【ファントムブレイカー:バトルグラウンド】レビュー 爽快感を最大化した2Dベルトスクロールアクション

もともと格ゲー(?)として登場したファントムブレイカーがデフォルメされ、2Dベルトスクロールアクションになって帰ってきました。予想外に楽しかったのでレビューを書いておこうと思います。

ファントムブレイカー:バトルグラウンド | PHANTOM BREAKER : BATTLE GROUNDS

正直なところ、『ファントムブレイカー:バトルグラウンド』に対する期待は低いものでした。原作にあたる格ゲー(?)の『ファントムブレイカー』もちょっと触ったことはあったのですが、あまり肌に合わなかったことも理由の1つ。

デフォルメされ8bit風のドット絵とBGMになった「バトルグラウンド」のトレイラーを見たとき、これはチェックしておこうと考えていました。見た目や雰囲気が好みだったこともありますが、いまや絶滅危惧ジャンルの2Dベルトスクロールアクションの新作なわけですから。とはいえ、格ゲーの『ファントムブレイカー』の感触が悪かったので、どうも期待しきれない感じでした。

しかし、フタを開けてみればそんな不安はどこへやら。実にポイントを押さえた作りになっていて、ただただ楽しい内容が待っていました。期待してないだなんてマジ失礼でした。

ボコボコにする快感を最大化したアクション

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2Dベルトスクロールアクションといえば、やっぱり敵をボッコボコにするのが快感であり、おもしろいところだと思うのです。本作はまずそこがしっかりとしていて、うまくできています。敵をボコボコに叩き、ジャラジャラとあふれ出すスコアアイテムを拾いまくる…そんなシンプルなシステムですが、すべての要素が上手にかみ合っています。

弱・中・強攻撃と必殺技の4ボタンと、いくつかの同時押しで操作するのですが、割かしガチャプレイでもボコスカできます。原作にもあった相殺システムもあるため、ガンガン攻撃しているだけでも敵をボコボコにできて爽快です。ちょっと慣れてくれば、通常攻撃のコンボから必殺技に繋げてよりヒット数を稼ぐことができます。

これだけ聞くと「なんだ底が浅いのか」と思うかもしれませんが、ガチャプレイでどうにかできるのはザコ戦のみ。ボスは非常に強力なので、ガチャプレイなんてもってのほかです。適当にボコボコできるザコ戦と、うまく立ち回らなければならないボス戦はゲームの流れにメリハリを生み出しています。

本作には成長システムもあり、稼いだスコアが経験値となってレベルアップしていきます。スキルやステータス強化を自由に選んで強化していくわけですが、一度選んだ強化もキャンセルしてポイントに還元できるため、気楽にいろんなスキルを試せるのがいいところ。

経験値にもなるスコア稼ぎが本作のアツイところ。敵を叩いてヒット数を稼げば稼ぐほど、スコアアイテムの金貨や宝石がたくさん落ちるシステムになっているからです。敵をボコボコにしているだけでも爽快なのですが、叩けば叩くほど飛び散る金貨や宝石が華を添えてくれます。※赤い宝石が経験値、コインがスコアですね。

しかも、死んだ敵を叩き続けてもスコアアイテムが落ち続けます。もちろん永パは無理っぽいですが。『ガーディアンヒーローズ』や『キャッスルクラッシャーズ』でも死体を殴り続けることはできましたが、この行為には何の意味もありませんでした。しかし、本作ではちゃんと稼ぎに繋がるのです。

敵をボッコボコに叩くこと自体が気持ちよく爽快で、しかもそれが意味を持ち、気が済むまで叩き続けていいとは、なんとすばらしい作りなのでしょう。同じコンボを続けているだけなのに、楽しくてずっと続けてしまいそうですこれ。

難点をあげなら、見た目が派手な分、ごちゃって見失うことがあるくらいでしょうか。とはいえ、このゲームにはガードがあり、ガードの操作方法は「レバーをニュートラルにする」という特殊なものです。最初はちょっと戸惑いますが、自キャラを見失ったら「左手は膝の上ですわー」すればなんとかなるわけです。なんとまぁうまくできているものです。

キャラごとの面白さと手ごろなボリュームでリプレイ性も十分

操作キャラは初期4人、クリア後に4人追加されて8人のキャラクターがいます。どのキャラクターも違ったおもしろさが詰め込まれている感じで、いろいろなキャラを使ってみたくなります。『キャッスルクラッシャーズ』ではたくさんのキャラクターがいたものの、どのキャラを使ってもあまり変わらないところが残念だったのですが、こちらはかなりいい感じに分かれていそうです。

※2013/3/1追記
難易度Hardクリア後にさらに2キャラ追加されました。全部で10キャラっぽいですね。

全8ステージでクリアに3時間程度でした。長すぎず短すぎず、何度も遊ぶならちょうどいいボリュームになっているのではないかと思います。あんまり長いとフレンドを誘うにもちょっと身構えてしまいますし。

※2013/3/3追記
初回プレイで何度もコンテニューしながらだったので3時間でしたが、慣れてきて死ななくなると1時間前後でクリアできます。本当に昔のあーケードゲーム風のボリュームですね。

オンラインでの協力プレイは4人までで、ストーリーモードと同じ構成で進みます。イベントシーンの会話はすべてカットされているので、ストーリーはまったくわからない作りですが、そのぶんサクサク進めます。COOPでイベントシーンを出されても…って思うので、バッサリカットしたのは英断ではないかと。

オンライン協力プレイではシングルプレイに比べて敵が強くなっているものの、やられてしまったプレイヤーを他のプレイヤーが助けて起こすことができるので、人数がいればゴリ押しできなくもないです。残機制ではなく、やられた人がその場でダウンし、生き残った人が起こしにいけるのは実に今風のシステムですが、気分的に楽なので良いですね。

オンラインにおけるラグや同期ズレなどはなく、快適に遊ぶことができました。なので、誰かのコンボに続いて自分もコンボを叩き込む、なんてこともできます。このへんは格ゲー(?)を開発した経験が活きているのでしょうか。

※2013/3/4追記
ボクがフレンドと遊んだときは何の問題もなかったのですが、回線相性によっては遊べないこともあるようです。

なんだか全体的にベタ褒め気味になってしまいましたが、いまの時代に2Dベルトスクロールアクションが貴重である上に、この完成度で出してきてくれたことは本当にデカイです。以下の動画を見て気になった人はぜひ。

ファントムブレイカー:バトルグラウンド【オフィシャルトレーラー】 – YouTube

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