『風ノ旅ビト』は新しい感情を刺激するゲームだったとか

レビューの書きづらいゲームだと言われているのも納得の内容でしたのでご紹介。

『風ノ旅ビト』誕生秘話――人の感情を動かすゲームが生まれるまで【GDC2013】 – ファミ通.com

GDC2013で『風ノ旅ビト』開発者の講演があり、その内容が上記の記事で紹介されています。GDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)は開発者向けの会議で、内容ももちろん開発者向けなのですが、プレイヤー側で見ていても興味深いものが多くあります。これはその中でもかなり興味深かったので。

『風ノ旅ビト』は国内、海外問わず高く評価され、さまざまなアワードを総なめしたといってもいいほどの結果を残しています。実際にプレイしてみると、その結果も納得の内容なのですが、その内容をレビューして他人に伝えようとすると非常に難しいのです。

なぜレビューが難しいのかというと、他に例えられるゲームがないからです。「○○っぽい××」とか「△△と□□を足して割った感じ」とか、そういう表現がさっぱりできないんですよね。

それもそのはず。『風ノ旅ビト』では、いままでのゲームとはまったく違った方向性を目指して作られており、「新しい感情を引き起こせること」がコンセプトになっているからです。そしてコンセプトどおりの内容になっているからこそ、『風ノ旅ビト』によって刺激された新しい感情をどう表現したらいいのか、難しいわけです。

また、『風ノ旅ビト』は2人のオンライン協力プレイに対応しており、これが「アイスクライマー」や「マリオブラザーズ」のように、自然と対戦の流れになっていかないことも、ちゃんと意図されていたことがわかります。協力、といっても具体的に何かをしてやれるわけではないのですが、旅を終えたとき、一緒に遊んだプレイヤーに対してなんともいえない特別な感情がわいてくるのも事実。

プレイヤー間の衝突も排除。ふたりで協力して岩を上り、助け合うことで感情を深めるという目的でテストプレイを行ったところ、なんと相方に殺されてしまい、ジェノヴァ氏は人間というものにガッカリしたという。

人は争いから逃れられないのかもしれませんが、そうじゃない『風ノ旅ビト』がこれだけ賞賛されるわけですし、同じ方向性のタイトルが今後も出てくるかもしれません。現実世界で争えないからゲームの世界で争ってるのかもしれませんが、ゲームの世界での争いにも疲れたので、争わないゲームに需要が生まれている、とか。

ちなみに、ウチで書いたレビューは以下でどうぞ。何も言わずにとにかくやってみて、と言いたくなるゲームなので、未プレイの人はこの機会にぜひ。

【風ノ旅ビト】2012年のGOTYに選出されまくってるのでいまさらレビュー