【ディシディアFF】という独自なシステムで独特な駆け引きのゲームを振り返ってみる

『ディシディア ファイナルファンタジー』がアーケードゲームになって戻ってくると聞いてテンションが上がってしまったので、『ディシディアFF』の話をしましょう。めっちゃ独特なゲームでしたが世界観とマッチして見事な完成度を誇ったスクウェアらしいタイトルで個人的にも100時間を超えて遊んだ思い出アリ。

ディシディアFFを振り返る

先日のジャパンアミューズメントエキスポ2015(JAEPO2015)にてアーケード版『ディシディア ファイナルファンタジー』が発表されました。謎のティザーサイトからフタを開けてみれば毎度ガッカリ、なんて思っていた人は先生怒らないから黙って反省しましょう。ハイ、反省してます。

ディシディア ファイナルファンタジー | SQUARE ENIX

新生『ディシディア』は舞台をアーケードに移し、世界観も新たに3on3で戦うという内容になっているようです。元のゲームとはかなり趣の異なるゲームになりそうですが、ここで一度『ディシディアFF』というゲームについて振り返ってみましょう。

『ディシディアFF』は2008年12月に発売されたPSP用のゲームです。Vitaではありません、PSPです。「FF」シリーズの20周年を記念するタイトルとなっており、シリーズのキャラクターたちが一堂に集う"お祭りゲー"でした。2011年3月には『ディシディア デュオデシムFF』が登場。こちらはキャラクターを追加し、新システムや再調整、追加シナリオなどを含んだバージョンアップ版になっていました。

では、その内容はどんなものだったのか。思い出してみましょう。ちなみに、さっき『ディシディアFF』と『デュオデシム』の両方を起動してみたらどっちもプレイ時間100時間を超えていました。サウンドモードで曲を聴いていた時間も含まれているとはいえ、我ながらずいぶん遊んだものです。

FFキャラのスーパーパワーがぶつかり合う3Dフィールド

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『ディシディアFF』は歴代「FF」キャラクターたちが1on1で戦うアクションゲームです。1on1といっても格闘ゲームとはまったく違った内容で、3Dフィールドを広く使ったバトルになります。今回アーケード版の話が出たとき、スクウェアでアーケードで3Dバトルだから『エアガイツ』を連想している人も見かけましたが、全然違います。『ディシディアFF』は「ドラゴンボール」的な3Dバトルになります。

相手キャラクターが豆粒くらいになってしまうほど広いステージで飛び回って戦うのが『ディシディアFF』です。といっても遠距離で弾を撃ちあうシューティングというわけではなく、接近戦から遠距離戦まで目まぐるしく状況が変わるハイスピードなアクションになっています。

空中戦が多くなるのも本作の特徴の1つ。特に初代『ディシディアFF』は開幕から決着までずっと空中にいることも珍しくなく、地上戦重視のキャラクターたちが涙で枕を濡らしていた印象です。続編の『デュオデシム』では調整されて地上戦もかなりイケるようになりましたが、空中戦の重要度が下がるわけでもなく、飛び回って戦うゲームという印象が強いですね。

ステージのギミックも凝っており、特に印象的なのが月の渓谷ステージの岩。相手を吹っ飛ばして壁に叩きつけるタイプの攻撃を当てると岩ごと破壊しながら吹っ飛ぶというもので、まさに「ドラゴンボール」っぽい演出になっていました。といいますか、PSPでステージオブジェクト破壊をやってる技術には脱帽。

「FF」というRPGでは、神に等しい力とか宇宙の真理とかと戦っているわけですから、その力を存分に発揮できる広い空間を舞台にしたのは大正解だったのではないかと思うのです。さまざまなジャンルの作品やキャラクターが格ゲー化することが珍しくない昨今、たしかにキャラクターモノのゲームとして格ゲーは優れたジャンルではありますが、原作に最適なステージを既存のどこにもない独自のモノとしてイチから作り上げた『ディシディアFF』ってステキ。

独自なシステムで独自な駆け引き

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単に3Dの空間で戦うというなら他にも似たようなゲームはあるかもしれません。しかし『ディシディアFF』は徹頭徹尾、独自なシステムで作られています。

まず体力システムが独特です。画面上に大きく表示されているのは体力ではなくブレイブと呼ばれる攻撃力を表した数値です。体力に当たるHPは下の方に小さく表示されています。基本はこのブレイブの奪い合いで、攻撃を当てるとダメージの分だけ相手のブレイブを奪って自分のモノとします。そしてHP攻撃という特殊な攻撃を当てると、ブレイブの数値分のダメージをHPに与える、というシステムになっています。

攻撃にもブレイブ攻撃とHP攻撃の2種類があり、この2つの使い分けが独自な駆け引きを生み出すことになります。基本は使い勝手のいいブレイブ攻撃で、できるだけブレイブを奪ってからHP攻撃を当てたいところですが、HP攻撃をメインに振り回して小さなダメージをコツコツと与えていくのも1つの作戦です。HP攻撃は発生が遅いものが多く、なかなか当てづらいのでどうやって当てるのかが課題になります。

