【The Division 2】「ウォーロード オブ ニューヨーク」レビュー

今日はエージェント諸氏に良いニュースと悪いニュースがあります。どっちから聞きたい? …と問いたいところですが、生憎ここはブログなので皆さんの答えを待てません。というわけで、良いニュースからいきましょう。

ニューヨークよ、私は帰ってきた

待望の大型拡張「ウォーロード オブ ニューヨーク」がリリースされました。ついにニューヨークへ帰還です。おかえりなさい、エージェント。舞台をワシントンDCからニューヨークに戻し、あのアーロン・キーナー君との決着をつける展開が待っています。DLCにしてはお値段がやや高めに感じられるかもしれませんが、内容とボリュームを考えれば妥当なところかと。

今回の舞台となるのはロウアー・マンハッタン、つまりニューヨークの1番南側のエリアです。なので、前作の舞台とは違います。だから即座に「懐かしい!」とはなりません。むしろ完全に新しいフィールドで新鮮な気持ちになれます。かつての仲間たちにも再会できるし、拠点に子犬がいます。しかもなんとモフり放題! これだけで元を取った気分になれます。最高だぜ。

子犬といってもジャーマンシェパードっぽいのでデカい。かわいい。

ボクの装備が知らない性能になっているんだが?

ではさっそくニューヨークへ戻りましょう! …言いたいところですが、ちょっと待ってください。拡張を入れずとも、まずはタイトルアップデート8が横たわっているはず。この大型パッチは「ギア2.0」と呼ばれる新システムを導入するものとなっており、ビルドに関するシステムが抜本的に刷新されています。どのくらい変わるかというと、それまでに組み上げていたビルドがすべてゴミクズと化すくらい変わっています。

ああ、悲しまないでください。まだ悪いニュースではありません。確かに武器や装備の仕様が大幅に変わったことで今までの苦労が水の泡になってしまったかもしれませんが、「ウォーロード オブ ニューヨーク」によってレベルが30から40に引き上げられているのです。なので、どのみちレベル30装備はもう使いものになりません。いい機会ですから倉庫の整理も兼ねてバッサリ捨ててスッキリしましょう。

30の黄色装備より31以上の青装備の方が断然強かったりします。30装備よ、さらば。

いろいろスッキリした「ギア2.0」

「ギア2.0」がどういうものなのか、ザックリ説明しておきましょう。まず、武器や装備に付属していた特性やタレントなどが整理されました。わかりやすいのがタレントで、武器には1つだけ、装備にはボディアーマーとバックパックに1つずつとなりました。他にも装備MODの性能がシンプルになったことで、あれほど煩雑だったビルドが幾分スッキリしています。

もう1つ、大きく変わったのが再調整。タレントや特性のうち、どれか1つを移植できることは変わっていませんが、移植対象のタレントや特性を「再調整ライブラリ」に登録できるようになりました。登録したタレントや特性は引き出し放題。たとえば、「武器ダメージ10%上昇」をライブラリに登録しておくと、登録に使用した武器は消滅してしまうものの、武器Aにも武器Bにも武器Cにも「武器ダメージ10%上昇」を移植することができます。これにより、移植用の素材が倉庫を圧迫することもなくなりました。所持品もスッキリです。

スキルに関しても大幅に変わっています。まずスキルパワーが廃止になりました。代わりに「スキルランク」が実装されています。これはスキルランク特性の付いた装備を身に着ければ上昇し、スキルの効果も上昇するというもの。スキルランクは装備1箇所につき1つなので、0~6の7段階となっています。スキルMODもスキルパワーの制約がなくなり、こちらもスッキリ。

というわけでスッキリした「ギア2.0」ですが、これによってエージェント生活がどのように変化したか。というと、ミッションや懸賞金で装備ドロップを回収するのは変わりませんが、戻ってくるとまず再調整ライブラリへ直行してよさげな特性を登録していく作業になります。登録できるものがあるうちは作業が累積していく感じがして楽しいですね。あるうちは。なんにせよ、装備の整理にかかる手間が減ったのはかなりいいことなんじゃないかと。

