PS Vita版『朧村正』のDLC第3弾・元禄怪奇譚『七夜崇妖魔忍伝』にて、全国のボスを討伐して2つ目のエンディングを迎えることができました。本編とは違う主人公で異なったアクションによりまったく違ったプレイ感、というのは毎回のことなんですけど楽しいですね。あとネタバレちょっと含みます。
別売ダウンロードコンテンツ「元禄怪奇譚」第三弾『七夜祟妖魔忍伝』:特集:PS Vita『朧村正』公式サイト
ヴァニラウェア製の絵巻物風な和風アクション『朧村正』のDLCも3弾。今回も新キャラクターで2時間程度の新ストーリーを楽しめる他、本編に登場したすべてのボスと戦えるようになっており、全ボス討伐後には通常とは異なるエンディングを見ることができます。
1つ目のエンディングまで進めた時点で書いたレビューはこちら。
【朧村正】DLC第3弾『七夜祟妖魔忍伝』 レビュー 忍者武器による忍者バトルの忍者物語
全国を巡ってすべてのボスを討伐となると、当然かなりの時間を食われてしまうのですが、DLCごとに追加されるキャラクターはアクションもまったく別のモノになっているため、まったく違ったプレイ感を楽しめるわけです。実際、結構骨の折れる作業ではあるものの、不思議と飽きないですね。DLCだけでも3回目、本編を合わせると何度目だってくらいボスたちと戦っているというのに。
たぶん今回からだと思うのですが、ボスへの直通便である転送ポイントが追加されています。なので、全国のボス巡りはかなり時間を短縮できそうなのですが、直通で移動しているとキャラクターが育たないしお金も稼げないしアイテムも拾えないしで、ボス戦でジリ貧になりがち。なので結局普通に歩いてボスまで向かっていました。
そんなわけで、全ボスを撃破して2つ目のエンディングまで到達できたので、感想など書いていきます。ネタバレもあるので注意!
骸衆の忍者は飛び道具主体の遠距離タイプ
今回の主人公・嵐丸は骸衆の忍者、ということで、そこらに登場するザコ敵の忍者と同じ武器を使います。すなわち、苦無、鎖鎌、爆雷の3つです。ザコ敵の忍者はでかい手裏剣も投げてきたような気がしますが、それはもっていないようです。
苦無、鎖鎌、爆雷の3種類を使い分けて進めるわけですが、このうち苦無と爆雷の2種類は飛び道具、残る鎖鎌もリーチに優れる範囲攻撃が可能となっており、嵐丸は遠距離戦を得意とするキャラクターになっています。DLC1弾だと猫状態の鬼火、DLC2弾だと鎌が登場していたので、飛び道具自体は珍しくありませんが、飛び道具主体の立ち回りはDLC3弾での特徴ですね。空中で奥義を発動させた場合に召喚する白蛇も誘導弾を連射する性能なので、忍者の戦いは兎にも角にも遠距離戦なのです。
全国のボスを巡る間、特に便利だと感じたのは苦無に即死判定を付けたモノ。苦無は連射速度があり、手数をかなり稼げるので低確率な即死判定といっても結構発動するのです。ボタンを1回押すたびに2つの苦無を投げるのですが、ちゃんと1発ずつに即死判定があるのでしょうか。ちなみに、白蛇の弾にも即死判定が付くようで、これも結構発動していました。ザコ戦では本当にオススメ。
最初はやや使いづらいと感じていた爆雷も慣れてくるとめっちゃ強力です。消費が激しくコントロールもムズかしい爆雷ですが、こいつが真価を発揮するのは奥義。足元を爆破しつつ空中に逃げる技で、いかにも忍者っぽい動きがカッコイイのですが、それ以上に瞬間火力の高さが魅力なのです。キッチリ当てればモリっと減るので壮快。
あとの鎖鎌は終始便利なままでした。地上でガスガス殴ってからアッパーで打ち上げてズシャズシャズシャっと空中コンボ、という「朧村正」流の動きもできますが、ひたすらグルグル回しているのが便利すぎました。ダメージは低めですが範囲に優れ、安全を確保しやすいので、回復系の装備と相性がよい感じ。
ボス戦は苦無と白蛇で遠距離からダメージを稼ぎつつ、チャンスには爆雷の奥義で一気に削り、ゲージがなくなったら鎖鎌で粘って回復まで時間稼ぎ、という流れでした。距離をとって戦えるので気分的には今回が1番楽だったような気がします。ただ、「朧村正」独特の壮快感はそれほど感じられなかったかも。いつものコンボができるとはいえ、やらなくてもいいわけですし、飛び道具主体の立ち回りであのコンボに匹敵する快感はちょっとムズかしいでしょうね。
2つ目のエンディングは伝統の忍者ネタ
DLCのストーリーは毎度、通常のエンデイングは和やかムードの結末、2つ目のエンディングは救いのない曇らせ展開、って感じでしたが、やはり今回もそんな感じ。といっても、今回は救いがないってわけでもないかな?とも思ったのですが、嵐丸と白蛇視点だとやっぱ救われませんよね…。
2つ目の結末では、大蛇丸(おろちまる)、自来也(じらいや)、綱手(つなで)という3人の忍者による因縁のバトルになるわけですが、この名前をみるとどうしても「ナルト」かと思ってしまいます。でも実は元ネタは「ナルト」ではなく江戸時代の創作に遡るのですよね。
自来也(じらいや)が初めて登場するのは、感和亭鬼武による読本『自来也説話』(文化3年<1806年>刊)である。自来也は義賊で、その正体は三好家の浪士・尾形周馬。蝦蟇の妖術を使って活躍する。
語り部さんが最後に『児雷也豪傑譚』に繋がると話していますが、そうなると嵐丸の物語は自来也の物語の前日譚だった、ということになるでしょう。宿敵・大蛇丸の誕生までを描いた知られざる真相を描いたのが『七夜崇妖魔忍伝』だった、と。
そう考えると感慨深いのですが、嵐丸と白蛇の視点だとやっぱり救いがないのですよね…。悪は滅びた系の結末なので後味が悪い結末ではないのですけどね。ちなみに、戦いの決着が不明なまま幕引きとなりますが、『児雷也豪傑譚』も未完なのだそうです。
そんなわけで今回もガッツリ楽しませてもらいました。次回、最後を飾るDLC4弾も期待して待ちたいと思います。
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