【ダンジョンズ&ドラゴンズ】XBLA版レビュー 往年の名作に快適なオンラインを追加した決定版

ベルトスクロールアクション屈指の名作『ダンジョンズ&ドラゴンズ』がリメイク。快適なオンラインでの協力プレイは絶品です。

CAPCOM:カプコン ダンジョンズ&ドラゴンズ ミスタラ英雄戦記 – 公式サイト

国内ではPS3のパッケージ版が8月22日に発売されますが、海外ではPSN版、XBLA版、Wii U版Steam版が、6月19日から配信されています。今回はXBLA版のレビューになります。

『Dungeons & Dragons:Chronicles of Mystara』は、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(以下D&D)シリーズの2作品、「タワーオブドゥーム」と「シャドーオーバーミスタラ」が1つになったタイトルです。

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2タイトルの切り替えはメインメニューでBACKボタン。この切り替え方式は『ヴァンパイアリザレクション』と同じですね。

海外版なのですべて英語です。『ヴァンパイアリザレクション』は海外のXBLA版にも日本語が入っていたそうですが、今回は英語のみ。日本語は入っていないようです。なので「ワレニカゴー」とかいいません。残念。

キッチリ同期できている快適なオンライン

移植を担当したのは『ストリートファイター3 サードストライク』や『ヴァンパイアリザレクション』のIron Galaxy。直近の『ヴァンパイアリザレクション』では特に快適なオンラインを提供してくれましたが、今回も引き続き、GGPOによる快適なオンラインになっています。

この手のゲームのオンラインプレイでは、いわゆる「同期ズレ」が発生してしまうと、キャラクターがあらぬ方向へ走っているように見えたり、何もない空間を攻撃しているように見えてしまったりして、「協力してる感」が損なわれてしまいます。

ここは重要なポイントなのですが、『D&D』ではキレイに同期しています。フレンドとボイスチャットを交えて遊んでいても、同期がズレている感じはしませんでした。ちゃんと声をかけあえばうまく協力プレイができるんじゃないかと思います。

オンラインは部屋を立てて参加者を待つ方式ですが、途中参加にも対応しています。アーケードと同じく、進行途中から入っていけるようになっています。コンテニューも無制限にできるため、気軽に入っていけるのもポイント高いですね。

移植度は高い…はず

アーケード版稼動当時にそれほどやり込めてなかったので、移植度についてはなんともいえません。とはいえ、やり込んでいた人に聞いてみても、特に文句はないようでした。

4人で協力してワイワイ遊ぶもよし、1人で黙々とワンコインクリアを目指すもよし。キャラクターごとに違ったおもしろさが内包されているので、繰り返し遊べるところも当時のままではないでしょうか。

過去の名作がオンラインに対応して復活する、というのは何度味わってもよいものです。特にベストスクロールアクションというジャンルは現代では貴重ですからなおのこと。本当にありがたい…。

充実のオプションメニュー

オプションでの設定は充実しています。といっても、Iron Galaxyの移植タイトルをプレイされた人なら、毎度おなじみのオプションかもしれません。

画面設定は、元が4:3の比率なので、横に引き伸ばす設定や、アーケードキャビネットに表示させる設定などがあります。また、グラフィックのフィルタとして、「SMOOTH」と「CRISP」、「OFF」の3種類が設定可能です。

デフォルトの「NORMAL」設定だとこんな感じ。

左右のスペースには進行中のチャレンジが表示されます。

16:9表示になる「WIDE SCREEN」。

いまどきのディスプレイは横長なので、画面を大きく使いたい場合はこちら。

画面いっぱいに引き伸ばす「STRETCHED」設定。

WIDEとあまり変わらないように見えますが、いっぱいに引き伸ばした感じです。

そして「ARCADE CABINET」。

アメリカンなナスレバーの4人筐体になります。このまま操作することになるのですが、さすがにプレイしづらい…。この視点って筐体に手が届かないくらいの場所から見てません?

「LEFT SCREEN」と「RIGHT SCREEN」はアーケードキャビネットに寄った視点になります。

「RIGHT SCREEN」だとこんな感じ。せっかくなので、フィルターをOFFにして、走査線設定をONにしてみました。CRTの曲面も表現されているので、かなりそれっぽく見えます。

といっても、この視点だとやっぱりゲームがやりにくくなっちゃうので、雰囲気を楽しむ用のネタですね。

オプションの「HOW TO PLAY」で基本操作と各キャラクターのコマンドがすべて書かれているのも初心者にとってはありがたいところ。

このゲームの波動コマンドってこんなに受けつけシビアだったっけ…と思いましたが、慣れの問題ですよね、たぶん。

ゲーム内のチャレンジを達成することで、ギャラリーのイラストなどを解放していけます。イラストだけでなく、ゲームに独自ルールを設定できる「HOUSE RULES」もここで解放します。

HOUSE RULESは以下の項目があります。

UNBREAKABLE:装備アイテムが壊れなくなる
ENEMY RUSH:敵の撃破に時間制限がつくタイムアタックモード
VAMPIRISM:敵を攻撃すれば体力が回復するようになる
ELIMINATION MODE:コンテニュー不可になる
HEDGEHOG:ダメージを食らうとお金が減るモード
LOCKPICK:カギがなくても宝箱を開けられるようになる
MAKE IT RAIN:お金がいっぱいドロップされるモード

複数の項目を同時に設定することもできるので、遊び方の幅が広がりそうです。

国内版との差異

Option | CAPCOM:カプコン ダンジョンズ&ドラゴンズ ミスタラ英雄戦記 – 公式サイト

公式サイトの情報やスクリーンショットを見る限り、国内での発売が予定されているパッケージ版とは異なる点があるようです。もちろん、国内版はまだ発売されていませんので、すべての相違点は把握できませんが、どうみても違うっぽいところをあげておきます。

オプションで設定できる項目はかなり違っているようです。

XBLA版だとオプションの項目はこれだけなのですが、国内版の方がさらに充実しているように見えます。海岸版では、4人同じキャラクターを選択できるようにする項目とか、サウンドテストもありません。カラーエディットもないような。

他にも、キーコンフィグが違っているようです。

国内版の公式サイトだと、キーコンフィグでスライディングやガードを空いているボタンに割り振れるとありますが、海外版ではできません。4ボタンへの割り振りだけですね。

海外版の配信から2ヶ月遅れとなる国内版ですが、その分、機能が充実したものになりそうです。値段も違いますけど、待ってよかったと思えるだけのクオリティアップを図ってくれているのかも。

何にしても、もっとも重要なポイントであるオンラインプレイの快適さはクリアされているので、安心して挑めるのではないでしょうか。

『D&D』が家にいながら4人プレイできるなんて、本当によい時代になったものです。過去作がリメイクされるたびに同じ台詞を言ってる気がしますが、今回ばかりは言わざるを得ません。もうセガサターンの拡張RAMカートリッジを差しなおす必要もありません。やりたいときにやりたいだけプレイできるのですから。

Dungeons & Dragons: Chronicles of Mystara launch trailer – YouTube

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