【メタルギア ライジング】クリア後レビュー 上達の実感できる爽快アクションだがカメラに難点も

『メタルギア ライジング』を1周クリアしました。上位の難易度や未購入の武器やスキルもあり、まだまだこれからが本番だとは思うけど、ここで一旦レビューなど。

METAL GEAR RISING REVENGEANCE OFFICIAL WEBSITE

『メタルギア ライジング』を一気にクリアしました。難易度はノーマル。プレイ時間ですが、イベントシーンは飛ばさず、マップをうろうろしてみたりボスで死にまくったりしたので、リザルト画面では7時間くらい、実際は10時間くらい? 繰り返し遊べるようなゲームデザインなので1周はやや短めかもしれませんが、これからまだまだ遊べそうです。

※2013/3/5追記:難易度Revengeanceクリア後に再度レビューを書いてみました。高難易度に挑戦していくと見る目が変わってきますね。
【メタルギア ライジング】難易度Revengeanceクリア後レビュー やればやるほど楽しくなる難易度別の作り込み

『ベヨネッタ』を手がけたプラチナゲームズが開発しているので、メタルギアシリーズとはかなり違った、派手なアクションがメインになっています。いかにもプラチナゲームズ製アクションっぽい、いいところが詰め込まれた感じですが、シリーズのファンならニヤリとさせられるパーツもある感じです。

まずは良い点から。

上達を実感できるゲームデザインはさすが

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苦戦に苦戦を重ねて何度もリトライさせられたボスが、次のステージではザコ敵として当たり前のように登場する…、こんな構成が『メタルギア ライジング』でも幾度もでてきます。しかも同時に2体出てきたりして、「これぜってーむりだろ!」って思わされます。

しかし、いざ戦ってみるとなんか勝ててしまったりするんですよね。最初は、相手がどんな攻撃を仕掛けてくるのかわかりませんし、有効な攻撃もわからないので、わかるまではひたすら「わからん殺し」の図式になりやすいわけです。でも、一度わかってしまえば、その後はなんとかなってしまうのですよね。武器強化の恩恵もあるのでしょうけどね。

こうした「上達を実感できるつくり」が非常にうまいと思います。デビルメイクライとかベヨネッタとかもそうでしたけど、今回も同じように感じられます。ゲームのおもしろさの本質的な部分の1つが「上達の喜び」だと思うので、ここを刺激してくれるつくりはかなり良いですね。

上手くなればなるほど爽快感が増すアクション

「上達が実感できるつくり」とも繋がるのですが、上達につれて爽快感が加速度的に上昇していきます。

雷電の技はかなり多いのですが、適当に振り回すだけではなかなか上手く敵を倒せません。技の有効な活用や、コンボの繋ぎ方、回避やシノギによるガードなど、できる選択肢が増えていくにつれて、雷電がどんどんスタイリッシュになっていきます。

スタイリッシュでカッコイイ動きを追求することで、ゲームからの評価もあがるシステムはデビルメイクライでもそうでした。単に見た目が派手な動きではなく、スタイリッシュに動けば動くほど高評価でクリアも近づく、「上手くなりたい!」と思わせてくれるつくりだと思います。

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個人的なオススメ技が「電光石火」。要するにダンテのスティンガーですね。やっぱり強い気がします。

このスタイリッシュな動きに最大の華を添えているのが「斬撃モード」ですね。カタナを適当にぶんぶん振り回すだけでもサイボーグのスライスが作れるので極めて爽快。カッコイイ上に指定した場所を斬ると体力全快のご褒美つきといたれりつくせり。

「斬撃モード」ってQTEの進化版だと思うのですよね。悪い意味で語られることが多いQTEですが、こちらは良いQTEなんじゃないかなー、と。

細かいことは気にしないノリのよいストーリー

メタルギアシリーズといえば重厚なストーリーのイメージですが、今回はかなり悪ノリな感じです。雷電が大暴れするための理由として存在しているだけで、それ以上はないというか。でも、それで正解なんじゃないかなと思います。

