなっております。

公式サイト:ドラゴンズドグマ 2 公式サイト|CAPCOM

従者と旅するオープンワールド

『ドラゴンズドグマ2』は剣と魔法のファンタジーな世界を舞台としたオープンワールドのアクションゲームです。ストーリーに前作との直接的な繋がりはなさそうですけど、ドラゴンに目を付けられて心臓引っこ抜かれたプレイヤーが「覚者」となり、そのドラゴン目指して冒険するところは変わっていません。「ポーン」と呼ばれる従者を引き連れて旅することになるのも同じですね。

▲自分とポーンに他プレイヤーのポーン2人を加えた4人編成が基本。

アクション色が強め

ジョブやスキルやアビリティ、装備やレベルなどRPGっぽい要素もいろいろありますが、「オープンワールドアクション」と名打たれているだけあってアクション色が強めです。アクションはジョブによって大きく変わり、剣で近距離戦をするのか、弓矢で遠距離戦をするのか、はたまた魔法でドカンと薙ぎ払うのか、印象がガラリと変わりますね。ジョブは気軽に変更できるので自分に合ったジョブで思う存分暴れるのがよいでしょう。

▲なんなら気分次第で変えたっていいジョブ。アクションはガラリと変わります。

キャラメイクは可能性の塊

本作はかなり凝ったキャラクターメイキングがあります。設定できる項目が多く、美男美女から腰の曲がった爺さん婆さん、果てはそこらへんにいそうなおっさんやおばちゃんまで作れます。加えて今回は獣人も作成可能になりました。設定的にも獣人もいる世界になっていますからね。これはケモナー歓喜かも。でもケモ耳じゃなくてヒト耳なんですよね…。

また、自身の従者となるポーンもメイキングできます。自分と相棒の両方をメイキングできるので、いろいろと妄想が捗ります。どんな2人にしてどんな関係性を築くのか…、いやー楽しいですよね、こういうの。おかげでメイキング画面で何時間も粘ることになったりするわけですけど。キャラメイクだけお試しできる体験版(※ゲーム本編は体験できません)も配信されているので、購入前にじっくり作り込みたい方はぜひ。

▲そこらへんを歩いてる誰かのポーン。思わず二度見するような個性的なポーンも。

今回のポーンはかしこさがアップ!

本作を特徴づける要素の1つはやはりこの「ポーン」でしょう。ポーンとは、人の姿をした人ならざる者、異界を通じてさまざまな世界の覚者に仕える者たちのこと。要するにプレイヤーと一緒に戦ってくれる仲間なのですけれども、本作は自分でメイキングしたメインポーンと、他のプレイヤーが作ったポーン2人を雇って4人パーティで冒険することになります。

ポーンは自動で戦ってくれるのですが、前作と比較して格段に動きがよくなった印象です。間違いなく強化されてますね。なんといいますか、しっかり戦ってくれる!って感じ。前作はポーンの性格によってはなかなか敵に向かってくれない…、なんてこともありましたが、今作ではどんな性格でも戦ってくれるので安心。成長しましたねぇ、しみじみ。

▲今回はかなり頼りになるポーンたち。戦闘の後はハイタッチまでしてくれる。

ポーンを貸し借りする楽しみ

他のプレイヤーのポーンを雇うということは、自分のポーンもどこかの誰かに雇われるかもしれない、ということです。誰かに雇われたポーンはちょくちょくおみやげや”いいね”を貰って他プレイヤーの世界から帰ってきます。なんか嬉しいやつです。無評価で帰ってくるとちょっと悲しいですが、たぶん途中で死んじゃったケースでしょうからこればっかりは仕方ない。うちの子がんばった!たぶん。

こうなると「もっと雇ってもらいたい!」となるのが人情でして、しっかり鍛えておめかしして(=いい装備着せて)送り出そうってなるんですよね。気付いたらマスターたる覚者様よりいいもの着てる始末。でもいいんですよ、楽しいですから!

▲うちの子が誰かに雇ってもらえた!って事実が1番嬉しい。

冒険してる感!

さて、こうしてポーンたちと一緒に旅するわけですが、本作のキモはなんといっても”冒険してる感”です。冒険とは楽しくもしんどいもの。なので、ともすれば不便とも思えるような部分も多々あるわけですけれども、だからこその”冒険してる感”が味わえるようになっています。このあたり、どういうことなのかを説明していきましょう。

▲冒険は予想外のハプニングの連続。それがしんどくもあり楽しくもある。

まずHPですが、ダメージを受けるたびに最大値も減っていく仕様になっています。最大値が減るのって思った以上に辛いです。ぐんぐん心細くなっていきますし。HPそのものはアイテムやスキルで回復可能ですが、最大値は宿やキャンプなどで一泊しないと回復しません。なので、体力と一緒に精神もガリガリ削られていきます。しんどいですね。

▲今回は野営でも回復可能。肉も焼ける。でも魔物に襲撃されたりする。

また、本作には所持重量に制限があり、装備だけでなく回復アイテムや素材にも重量があります。重たくなると動きも遅くなってしまうため、素材などは倉庫に預け、必要な分だけの回復アイテムなどを持っていくことになります。でもキャンプ道具は重いし、あちこち探索しているといろいろ拾っちゃうしで、ダンジョンの奥深くでいい感じの装備を拾えたけど重たくでどうしよう、みたいになったりします。しんどいですねぇ。

