『ブレイブリーセカンド』をプレイ開始しました。序章から1章の途中まで触った感じでは、前作『ブレイブリーデフォルト』からゲームシステムと世界観を引き継ぎ、「王道ファンタジーRPG」の続編となっています。気になるのは、前作のセールスポイントだったシナリオライターとコンポーザの変更でしょうか。
「王道ファンタジーRPG」の開発コンセプトのもとに登場した『ブレイブリーデフォルト』は、SFC時代の「FF」シリーズのような和製RPGの空気を持ったRPGでありながら、シナリオに5pb.の林直孝氏、音楽にRevo氏を起用して新しい風を吹き入れたタイトルになっていました。その融合が非常にうまくいっていたことが印象的でしたね。
さて、続編となる今作『ブレイブリーセカンド』はどうなっているのでしょうか。まだ序章をクリアして1章がはじまったところなのですが、プレイ時間はすでに5時間以上。そのあたりでの印象を書いていきます。
公式サイト:ブレイブリーセカンド|SQUARE ENIX
変更になった2つのセールスポイント
前作『ブレイブリーデフォルト』は、レトロスタイルなJRPGに林直孝氏のシナリオを組み合わせた傑作です。RPGにおける「ゲーム側の言うことに従って進める」という常識をプレイヤーによって打ち砕かせる、見事な構造になっていたのが印象的でした。林直孝氏によるシナリオは前作の大きなセールスポイントの1つといえます。
今回の『ブレイブリーセカンド』では、前作から数年後の世界が描かれているようです。ただし、シナリオライターは林氏ではなく、浅野プロデューサーや中原ディレクター、小説版の著者である月島総記氏らに変更とのこと。同じ世界の続きを別の人が描く、というわけですね。
まだシナリオについてどうこう言えるところまで進められていないのですが、キャラクターやテキストの”ノリ”は前作のものが引き継がれているかなという印象です。ヘルプメッセージなどはかなりの”おふざけ”が入っているように感じられますが、この手のメッセージは堅苦しいと読んでいられないので、これはこれで正解なのではないかと。
もう1つのセールスポイントであった音楽のRevo氏もsupercellのryo氏に変更されています。といっても、前作から引き続き使われている曲もあるので、総とっかえではなさそうです。ryo氏はいわゆるボカロPで、あまり詳しくないボクでも知っている「ワールドイズマイン」などを手がけられている方ですね。
音楽についてもまだまだ聴けていない曲が多いでしょうけれども、いまのところ違和感などはないですね。前作で聞き覚えのある曲と混ざって流れてくるのですが、新旧どちらも「ブレイブリー」な曲になっているのではないでしょうか。Revo氏ほど濃口の味付けではありませんが、いかにもRPGっぽい音楽なのではないかと。
前作『ブレイブリーデフォルト』での音楽は、歌謡曲を派手にしたような、メロディーのハッキリした曲が多かった印象でした。方向性でいうと伊藤賢治氏の曲が近いでしょうか。今回『ブレイブリーセカンド』でもメロディーラインのハッキリした曲調だと思いますが、歌謡曲っぽさがやや薄れてややさわやかになった感じでしょうか。…うーん、なんかうまく説明できていない感。
ちなみに、イデアちゃんの曲は前作同様、ジャスコ感あふれる曲のままです。やったぜ。(※新曲はジャスコじゃないです)
前作の2つのセールスポイントであったシナリオと音楽の変更は、まだまだ判断できるところまで進められていないものの、まったく別のものになっているわけではなさそうな印象。大きな変化をもたらそうとするのではなく、前作からの空気を引き継ごうとしている感じなので、ここからどう展開していくのかに期待がかかるポイントですね。
ブレイブとデフォルトな基本システムは変わらず
ゲームシステムの面ですが、基本システムは前作からほぼ変わっていません。サイドビューでターン制のバトル、SFC時代の「FF」シリーズを彷彿とさせるジョブとアビリティなどは、『セカンド』でもそのままです。特徴となる「ブレイブ」と「デフォルト」もそのまま。レトロスタイルのRPGにスパイスを加えた感じですね。
「ブレイブ」と「デフォルト」は本作の特徴であるバトルシステムです。「デフォルト」によりチャージした行動回数を「ブレイブ」で一気に解放して1ターンに複数回の行動を可能にするシステムになっています。どのタイミングで溜めてどのタイミングで解放するのか、という新たな戦術を生み出すシステムになっており、これは今作『セカンド』も同様です。
今作では新システムとしてタイトルと同じ「ブレイブリーセカンド」が追加されています。これはバトル中に任意のタイミングで時間を停止して一方的に行動してしまえる、という反則的な強システムになっています。タイトルの『セカンド』は2作目である”2nd”だけでなく、”瞬間”という意味も込められていそうですね。
非常に強力な「ブレイブリーセカンド」ですが、実行するためにはリアルで8時間に1ポイントがチャージされるSPを消費するため、ホイホイ使えるものではありません。SPは最大3ポイントまでチャージされる他、リアルマネーによる有料アイテムでも回復できるようになっています。「えー、有料かよ」と思われるかもしれませんが、さすがにこれを使わないとクリアできない、ということはないでしょう。…ないと思いたい。
ジョブに関しては、かなりの新規ジョブが追加されているようです。前作のジョブはナイトや白魔道士など、「FF」シリーズを彷彿とさせるものがほとんどでしたが、今回は序盤から「ウィザード」や「チャリオット」など、独自色の強いジョブが登場しています。もちろん、ジョブ特性やアビリティも独自なモノになっています。
序盤に追加される新ジョブだけでも、BPを消費して魔法に追加効果を加える「ウィザード」や、武器の適正値を高める「チャリオット」など、ゲームシステムと親和性の高そうなアビリティが目白押しになっているので、パーティやアビリティの構成で新しい戦術を組み立てるのはおもしろそうです。
その他にも、細かいUIの改善もかなりありそうです。そもそも前作と今作の間に『フォー・ザ・シークウェル』を挟んでいましたから、そこからのフィードバックも多いのでしょう。全体的にみて、前作からの要素を引き継ぎつつ、遊びやすくなった印象でしょうか。まさに続編、といった内容かもしれません。
新旧の融合から前今の融合へ
『ブレイブリーセカンド』は、セールスポイントに変更があったとはいえ、世界観やゲームシステムを前作からそのまま引き継いでいる印象です。そのことは新キャラクター2人に旧キャラクター2人というパーティ構成にあらわれているのかもしれません。といいますか、イデアちゃんが今回もスタメンで本当によかった。
シナリオも音楽も変更があったからこそ期待したいポイントでもあります。特にシナリオについては、前作『ブレイブリーデフォルト』でボタンの連打に気づかされたあの瞬間の電球が弾け飛ぶ感覚を超えてくれるのかどうか、非常に期待がかかるところです。といっても、さすがにハードルが高すぎるような気がするので、自分を抑えながらプレイを続行する所存であります。
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