政治的、軍事的な背景もあるにはあるのですが、何せ主人公がサイボーグ忍者です。細かいことはいいからぶった斬れ!ってノリは嫌いじゃないです。

最後の方には、かなり笑わされました。メタルギアシリーズの新展開としての何かを期待していた人からは白い目で見られるかもしれませんが…。アクションゲームと割り切ってたボクにとっては嬉しい誤算でした。

で、ここから悪い点。

カメラ視点は難点あり

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3Dアクションゲームの宿命ともいえるカメラ視点ですが、本作でもけっこう困った動作をするケースが散見されます。「カメラに殺された」と思える場面はかなり多かったと思います。

左スティックで移動、右スティックでカメラ操作という、オーソドックスな操作系なのですが、左スティックでの移動時もカメラが動いてしまうのですね。右の敵を見ながら走りたい、と思っても、走っている方向にカメラが向き直ってしまうわけです。慣れの問題もあるのかもしれませんが、少なくともボクが1周クリアするまでの間には慣れることができず、ちょっと気持ち悪い挙動に感じました。

また、ダウン時にカメラ視点が移動し、起き上がり時にもさらに向きが変わるときがあり、これがかなりストレスになりました。ダウン中には正面に捉えていた敵に対し、背を向けながら起き上がってしまうことが何度もあったので。ただでさえ攻撃を食らってダウンしているというのに、変な方向を向いちゃうカメラと合わせてストレスのダブルパンチですね。ダウンさせられるな、って話なのかもしれませんが。

一応、ロックオンもあるのですが、壁際などにいる場合はうまく機能しなかったりします。敵によっては、こちらを飛び越えて背後に回るような動きをしてロックオンを外されることもあります。(ゴリラみたいな敵) ゲームシステムの不備を突いているように思えてしまって、あんまりいい印象が…。

3Dアクションゲームにおけるカメラ視点、そろそろ「これだ!」っていう答えが出てこないものでしょうか。と、毎度思うのですが、これといっていいアイデアが思いつきません…。

ボス戦は爽快感と密度のせめぎ合い?

ボス戦は「シノギ」によるカウンターが重要になるので、どうしても待ち気味の戦いになりやすく、そこが爽快感をやや削いでいる印象がありました。ボスの攻撃手段はかなり多いのですが、その分、相手のターンが長い印象です。

ボスは攻撃手段が多く、攻撃パターンを見極めるのも一苦労です。体力も高く、戦闘時間が長くなり、密度も濃いものになっています。反面、ちょっと硬すぎやしないか?と思えるときもありました。体力がパーセンテージで表示されているのですが、斬っても斬っても0.1%単位で数%しか減らないのを見ていると、やや爽快感に欠けてしまう印象。本当にこの攻撃方法で合ってるのかどうか不安になるレベルです。

顕著なのがラスボス戦。こちらから攻めていけばカウンターもらうわ、シノいでもシノいでもターンが回ってこないわで、大変でした。結局ダメージのほとんどがQTEという状態に。また、あんなに爽快だった斬撃モードがここではイライラ棒に変化します。正確に精密な斬撃を求められるので、ズバズバ斬れる爽快感はなく、ややストレスになってしまいましたね。直前の会話シーンで笑わされたというのに、このバトルでだいぶげんなりとさせられました…。いや、下手なのが悪いんですけどね。

まとめ

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上達を実感できるつくりは相変わらず上手なので、アクションゲームに飢えている人にはオススメできます。ややクセのある操作感もあるので、体験版をやって判断するといいと思います。「斬撃モード」のバッサリ感と、ラスボスとのやり取りは一見の価値あり。あとサニー。カメラ視点など問題もいくつかあるけれど、雷電のアクションや斬撃の爽快感がそれを上回ってくれている印象です。