【Victory Heat Rally】レビュー

レースゲームをしていると思わず身体が傾いてしまう…、なんて経験あると思います。まだ幼かったあの頃、まだゲーム自体に慣れていなかったあの頃、力いっぱいボタンを押し、画面の前で必死に身体を傾けていました。そんなボクももう大人です。レースゲームくらいで身体が傾くなんてことは…なんてことは…! む゛む゛ッ! 今ちょっと傾いてしまったかも…! いや違う! これは画面が傾いているだけ! だからセーフ!

というわけで今回紹介するゲームは『Victory Heat Rally』、チョロQみたいなデフォルメされた車でギュンギュンかっ飛ばすレースゲームです。車は2D、コースは3Dで描かれており、どことなく懐かしい雰囲気もあっていいですよね。また、ドリフトを軸としたシステムはシンプルながら爽快で、レースゲームなら欲しいゲームモードもひと通り揃っており、思った以上にしっかりしたゲームだという印象。良作です。

公式サイト:Victory Heat Rally | skydevilpalm

ゲームモードしっかり系

ゲームモードは、数々のレースを勝ち進んでいく「チャンピオンシップ」をメインに、ひたすらレースを楽しめる「アーケードGP」、画面分割で4人まで対戦できる「バーサス」、そして「タイムアタック」が用意されています。残念ながらオンライン対戦はありませんが、SteamのRemote Play Togetherには対応しているので、フレンドとの対戦なら可能なはず。(ボクはフレンドいないので試せませんが…)

日本語にも対応しているものの、メッセージウィンドウからテキストが飛び出してしまっていて最後まで読めない…、という困った現象が発生していますが、すでに開発側は認識しているようなので改修に期待。

▲はみ出しちゃってるテキストは修正予定とのこと。

ライバルたちに挑むチャンピオンシップ

「チャンピオンシップ」は、α、EX、Zの3つのグループに分かれており、それぞれのグループ内で3つのステージがあります。ステージごとに4つのレースがあり、最後にはその4つを連続で走って累計ポイントで競うグランプリが待っています。この4つのレースはサーキット形式とラリー形式が混ざっています。さらに、通常のレース以外にも特殊なルールの競技もあるため、なかなかのボリュームがありますね。

▲数々のレースを勝ち抜くチャンピオンシップ。マップもかわいい。

グランプリではライバルとなるキャラクターが登場してきます。彼らはグランプリ後、タイマンレースで勝てば使用可能になります。初期に選べるのが3人、そこに9人が追加されて総勢12人になるため、こちらも結構なボリューム。キャラクターは車とセットになっており、性能もそれぞれ異なります。思った以上に性能の差はあるので、コースに合わせてセッティングしたいところです。

▲レースで勝てばアンロックされていくキャラクターたち。

ドリフトしたらブースト!

本作最大の特徴となるのはドリフトでしょう。ボタンを押すだけでドリフト状態になるのでお手軽なのですが、一定時間ドリフト状態を維持することでブーストして一気に加速できるようになります。ドリフトだけでも気持ちいいのにさらにブーストまでできるなんて! というわけでガンガンドリフトしてどんどんブーストしていくのが基本となります。マジで気持ちいいぜ! ただこれ、ちょっと難しいところもあって。

▲ドリフトしたらブーストで一気に加速! 気持ちいいのでひらすら狙いたくなるやつ。

というのも、ただなんとなくドリフトしてるだけだと勝てなくなってくるんですよ。ドリフトだけで曲がろうとすると外側に膨らんでしまって、内側からスルッと抜かされてしまう…、ってことになりがち。ちゃんとブレーキも使ってコース取りを意識しないと勝てないようになってるんですよね。ドリフトもブーストも気持ちいいだけにそれ一辺倒になりやすいんですけど、やや罠だったりします。

▲ドリフトは気持ちいいけどそれだけでは勝てない。しっかりコース取りを意識!

難易度はいい感じ?

難易度はそれなりです。序盤こそカンタンですが、後半はなかなかのムズかしさだと感じました。といっても、ボクがドリフトにこだわってしまったこともあるかもしれません。もっと早くブレーキの重要性に気付けていれば…。いや、普通は気付けると思うんですよ。こっちがドリフトしてる最中、インコースからスイスイ抜けていくCPUを見せられるわけですからね。なので難易度は普通かも。ただ、ミニゲームも含めてコンプリートを目指すとなかなかしんどそうだなーと思います。

▲突如はじまる電流イライラ棒的なミニゲーム。だいたいムズい。

かなりいい感じ!

そんなわけで『Victory Heat Rally』、かなりいい感じのレースゲームでした。少し触っただけでも手触りの良さがわかりますし、コースのバリエーションやキャラクターの数などボリュームもあり、予想以上にカッチリ仕上げられた優等生、という印象です。パッと見で気になった人はもちろん、ちょっとレースゲームやりたいなーという気分の人にもしっかり応えてくれることでしょう。オススメ!

▲シンプルで気持ちいい!それでいてしっかりした作り。これぞ優等生。