【朧村正】DLC第1弾「津奈缶猫魔稿」レビュー 新キャラの新アクションで全編遊べる低価格最大ボリュームの追加コンテンツ

PS Vita版の追加要素として予定されていたダウンロードコンテンツの第一弾がようやく配信されています。発売からかなり間をおいてのリリースですが、その分内容はギッチリ詰まっています。

別売ダウンロードコンテンツ「元禄怪奇譚」第一弾『津奈缶猫魔稿』:特集:PS Vita『朧村正』公式サイト

ドラゴンズクラウン』の影響か、PS Vita版発売からかなり期間を開けてのリリースとなったダウンロードコンテンツ「元禄怪奇譚」の第一弾『津奈缶猫魔稿(つなかまねこまたぞうし)』。フタを開けてみれば、500円という価格設定が心配になるほど高品質な内容になっていました。

DLCでは、プレイヤーの操るキャラクターが本編とは別の新キャラクターとなり、短編のストーリーを追いかけるものになっています。操作キャラが新しいので当然アクションも新しいものになっています。

ストーリー自体は3時間程度で終わるので短めですが、新たなボス敵も追加されており、難易度もなかなか歯ごたえのあるものになっています。ボスはどれも強力でしたが、最悪レベルを上げてしまえばどうにでもなるので安心してOK。

さらに、クリア後は本編で戦ったボスたちとも戦えるようになっているので、コンテンツとしてのボリュームはかなりのもの。キャラクターを後から追加されると、「このキャラで本編やってみたい!」という要望を見かけるのは珍しいことではありませんが、「朧村正」では、もういっそ最初からその要望に応えたカタチになっていますね。

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最大のウリは新キャラクターによる新アクション

DLC第1弾でプレイヤーが操るキャラクターは、猫又のお恋。猫又なので刀ではなく爪を振り回すのですが、アクション自体は本編の鬼助や百姫とそれほど変わりません。ガスガス斬りつけて空中に浮かせてコンボ、って流れは大体同じ。なので、壮快感あふれるバッサリ感もそのままで、気持ちのいいアクションになっています。

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じゃあキャラクターの見た目が変わっただけなのか?といわれると、そうではありません。お恋は三毛という猫状態に変化できるようになっています。

三毛の状態では通常攻撃が貧弱で、ガスガスと斬りつけるわけにはいかないのですが、代わりに「鬼火」と呼ばれる飛び道具が使えるようになります。この鬼火を使ったアクションが、本編にはない、まったく新しいプレイ感になっていますね。

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お恋と三毛の2つの形態をうまく使い分けるのが攻略のカギになっている感じ。といっても、「ここは三毛でなければクリアできない」というようなガチガチの作りではないので、攻略の幅自体はゆるめにとってある印象です。

化身ゲージが溜まると「化け猫」にも変化できるようになり、これが必殺技的なパワーアップ状態ですね。ゲージはわりかし溜まりやすいので、ザコ戦でもケチらず使っていけます。苦戦させられるボス戦でも、一気に立場が逆転する感じで気持ちのいいところになっています。

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基本となるお恋のアクションは、本編のキャラクターとほぼ同じなのですんなり入っていけます。三毛や化け猫の存在が新しい体験をもたらしており、遊びやすさと新しさがバランスよく混ざっている感じになっています。

ストーリーは短めだが本編との繋がりも

短編なのでストーリーそのものは短くなっています。主君の恨みを晴らすために化け猫が仇討ちをする、というオーソドックスな昔話風の流れですね。

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もともと本編でも昔話や伝承、歴史上の人物など、いろいろと配置されていますが、今回もちょっとニヤリとさせられる場面があります。悪代官の「よいではないか、よいではないか」がここで見られるとは…。

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今回は新たな登場人物たちによる新規ストーリーなのですが、舞台は本編と同じなので、本編のキャラクターもちょっとだけ顔を出したりします。ここで詳しくはいいませんが、なるほどここでこの人が絡んでくるのか、って感じです。

むしろクリアしてからが本番?のボリューム

DLCのストーリーそのものは3時間程度で終わりました。途中のボス戦には苦戦させられてしまったので、うまい人ならもっと早くクリアできるかも。

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といっても、3時間と聞くと、「500円だしそんなもんか」と思われるかもしれませんが、これで終わりじゃないのがこのDLCのすごいところ。

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クリア後は、全国を巡って本編に登場したボスたちと戦うことができるようになります。すべてのボスがいるので、実質本編を新キャラで遊べるようなものです。

ただ本編のボスと戦えるというだけでなく、ちゃんとご褒美も設定されています。すべてのボスを倒すことで手に入る装飾品を身につけて、再びDLCのラスボスに挑むことで、結末に変化があるという仕掛け。

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さらに、全国に配置されている魔窟にも入れるようになるので、本当に本編と同じだけのボリュームが遊べてしまう感じです。

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クリアしてすぐの段階だと、レベルも15かそこらなんですが、高レベルの魔窟に挑めるのはいつになるのやら。といっても、全国のボスを倒して回っていればモリモリ成長できそうですけど。

ちなみに、成長システムは本編とは似て異なるものになっています。戦いで得られる魂や食事で得られる生気を消費して、スキルツリー型で強化していくシステムになっています。刀は使わないので、新しい刀をゲットしていく方式ではありません。

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魂や生気はゲームを進めていれば自然と溜まっていくとはいえ、最大まで強化するのはまだまだ先になりそうです。

こんな感じで、もともと本編が腹八分なボリュームというイメージでしたが、DLCはたった1つで十二分に満腹なものになっています。あと3つのDLCが予定されているようですが…もしかして全部この仕様なのでしょうか? だとすれば、この元禄の世を何度踏破することになるのやら。早くも次のDLCが楽しみになってきましたが、次の内容は…「一揆」…?

PS Vita『朧村正』DLC第一弾 元禄怪奇譚『化猫-津奈缶猫魔稿-』プロモーション映像 – YouTube

朧村正 (特典無し)
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