さて、そろそろ悪いニュースに移りましょうか。あ、いえ、ショップのおっちゃん以外から関西弁が聞こえてこなくなったとか、そういう話ではありません。

この硬さ、この痛さこそニューヨークよ

レベルが30から40になり、数値上は数倍の強さになっているのですが、思ったほど強さを実感できません。なぜなら敵も40になっているからです。ダメージの数値は跳ね上がっているものの、敵を1体倒すために必要な弾数は減っていない…、というかむしろ増えているような。防御に関しても同じで、アーマーの値は増えているはずなのですが、一瞬で溶かされて突然の死を迎えたりします。どうして…。

一瞬の油断が命取り。ちなみに油断しなくても死ぬ。

特に難易度チャレンジの場合は強烈で、撃っても撃っても倒れない敵の接近を許すとショットガンでズトン!とやられてしまう始末。なんだか懐かしい気持ちになれますね。そういえばここってニューヨークだった。と言いたいところですが、ワシントンDCでも同じです。これまで難なくクリアできていたミッションでヒイヒイ言わされることも珍しくなく、ただクリアしただけなのに チャットに 「GG」と流れるくらいになりました。

難易度の上昇に関しては開発側も”やりすぎ”だったことを認めているため、そのうち緩和されると思われます。ただ、以前よりも難易度を上げたかったことは意図されたもののようですから、どこまで緩和されるのかはわかりません。ともあれ、歯応えのある難易度をご所望なら今です。いうて1ミリも動かない装甲車と地下でやり合っていた頃より全然マシですから、ダイジョブダイジョブ。

悪名高きサポートステーション。せめて破壊できる位置に置いてくれません?

今の気持ちを色に例えるならそう、紫

難易度が上がったにも関わらず、ドロップ率は下がってしまいました。難易度チャレンジなら敵からのドロップは黄色(最上級)以上であることは変わっていないようですが、難易度に関係のないアイテムボックスからは紫(上級)だらけになっています。オレンジのクレートから紫2つも茶飯インシデント。おかげでフリーローム探索の楽しみは激減しました。ボクの顔色も紫になりそうです。

あ…ああ…あ…

人は40を過ぎても成長できるのか

レベル40以降の新たな成長要素として「SHDレベル」が導入されており、武器ダメージやアーマー、スキルヘイストなどを選択して鍛えられるようになりました。なかなかよさげに聞こえるかもしれませんが、上昇幅が0.2~0.4%と極小で、最大まで鍛えてやっと10~20%という体たらく。最大まで鍛えられればそれなりに効果を実感できそうですが…、一体いつの日になることやら。

ドロップ率にせよSHDレベルにせよ、あまりにもしょっぱい。ハッキリ申し上げるならケチくさいんですよ。 開発チームは 前作から現状に至るまでの間に、ゲームの延命としてケチって出し渋るのはむしろよくないと学んでいたと思っていたんですけれど、どうしてしまったのでしょうか…。

あまりに消極的な上げ幅にしょんぼり。もうちょっとパンチをきかせていただきたい。

おいでませニューヨーク

そんなわけでタイトルアップデート8以降の世界は大体こんな感じ。いろいろと刷新されて『The Division 2』から『The Division 2.8』くらいになった印象です。今から新たに始めるエージェントたちはワシントンDCでもボクとはまったく違った体験をするのかもしれません。

システムの刷新により変わり果てた装備をみてゲンナリするかもしれませんが、そこから始まる新たなビルド再構築はやっぱり楽しいので、エージェント生活を再開するならぜひとも「ウォーロード オブ ニューヨーク」を導入しましょう。そんでもってボクと一緒にクリーナーズに焼かれましょう。

さぁニューヨークでアーロン・キーナー君と握手!