ブレイブは他にも独自な駆け引きを作っています。たとえば、ブレイブがゼロになっても負けではありませんが、画面下部中央に表示されたブレイブ値が相手にゴッソリ入るので大ピンチ。HP攻撃を当てた直後は一時的にブレイブがゼロになるのでこれまた大ピンチ。ブレイブというシステムは対戦ゲームにおけるリスクとリターンを数値化・視覚化したものなのかもしれません。

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防御に関するシステムも独特。防御システムにはガードと回避があります。本作におけるガードはタイミングを合わせて相手の攻撃を弾くような性能をしており、ガードが成立すればまず反撃は確定します。しかし、ガードで弾けるのはブレイブ攻撃のみであり、HP攻撃はガード不能になっています。なので、メインで使うのは回避の方。

回避は地上でも空中でも使える非常に便利な無敵の移動手段です。空中でひらりひらりと回避の応酬となるのが『ディシディアFF』的な光景ですね。適当に連打していてもある程度は回避できますが、発生の遅いHP攻撃にはちゃんとタイミングを計らないと食らってしまうので、そこが読み合いにもなるという。といってもゲームに慣れてくると回避の方がカンタンになるので、いかに当てるかというゲームになってきますね。

こんな感じでどこをとっても独自なシステムのオンパレード。しかし、それが独特の駆け引きを生み出しているのも事実です。といいますか、これだけ独自のシステムを詰め込んでいるにも関わらず、ゲームとしてしっかり成立している完成度はすばらしいじゃないですか。文章で説明するとワケがわからないかもしれませんが、実際にやってみると意外なほどすんなり理解できるんですよ、これ。

限界突破を実感できるカスタマイズ要素

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『ディシディアFF』には育成やカスタマイズ要素がたくさんあります。レベルは割とカンタンに上限に到達してしまうのですが、どちらかといえばレベルカンストしてからが本番といった印象です。それくらい、カスタマイズの幅が広く、あれこれ試行錯誤するのが楽しいゲームなのです。

各キャラクターの攻撃はプレイヤーがカスタマイズすることになります。格ゲーのような複雑なコマンドはなく、十字キーの上・下、ニュートラルとボタンを組み合わせたモノだけです。ブレイブ攻撃とHP攻撃とのどちらも地上と空中で出せる技が異なるので、それらを別々にセットすることになります。

攻撃だけでなく、空中ダッシュやジャンプ回数などの基本アビリティもカスタマイズできます。どちらもキャパシティの上限があるので取捨選択が必要になります。攻撃用の技は最低限だけどダッシュやジャンプの性能を高めた機動性重視のカスタムとか、攻撃用の技を豊富に持たせたけど空中ダッシュを捨てたカスタムなども可能です。

さらに、装備やアクセサリといったモノも存在します。単に攻撃力や防御力だけでなく、実にさまざまな能力が付与できます。たとえば、自分の体力がピンチのときだけ攻撃力が倍になるとか、ノーダメージのときだけ1.5倍になるとか、条件付きのパワーアップがたくさん用意されています。これらをうまく組み合わせれば、発動する状況は極めて限定的だけど発動すれば無敵の強さ、みたいなこともできるのです。

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『ディシディアFF』はこういった豊富なカスタマイズをあれこれ妄想したり試行錯誤したりするのが本当に楽しかったです。豊富すぎるカスタマイズ要素が対戦ゲームとしての競技性を破壊してしまっているのかもしれませんが、「FF」のキャラクターなんだから限界突破した性能でブイブイいわせてるくらいが世界観に合ってるんじゃないでしょうか。

ハマると反則的な強さになるカスタマイズ要素ですが、エンドコンテンツとなるゲームモードではレベル100超えの文字通り反則なCPUが襲い掛かってきます。彼らの攻撃を食らうとワンパンでブレイブがゼロになるため、加減している余裕などありません。最大の力には最高の力をぶつけるのみ。攻撃を1発でも食らったらEXゲージを放出から即必殺技してまた即座にゲージ満タン、みたいなぶっ壊れた強さでもギリギリの戦いとして成立していたのが本作が最高におもしろいところだと思っています。

上記以外にも、『ディシディアFF』はキャラクターや世界観などへの原作の要素のとり込み方が絶妙だとかBGMがすばらしいとか、語りはじめたらキリがなさそうなので今回はここまでということで。

新生『ディシディアFF』は新たな風となるか

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『ディシディアFF』は独自なシステムだらけで独特なゲームでありつつも高い完成度を誇る傑作だと思います。バランス調整的なところで荒削りな部分もあるかもしれませんが、それも含めて楽しめるタイトルでした。新しい要素を盛り込みつつも高い完成度というのは歴代「FF」シリーズがこれほどの人気になった理由でもありますから、ジャンルは変わっても「FF」の精神を体現していたといえるかもしれません。

今回新たに発表されたアーケード版『ディシディアFF』は3on3のアクションということですが、チーム戦の3D対戦アクション自体はすでにアーケードゲームに存在しています。これまでの精神を受け継ぐのであれば、既存のゲームとは大きく異なったモノになるかもしれません。それがアーケードゲームに新しい風を吹かせてくれることを期待したいところです。

そういえば、3D対戦アクションは『ディシディアFF』以外にも『ポッ拳』とか『スクールオブラグナロク』とか発表されているわけで、これはこの流れがキテいるのでしょうか…?

ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー
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