ATARI製アーケードゲームを集めたレトロゲーセン「KINACO」に行ってきました

大阪の日本橋にあるレトロなゲームセンター「KINACO」は、80年代のATARI製のゲームがメインで、しかもオリジナル筐体で稼動している、というお店です。前々から気になっていたので行ってきました。たとえ古くとも知らないゲームは新しい体験を授けてくれるわけですが、まさにそんな空間でした。

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個人的には「懐かしい!」というわけでもなく「めずらしい…」って感じです。というのも、ファミコン少年だったボクの行動範囲でATARI製のゲームが稼動していたお店ってなかったんですよね。そもそも駄菓子屋ゲーセンに通っていた時代ってもう『スト2』の時代だったので、世代的にもやや違っていることもあります。

店内はこんな感じでした。細長いスペースに筐体が並んでいて、少年時代に通っていた駄菓子屋ゲーセンを彷彿とさせます。ボクの行ったときは他のお客さんもまばらだったので、なんといいますか、週末の午前中から張り切って自転車を走らせていたあの頃を思い出しました。日本橋といっても裏通りにあるので、知っていないまずたどり着けなさそうですし、たまたま通りすがるってこともないのかも。

空いていたのをいいことに、手当たり次第に遊んでみました。いろいろプレイしましたが、その中でも特に印象に残ったゲームをいくつかご紹介しましょう。

『マーブルマッドネス』トラックボールで玉転がし

まず『マーブルマッドネス』。トラックボールで画面内のボールを転がしてゴールに向かわせる、というゲームです。シンプルながら、入力インターフェースと画面の中が直結しているので、「動かす楽しさ」がストレートに伝わってきます。といっても、やみくもに転がせばいいわけではなく、繊細な操作が求められるので難易度は高め。それでもコロコロしてるだけで楽しいっちゃ楽しい。

参考に動画を貼っておきますが、これはスーパープレイすぎるので、ここまで洗練された転がしっぷりになるまでは相当の修練が必要なはず…。

【ニコニコ動画】MARBLE MADNESS

『ミサイルコマンド』爆風で対空迎撃せよ

続いて『ミサイルコマンド』。上空から迫りくるミサイルを対空ミサイルで撃墜するゲームです。似たようなゲームはブラウザゲームなどでもありましたが、こちらはトラックボールで照準を合わせて、ボタンで対空ミサイルを発射する操作になっています。ミサイルの発射台は3つあり、3つのボタンでそれぞれ撃ち分けが可能。ボタンといってもスイッチのような小さなボタンなので、独特な感触があります。ポチっとな。

このゲームのキモは、対空ミサイルを直接当てるのではなく、近接信管による爆風に巻き込んで迎撃するところ。複数のミサイルを巻き込めば稼げるだけでなく、クリアにも繋がりそうです。でも、敵ミサイルの進路を呼んで先置きしないと間に合わないんですよね。狙って撃つ楽しさ、ムズかしさがありますね。

kinacogames missilecommando

『メジャーハボック』飛行機も人も円筒形デバイスで操作

それから『メジャーハボック』。縦スクロールのシューティングと横スクロールのアクションのハイブリッドです。ベクタースキャン方式で描画される光のラインによる線画が、レトロなサイバースペースを演出してくれていてカッコイイですね。1983年製なのだから実際にレトロなのですけれども。

前半のシューティングステージは、縦スクロールといっても立体感があり、やや奥に進んでいる感じ。ここを突破すると着陸シーケンスがあり、敵の基地の内部へと侵入します。この着陸が初見では何のことかわからず、失敗して残機を失うハメに…。基地の内部ではパイロットを操る横スクロールアクションに変貌し、最深部に爆弾を仕掛けて脱出する流れに。

2つのジャンルのハイブリッドな欲張りタイトルですが、入力インターフェースも変わっていて、左右の動きは円筒形のデバイスをまわして操作することになっています。まわす速度に応じて動きの速さも変わるため、場面によってはかなり必死な高速回転が求められることも。独特な操作感ですが、迷路状のシューティングパートでは昔懐かしいアナログなドライブゲームを思い起こさせてくれました。

『スターウォーズ』ハンドルでX-WINGを操縦する没入感抜群の3Dシューティング

最後に『スターウォーズ』。個人的にはこれが最高でした。当記事の冒頭の画像のように、コクピット型の筐体でひときわ存在感を放っています。音声も派手で、テーマ曲が流れるだけでなくボイスもアリ。こちらもベクタースキャン方式のクールなサイバースペースなんですが、動画ではちょっと伝わらないかも。実際の筐体でみると、画面の光り方がキレイなので印象がかなり異なります。

参考:ベクタースキャン – Wikipedia

ゲームはX-WINGに乗って戦う3Dシューティング。TIEファイターとの空中戦、デススター表面での戦いを経てデススター内での戦闘、という流れになっています。敵の撃ってくる弾を撃ち落とせるので、優先して撃っていくと生き残れる感じ。難易度は3段階から選択できますが、Easyであってもカンタンなのは最初のうちくらいですね。でも「スターウォーズ」の激戦の空気はバリバリ楽しめます。

本作で特筆すべきはハンドル型コントローラーによる操作でしょう。飛行機の3Dシューティングといえば、操縦桿のようなデバイスが定番ですが、こちらはハンドルなのです。ハンドルを左右にきると照準が左右に移動し、手前に引いたり奥に倒したりすることで上下に移動、ハンドルの左右についているボタンとトリガーがX-WINGの4つの翼についた4つの砲門に対応しており、ビュンビュン撃ちまくれます。このコントローラーとコクピット型筐体による没入感がすばらしい。

古くとも知らないモノなら新しい

そんなわけで、レトロなATARI製のゲームを堪能させていただきました。アーケードゲームといえば、左にレバー、右にボタン、というスタイルが一般的になっているのですが、そういったスタイルが確立する以前は入力インターフェースも独自なモノが多く、操作感も独特なモノになっている印象です。とはいえ、右にボタン、左にトラックボール、というスタイルは現代のPCに近いので、案外すんなり遊べたりします。(マウス派ですけども)

古いゲームといっても、知らないゲームは自分にとって新鮮なモノですから、いろいろと刺激的な時間を過ごせました。ファミコンを知らない世代がファミコンのゲームに出会ったときの感覚ってこんな感じなんだろうか、と思うかつてのファミコン少年でした。今回ここで紹介したゲームは特に古いモノが多いのですが、90年代の比較的新しいゲームもあったので、ATARIの変遷を辿れるかもしれませんね。

ゲームセンター「KINACO」は毎日開いているわけではないので、TwitterやFacebookで開店スケジュールを確認した上で足を運んでみましょう。ベクタースキャンのキラキラした画面をみれば、かつてファミコン少年だったおじさんの死んでしまった目もキラキラに輝く…はず。

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