そして、近年のオープンワールドゲームなら当然あるはずのファストトラベルもかなり制限されています。ファストトラベルするには高価な消耗品が必要なんですよね。キメラの翼が1万G、といえばわかりやすいでしょうか。なので基本は徒歩で移動。出先で帰りたくなってもすぐには帰れません。行って帰ってくるまでが冒険です。いやぁしんどいです。

▲町から町へは牛車での移動もあり。でも魔物に襲撃されたりする。

しんどいだけやんけ!と思われたかもしれません。でもこれがいいんですよ! 体力を削られて疲弊しながらもダンジョンの奥でお宝を見つけ、所持重量ギリギリの重さを抱えながら歩いてホクホクしていたらゴブリンの集団に襲われ、それでも撃退しようと戦っていたら追加でグリフィンが飛んできて、ああああ~~~!!…みたいな。ハプニングの連続を自らの力で切り拓いていく感じ、まさに冒険! 目的地へ移動がただの移動ではなく、大冒険になっていくんですよね。

こんな感じで、冒険を演出するためにプレイヤーにいろいろと負荷をかけてくるわけですからしんどいんですよ。でも、だからこその”冒険してる感”があるのです。これがマジで面白い!…んですけど、かなり独特な感覚だし、昨今のゲームと比べて方向性も全然違うので、合う人と合わない人はハッキリ分かれそうな気がします。

▲今!?みたいなタイミングでやってくるグリフィン。ハプニング製造機の疑いアリ。

クエスト制で進むけど…

どこへ向かっても大冒険になる探索はマジで面白いんですけど、ちょっと問題なのはクエストの方。ゲームはクエストベースで進行するのですが、わかりにくいやつがちょくちょくあります。何をすればいいのかよくわからず「どゆことどゆこと?」と困惑してたら時間切れで失敗になってやり直しもできない、みたいなのもあるんですよね。謎解きの難しさではなくゲームそのもののわかりにくさ故に失敗させられるのは正直ストレス。

▲手配書の人物を捕らえよ、と言われても手配書is何?となったクエスト。(実は所持品にある)

極めつけは該当キャラクター以外の要因で止まってしまうタイプのクエスト。「後日様子を見に行く」となっているのにいつまで経っても何の変化もない…、と思っていたら、実は関連するNPCがこちらのあずかり知らぬところで死んでいたため進行不可になっていたという。一応、死体が安置されている施設へ行って復活用アイテム(貴重品)を使えばクエストを進められるんですけれども、そもそもプレイヤーからしてみれば進行が止まっている理由を知る手段がないですからね。(外部の攻略サイトを見るしかない) さすがにいかがなものかと。

▲画面外で勝手に死んでるNPCのせいでクエストが止まったりする。わかるかそんなもん!

あとクエストの都合で同じ場所を何度も往復することになるのも印象がよろしくないですね。悪い意味でしんどく感じます。未踏の地の探索が面白い一方で、行ったことのある場所を繰り返し走らなきゃいけないのはあんまり…。クエストそのものは解法がいくつかあったり結末が変化したり他のクエストと関連してたりで凝ってはいるんですけれども。冒険のしんどさを演出するための仕様が悪さしちゃってるなーといいますか…、ムズかしいですね。

▲ポーン「そんなに急いで、徒競走が始まったんですか?」 覚者「マラソンだよ」

恐怖の感染症

旅のお供となるポーンたち。頼りになる存在ではあるのですが今回のポーンの貸し借りにはリスクがありまして。それが「竜憑き」と呼ばれる感染症です。感染したポーンは徐々に言うことを聞かなくなっていき、しまいには虐殺を始めてしまうという恐ろしい病気です。感染するといっても移してしまえば治るようなので、拡がっていくわけではなさそうです。なので意外と遭遇しない…と思ってたら連続で来たりします。こわいこわい。

これも旅先で起こるハプニングの1つ、と考えればいいのかもしれませんが、仲間として戦ってくれているポーンたちを常に疑わなければならないのは嫌だなぁと。雇用中のポーンなら解雇するだけでいいのですけど、自分のポーンの場合は一度死なせてロストするしかないってのもちょっと…。ポーン雇用の回転率を上げたい狙いがあるのかもしれませんが、正直あまり嬉しくない要素でした。せめて治療手段でもあれば…。

▲症状が進行したポーンは目が赤く光る。こわい。でも即解雇しかないのは悲しい。

やっぱり「ドラゴンズドグマ」だぜ

そんなわけで『ドラゴンズドグマ2』、個人的には好きだけど決して万人にはオススメできないゲームとなっております。面白さのキモは前作から変わっていないので、前作が好きだった人は大丈夫。でも前作が合わなかった人は今作も合わないでしょう。ああ、「ドラゴンズドグマ」だなぁ、ってゲームなので。

本作の面白さは”冒険してる感”にあります。体力を減らされたところでグリフィンに急襲されたり、野営してたら野盗に襲われて夜道を歩くハメになったり、知らない土地で思わぬ強敵にボコボコにされてポーン抱えて逃げ出したり…。そんなしんどくも楽しい旅が体験できるゲームです。他の誰とも違う、唯一無二の冒険をお求めのアナタにこそオススメです。ぜひ覚者となり、ドラゴンをブッ飛ばしに行きましょう。

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