PS2版は未プレイ。ずっと気になっていたけど機を逃してプレイできていなかった『大神』。 HD化された絶景版が初プレイという人の感想です。思い切り気に入っちゃったので基本ベタ褒めです。
HDリメイク作品なので、元作品は何年も前に出ているとはいえ、 未プレイの人には是非プレイしてもらいたい!という気持ちが高まっているため、ネタバレはない方向で書いています。
ただし、前作未プレイなのでHD化でどこがどう変わったのか、という比較はできません。
和風の映像と音楽が織り成す「絶景」の世界
HD化で向上したグラフィックがどの程度なのか、という点についてはPS2版未プレイのため、比較はできないのだけれど。
本作最大の特徴はまるで筆で描いたような独自の3Dグラフィックで、写実的な映像ではない。しかし、絵巻物のように描かれる世界は彩り鮮やかで、舞い散る桜吹雪に感動させられる。
桜が咲き誇り緑に満たされる「大神降し」はHD版でこそ映えるのではないだろうか。
この映像に和のテイストを盛り込んだ音楽が華を添える。和楽器を取り入れた音楽が多いのだが、眠くなるような曲はなく、躍動感にあふれた曲ばかり。疾走感ある曲にのせてフィールドを走り回っているだけで楽しくなれる。心が躍る感じだ。
うろうろしてるだけで楽しいので時間を忘れて世界に浸ってしまう。サブイベントも豊富なのでやることには困らないけれど。
王道のど真ん中を突き抜けるシナリオ
日本の神話、伝承からおとぎ話、歴史上の人物まで、ごった煮のオールスターの登場人物。 王道といえばそうなのかもしれないが、王道をキッチリ描くのは難易度の高いことだと思う。だがそれをやってのけているからこそ、高い評価を得られているのだろう。
また、このゲームのシナリオはゲームのためにあるのだとわからせてくれる。敵がいかに強大で凶悪かを描き、その上で敵と対峙させる。 敵キャラクターに対するヘイトをキッチリ溜めさせてから対決に挑ませるから、攻撃ボタンを押す指に思わず力が入る。 プレイに気持ちが入るというか、入らざるをえない流れにのませてくれる。 こういう流れを作りだすのは、実にゲームのためのシナリオじゃないだろうか。
謎解きはやさしく、アクションは爽快に
『ゼルダの伝説』シリーズのような、謎解き+アクションという体裁だが難易度は低め。謎解きについては必ずヒントをくれるので、ゼルダに比べるとかなりやさしいだろう。
魅力的なシナリオの進行を妨げないという意味では、ストレスなく進める難易度として正解なのかもしれない。 とはいえ、ゼルダシリーズのような、謎を解く快感を求めている人は肩透かしを食らうだろう。
謎解きといえば、後から来ないと取れないような仕掛けが何度もあった。たとえば、2段ジャンプを習得してからでないと登れないような場所とか なんか登る方法があるんじゃないかと散々考えて、結局あとでスキル習得してから来ないといけないとわかったときの徒労感…。
アクションについても難易度は高くない。 攻撃技はけっこう多いのだが、そのどれもに爽快感や気持ちよさが込められているので、飽きずに暴れまわることができる。 何より1つ1つのアクションがいちいちカッコイイ。
プレイヤーの操作キャラクターが人間ではなくオオカミという異色の本作だが、最初から最後までアマテラスには惚れっぱなしだった。 大神であるどころか、狼であることすら疑わしいようなわんこ動作をしていると思えば、決めるところはキッチリ決めてくれる格好よさ。
余談だけど、人に「筆しらべ」で花咲かせてやるともふってくれます。もふられる気持ちがちょっぴり体感できてほっこりします。
日本人ならやっておくべき和の集大成
大神は映像、音楽、シナリオ、アクションとすべての要素がかみ合ったすばらしい作品。 クリアしてみて「記憶を消してもう1度プレイしたい」という声の意味がよくよく理解できた。どうしてPS2版を遊んでいなかったのかと過去の自分を蹴飛ばしたい気持ちはあるけど、HD版に出会えたことは本当に幸運だったと思える。
あと犬好きの人にもオススメできます。アマテラスはオオカミだけど、わんこなので。
以下のプロモーション映像だけど、ネタバレが入っているので未プレイの人は見ないほうがいいかも…。PS2版プレイ済みの人は映像比較ができるので見るべし。
PS3『大神 絶景版(HDリマスター)』プロモーション映像 – YouTube