「お、サガの新作か」と勘違いしてしまいそうな『サガ』っぽい新作RPG『レジェンド オブ レガシー』、さっそくはじめました。ベースレベルのない成長、バトル中に習得するスキル、即死も珍しくない低HP、どこをとっても『サガ』っぽいのですが、それ故に楽しめそうなタイトルになっていそうです。
『レジェンド オブ レガシー』はじめました。キッカケはこのカエルです。名前はフィルミアで、本当の名前は人間の言葉にできないそうですが、カエルでいいです。実は王子様らしいのですが、個人的には勇者バッヂをつけていただきたいですね。
現在は開始から数時間で3つめのマップまで来たところ。ストーリーは軽めでバトルがメインのRPGという印象です。強敵に遭遇すると即全滅するけど、フォーメーションや技の使いどころを工夫すればなんとかなったりするあたり、実に『サガ』っぽいです。『サガ』じゃないんですけども。
そんなわけで今回は1stインプレッションとして、大体どんなゲームなのかを書いていきます。タイトルだけで8割はあるのでピンときた人はニンテンドーeショップへGo!
公式サイト:THE LEGEND of LEGACY -レジェンド オブ レガシー-
バトルに比重をおいた和製RPG
ゲームを開始すると7人の主人公から1人を選ぶことになります。選ばなかった人たちも後でサラっと仲間になります。これといったイベントがあるわけでもなく、街中をブラついているところをつかまえるだけ。『ロマサガ』っぽい印象ですね。
舞台となるのはアヴァロンと呼ばれる人類未踏の大陸。個性的な7人のキャラクターはそれぞれ目的や理由があってアヴァロンに来ていますが、描写されるのはそのくらいであとはひたすら冒険になります。ストーリーは主人公たちが冒険する理由を与えるだけ、という最低限のモノです。なので、ゲームのメインはここではなさそうです。
メインとなるのはバトルの部分。そこらへんのザコ敵からかなりの強さで1戦1戦のウェイトが重くなっています。ちょっと強い敵に遭遇したり、敵の数が4~5体いるだけで死線がみえる感じも『サガ』っぽいですね。
バトルにおける『サガ』っぽさは冒頭でも少し書きましたが、ベースレベルのない成長、バトル中に習得するスキル、即死も珍しくない低HP、だけどHPはバトルごとに回復、などなど、大体『サガ』。閃きではなく覚醒なので電球はつかないですけれども。
覚醒は新技を思いついたときだけでなく、技そのもののレベルが上がるときにも発生します。同じ技でも使い込んでいくと強化されていくわけです。相手が強敵であればあるほど覚醒が発生しやすいのも『サガ』っぽいといえるでしょう。反対に、弱い相手だとまったく成長せず、何も得るものがないことも珍しくありません。とはいえ、シンボルエンカウント方式で敵を避けるのはカンタンなので、弱い敵がストレスになることはなさそうです。
1つ1つのシステムもそうですが、もっとも『サガ』っぽさを感じるのはやはり難易度でしょうか。ちょっと強い敵が出てくると簡単に壊滅させられてしまう無慈悲っぷりは「あーそうそうこれこれ」って思わされてしまいます。
バトルの重要なシステムはフォーメーションと場の属性
本作の独特な要素としては、フォーメーションと場の属性の2点。まず、バトル開始時にあらかじめ用意しておいたフォーメーションを選択し、その後もターンごとにフォーメーションを選択して進みます。フォーメーションは3人のメンバーにアタック、ガード、サポートのどれかを割り当てるもので、それぞれ役割に応じた性能がアップする感じですね。盾を有効に使うならガード配置、回復させるならサポート配置、といった具合になります。
それから場の属性。バトル時に3DSの下画面に4つの属性を表す画面が出ます。これは場の属性を表しているのですが、属性により攻撃や回復などの性能が大きく変化します。場の属性は”霊器”という特殊なアイテムで精霊に呼びかけることで変えていけるのですが、敵も同じように場の属性を変化を与えてくるので、有利な属性の取り合いというもう1つの側面を作り上げています。というわけで、このバトルシステムの正式名称は”双次元バトル”なのです。
場の属性がどのくらい重要かというと、属性次第でこちらのダメージが半減してしまったり倍になったりするくらいの効果があります。また、”霊器”で精霊に呼びかけた状態でないと精霊術がそもそも発動できません。なので、場の属性が本当に生死にかかわる重大な要素になっているのです。
フォーメーションと場の属性、この2つの独自なシステムいが本作の攻略のカギを握っているのは間違いないでしょう。戦術に大きな影響を及ぼしているので、プレイヤーの腕が問われるところにもなりそうです。
飛び出す絵本風のかわいらしいビジュアル
ここまで散々『サガ』っぽいと書いてきましたが、どの『サガ』に1番近いのだろうと考えたとき、ボクは『サガフロンティア2』かな、と思います。というのも、このビジュアルとこの音楽だからです。
水彩画風というか絵本風のようなやわらかいタッチで描かれたグラフィックは『サガフロ2』の印象が強いのですよね。そこに浜渦 正志氏の透明感のあるキレイな音楽が合わさってくるわけですから、どうしてもそう思ってしまうのです。
しかし『レジェンド オブ レガシー』は単に水彩画風にしているだけではありません。フィールドを歩くのにあわせて木や岩などのオブジェクトが”生えて”くるのです。こういうのってゲーム側の読み込みが追い付いていないときに見られる現象だったりしますが、本作はそれを逆手にとって演出として使ってる印象。ポコポコと生えてくる木や岩は飛び出す絵本のようで、とってもかわいらしくなっています。静止画では伝わりづらいと思いますけど…
このポコポコと木や岩が生えてくる演出はフィールドを走り回ること自体を楽しく感じさせてくれています。フィールドを周って地図を埋めることでご褒美があるシステムなので、ここはうまく噛み合っているんじゃないかと。
カエルの王子は勇者になれるのか
そんなわけで『レジェンド オブ レガシー』はとても『サガ』っぽいゲームになっています。『サガ』シリーズが好きで、バトルが好きだった人には間違いなくオススメできる1本になりそうです。バトル以外の要素は本当に最低限な感じなので、単に『サガ』好きではなく「サガのバトル好き」をピンポイントで攻めてきた印象です。
さて、ボクのは冒険まだはじまったばかり。カエル王子が水属性の回復術とか覚えたので「こいつはきっと勇者になる…!」と確信している次第でございます。ところでビアンカさんがやたらめったら技を思いつくんですけど、記憶喪失だから頭が空っぽだとかそういうことなのでしょうか。『サガ』と同じく、見えないパラメータや要素がいろいろとありそうな予感がしてきました。そういうところも含めて『サガ』ファンをニヤリとさせてくれる1本なのかもしれません。