【朧村正】DLC第4弾『角隠女地獄』 レビュー パワフル変身系の鬼娘と遊び人のラブコメディ

PS Vita版『朧村正』のDLCもついに最後となる第4弾。ラストを飾るのは鬼娘と女好きの遊び人の珍道中、といった愉快な趣。4つのDLCの中ではもっとも使いやすい鬼娘が相変わらずの壮快感と少しの笑いを提供してくれます。クリア後の全国制覇も含めればボリュームもかなりのもの。

『朧村正』のDLC第4弾『角隠女地獄』が配信されました。もともと8月下旬に配信が予定されていたのですが、ワケあって延期され、この11月にようやっと配信となっています。ともあれ、無事に配信されてよかったです。これで予定されていた4つの追加コンテンツがすべて出揃いました。

今回のDLCもメインストーリーは短めで、まっすぐ進めれば2時間程度でクリアできます。もちろん、今回もクリア後に全国のボスを巡ってから再び最終戦に挑むことでエンディングが変化する要素もあるため、ボリュームはかなりあるといっていいでしょう。

ボクはストーリーをクリアしてから全国のボスを巡り始めたところです。もう1つの結末を見た後での感想はまたの機会に書くとして、今回はDLC第4弾のキャラクターとかストーリーのノリとかについて書いていきます。

公式サイト:別売ダウンロードコンテンツ「元禄怪奇譚」第四弾『角隠女地獄』:特集:PS Vita『朧村正』公式サイト

変身系主人公・鬼娘は使いやすくて強力

『朧村正』のDLCでは毎回主人公となるキャラクターが違っており、本編とはまったく違ったアクションが楽しめるものになっています。今回の主人公は鬼の娘。小さな子供ですが「打ち出の小槌」を使って大人と大鬼に変身することができます。この3つの姿を切り替えながら進む仕様になっています。

まず基本となるのが子供形態。地上のコンボからアッパーで浮かせて空中コンボ、といういつもの『朧村正』ができる形態であり、非常に使いやすくなっています。鬼娘の独自要素として、ジャンプ中の下攻撃がただの急降下ではなく、敵の上で跳ねる技になっており、連続で3回跳ねると4回目に”狂化”されて大ダメージになります。これがめっちゃ強くて楽しい。

『朧村正』DLC第4弾 狂化による攻撃強化

“狂化”は急降下攻撃だけでなく、他の技も対象になっています。特定の技を当て続けると強力なフィニッシュブローが出せるシステムになっており、わかりやすく壮快な感じですね。

子供状態の奥義も強力。巨大なハンマーを使ってガンガン敵を叩き潰します。このときの動き、どうみても「ドンキーコング」のハンマー状態なので、使うたびにあのBGMが聞こえてくるような気がします。気がするだけ。

『朧村正』DLC第4弾 子供奥義はあのハンマー

「スマブラ」ではハイリスク・ハイリターンの代名詞ですが、『朧村正』ではこれといったリスクはないのでめっちゃ強力。ガンガン使ってガンガンにしましょう。

大人の形態は武器が金棒に変化。使いやすい子供とは違い、単発の重さに重点を置いたパワータイプでややとっつきにくい性能になっている…と、思いきや、ボタン連打で出せる金棒回転がカンタンで強力。DLC第3弾・嵐丸の鎖鎌の範囲を狭くして威力を高めたような印象で、ぐるぐるしているだけで敵が沈んでいきます。まさに鬼に金棒。

『朧村正』DLC第4弾 大人の金棒回転

金棒回転も”狂化”の対象技なので、たくさん当てれば最後に強烈な一撃が繰り出せます。存分にぐるぐるしましょう。大人形態の技はどれも振りが重くて使いづらいのですが、1発1発の威力は高いので、慣れればかなり強いです。

そして必殺の形態である大鬼。雷神もビックリなマッシブな肉体になり、百裂拳でボッコボコにする無敵モードです。DLC第1弾の化け猫状態のようなものですが、こちらはパンチの連打でシンプルにパワーを感じられる能力になっていますね。筋肉こそパワー。キンジラレタチカラ、ツヨイ。

『朧村正』DLC第4弾 大鬼の百裂拳

鬼娘はこれまでDLCで登場したキャラクターの中でも随一の使いやすさといっていいでしょう。クセもなくパワーがあるので強さも実感できます。カンタンで壮快、というわけで、ある意味『朧村正』の原点回帰なのかもしれません。

ハートフル絵巻物風ラブコメディな物語

寺から抜け出してきた女好きの遊び人・清吉は、ちょっとした手違いから鬼娘・羅邪鬼(らじゃき)をナンパしてしまい、そこからはじまる2人の珍道中、というのが今回のストーリー。要するに、あたるとラムちゃんですね、この2人。よくよくみると羅邪鬼のブーツは虎柄だったりしますし。そうでなくても虎柄は鬼キャラの記号ですけども。

『朧村正』DLC第4弾 コミカルなストーリー

これまでのDLCとは違い、悲壮感などどこ吹く風、全体的に明るく愉快なノリになっています。清吉が鬼娘から逃れようとするだけ、といえばそうなのですが、全編コミカルタッチで笑いを誘うシーンも多く、最後まで楽しい気分で遊べました。とはいえ、毎度2つ目の結末は厳しい話が多かったので、今回はどうなることやら。

そういえば、DLC4弾の配信が延期したのはストーリー上の描写に問題があったためという話がありましたが、どのへんだったのでしょうね。改めて配信前のPVをみると、ゲーム中に見かけなかったシーンがいくつかあるのでそのへんなのでしょうか。(清吉が座敷で誰かと話しているシーンとか刀を持っているシーンとか)そう考えると、実はかなり変更されているのかもしれません。あっ、でも別の結末ルートで出てくるのかも。

PS Vita『朧村正』DLC第四弾 元禄怪奇譚『角隠女地獄』プロモーション映像 – YouTube

そんなわけで『朧村正』を引き続きプレイ中でございます。DLCも今回で最後ということで感慨深いですが、雪之丞さんをボコボコにできるのも今回で最後かと思うとちょっと寂しさもありますね。何にしても、最後の結末をみるまでもうちょっとの間、絵巻物風の世界に浸っていようと思います。

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