【沙羅曼蛇】生き残りをかけた闘争を呼び覚ますスケルトンボディ

アーケード版とはいろいろと違うファミコン版。だからこそのおもしろさもあるので、ぜひともプレイしていただきたい。主に2人で。

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暑い夏を乗り切るための涼しげなゲーム10選として、まことに勝手ながら選出させていただいた『沙羅曼蛇』。選出の理由は、涼しげなブルーのスケルトンカセット、ってだけだったんですけどね。

とはいえ、せっかくこのスケルトンカセットを手に取ったのだから、久々にプレイしてみました。当時は高難易度のシューティングと呼ばれており、子ども時代のボクはクリアすることができませんでした。時は流れ、大人になってからプレイしたときはなんとかクリアできるようになっており、人間の成長を実感したものです。

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あれからさらに何年経ったのでしょうか。またしても『沙羅曼蛇』が壁として立ちふさがることになるなんて。端的にいって今回はクリアできませんでした。最終面まではいったのですが…。

その前の5面で「いやーやっぱファミコン版のThunderboltカッケーっすわー」なんていってたらチュドーン。フルパワーアップ状態からのヒエラルキーの最下層へ転落です。人間、成長もしますが老化もするようです。

さて、せっかくなのでファミコン版『沙羅曼蛇』について振り返ってみましょう。

アーケード版とはかなり違うけどこれはこれで

『沙羅曼蛇』は一見すると「グラディウス」っぽいシューティングなのですが、いろいろな面で差別化が図られており、本家「グラディウス」とはまた違った方向性を示してくれていました。たとえば、パワーアップシステムはカプセルを溜めていくのではなく、それぞれ装備に当たるアイテムを取得していく方式になっています。

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しかし、アーケードゲームをファミコンに移植する場合、スペックなどの問題でそのまま移植することができないことが多々ありました。『沙羅曼蛇』もそうなのですが、ファミコン版はファミコン版としてさまざまな変更をすることで、新たな『沙羅曼蛇』を生み出していったわけです。

ファミコン版では、パワーアップシステムは「グラディウス」的なカプセル貯蓄型になり、ステージの構成自体も変わっていますが、縦スクロールステージの存在や2人同時プレイなどは再現されています。

フルパワーアップで火力にモノをいわせてブイブイ進んでいるうちはヌルく感じてしまうのですが、ひとたびミスをして初期状態に戻ってしまうと、本作が高難易度と呼ばれている所以を否応なしにわからされます。この絶望感は「グラディウス」と変わりませんが、その場で復活するシステムであるため、死ぬ場面次第では次の残機も死ぬためだけに生まれてくる…なんてことにも。

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圧倒的な力によるゴリ押しな壮快感の裏に潜む絶望感という、紙一重のスリリングな破壊活動こそがこのゲーム最大の魅力なわけです。伝統のコナミコマンドもありませんから、よりシビアになっているところもポイント。

と、ここまでは誰もがよく知る『沙羅曼蛇』だと思います。しかし、ファミコン版の『沙羅曼蛇』を語る上で避けては通れない要素があります。それは2人同時プレイです。

生き残るためには闘争せざるを得ない

「グラディウス」とは違い『沙羅曼蛇』には2人で一緒にプレイできる協力プレイモードがあります。ファミコン版は家庭用だからこそ、気兼ねなく2人モードで遊べたわけですね。

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2人だから火力も2倍!といきたいところですが、ファミコン版はカプセルを貯めていくタイプのパワーアップシステムなので、2人でやるとお互いなかなかパワーアップが進みません。しかし、パワーアップができていない状態だと、非常に厳しいことになるのは前述のとおり。

生き残るためには1つでも多くカプセルを取得するしかありません。1人プレイだと、オプション(ファミコン版はマルチプルではなくオプション)からパワーアップしていくのが定石ですが、もう1人いる状態でカプセルを5個も取るのは至難の業。

となると、まずはスピードアップから高めていき、より早くカプセルにありつこうとする駆け引きが生まれます。スピードがあればあるほどカプセルはゲットしやすくなる反面、火力自体は変わらないために敵の猛攻にさらされかねない諸刃の剣。

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人類共通の敵を目の前にして味方同士で争うなどバカげているように思われるかもしれません。しかし、まずは自らの命です。生き残るためには1つでも多くのカプセルを集めるしかないのです。パワーアップができなかったプレイヤーに待っているのはゲームオーバーが待っているだけです。

さらに、残機をすべて失ったとしても、ボタンを1つ押すだけで相方の残機をもらって復活することができます。全滅したプレイヤーが自分の意思だけで相手の残機を奪ってしまえるのです。

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パワーアップという進化の生存競争に負けた側が、最後に残機という命をあっさりと奪うカタチで復讐ができる…なんという恐ろしいシステムを搭載しているのでしょうか。闘争の果てに待ち受けているのは滅びだけですが、目の前の生存競争に勝って生き残るためには争いを避けられないというのです。こんなものを子どもに与えてはリアルなファイトに発展しかねません。

…と、実際そこまで発展したことはありませんけど。ファミコン時代のゲームってどうもこんな感じで、協力プレイのはずがいつの間にか対戦ゲームになる流れが仕組まれていることが多かったように思います。協力プレイのはずが争いに発展するだなんて、人間の闘争はやはり本能なのではないか、と思わざるを得ないなんてことは別にないです。

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