【Strike Suits Zero】レビュー カッコイイ変形メカでミサイルサーカスするスペースフライトコンバット

以前見たときから気になっていたタイトルなのですが、PCを新調して動作環境を満たしたことと、Steamでちょうど安売りしていたことがうまく重なったので、遊んでみました。とにかくメカがカッコイイこととミサイルが気持ちいいことに尽きます。

Strike Suit Zero
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Steamにて、12月17日までセール中で75%オフの$4.99。DLCとかサントラもすべて75%オフなので、全部入りのBundleを$9.99で買うのがお得かも、とポチリ。まずは本編をクリアするまでプレイしてみました。

『Strike Suits Zero』は、飛行機型から人型に変形できるメカを操って戦うスペースフライトコンバットシューティング。海外産なのですがメカデザインは日本人です。具体的には「出雲重機」の人ですね。また、音楽もメインテーマのボーカルにKOKIA氏を起用しており、日本人的にも馴染みの深い内容になってます。

参考:【Strike Suit Zero】Kickstarter発のスペースコンバットシューターが配信開始

ゲームのウリとしては、とにかくカッコイイ!ということ。細部まで作りこまれたメカの動きと、マクロス的にマルチロックオンからマイクロミサイルをバラ撒く壮快感が合わさったバトルはクールそのもの。残念なのは、他のレビューでも散々いわれていたように、やや単調になってしまっていることでしょうか。

Strike Suits Zero

難易度はやや高めだが操縦に慣れて上達する楽しさも

『Strike Suits Zero』の難易度はやや高めに感じました。難易度を高めている要素の1つが操作の難しさ。最初は「エースコンバット」ライクなものを想像していたので、パッドを繋いでプレイし始めたのですが、さっぱり操作できず…。パッドに対応はしているものの、どうもそういうゲームではないようなのでマウス&キーボードに変更。そうすると自然と飲み込めるようになりました。こっちが正解のようです。

戦闘機形態のときは、敵機のケツを追いかけるフライトシューティング。このときは「エースコンバット」的なイメージで遊べます。機銃が強くて当てやすいし、マウスで照準なので、むしろこちらの方がカンタンかもしれません。とはいえ、変形できるシステムのある本作、戦闘機だけでどうにかなるようにはできていません。

Strike Suits Zero

人型形態は、戦闘機の状態で時間経過または敵を撃破して溜まるゲージを消費します。なので、いつでもどこでも使えるわけではありませんが、その分、強力なものになっています。具体的には、めちゃくちゃいっぱいロックオンできて、めちゃくちゃ速いミサイルを一斉に撃てます。人型形態時も敵を倒せばゲージは増加するので、一旦ゲージが溜まってしまえば無双状態になることもあり、このゲームの1番楽しい時間がやってきます。

火力だけではなく、敵も戦闘機や戦艦なので飛行機的な動きしかできない中、1人だけ上下左右に自由に動けるという反則ムーブなので、機動力の面で見ても強力。とはいえ、この2つの形態をうまく使い分け、どちらも上手に操作できるようになるまでは、ちょっと慣れが必要です。慣れてしまえば大量のミサイルでガンガン無双できて非常に壮快です。決して操作性が悪いわけではなく、慣れが必要なだけですから、ぜひ練習して慣れましょう。

Strike Suits Zero

レーダーを敢えて表示しないのは新たな挑戦か

本作の難易度を上げているもう1つの要因は、レーダー不在のUI。この手のゲームだと、レーダーはあって当然と思っていたのですが、本作には存在しません。敵機の方向を示すマーカー表示や距離表示、ミサイルアラートはあるものの、位置関係を示すものはないのです。

不便なことこの上ないのですが、ここには開発者の「画面を見てほしい」という意図があるように思えます。たとえば、「エースコンバット」では、慣れれば慣れるほど、プレイ中のほとんどをレーダーを眺めていた気がします。レーダーから目を離しても、ロックオンのマーカーなどのHUD表示ばかりを追ってしまいます。とはいえ、遠くの敵機は豆粒にしか見えず、どちらを向いているのかは視認できませんから、レーダーを見ざるを得ないのです。

そこで『Strike Suits Zero』では、敵機の後ろにバックファイアで派手に尾を引かせることにより、進行方向を視覚的にわかりやすく表現しているのです。こうすることで、レーダーがなくとも敵機の向いている方向がわかり、レーダーではなく画面に集中してもらえる、というわけです。実際に開発者がそう考えていたのかどうかはわかりませんが、ボクにはそう感じられました。

Strike Suits Zero

ちょっと困るのが、上下左右ならともかく、手前に向かってきているのか、奥に逃げているのかまではイマイチ判断できないこと。厳密に敵を後ろから撃たなければならないシステムではないため、それほど問題にはなりませんけど。

もっとも困るのは後ろから撃たれた場合。後ろに何かいるのはわかるのですが、何がいるのか、どれだけいるのか、距離はどのくらいなのかがさっぱりわからないので、結局適当にグルグル回ってみるしかありません。ここはやや不愉快に感じるところかもしれません。

単調さに課題が残るものの壮快感は本物

Strike Suits Zero

本編は13からなるミッションで構成されています。1つのミッションが20~30分くらいなので、なかなかのボリュームといえます。フライトシューティングなので、ひたすら敵を倒すことに終始するわけですが、それで20~30分という時間はどうしても長く感じてしまいます。単調にならないように、変則ミッションも混ぜてはいるのですが、これがかえって悪い方に作用してしまっているようにも感じました。

実は、変形メカをウリにしているのに、最初から変形メカに乗ることができません。最初は変形できない戦闘機なのです。具体的にはミッション3の後半に乗り換えることになります。待たされただけあって、メインテーマのBGMにあわせて出撃するStrike Suitsにテンションは上がりますが、でもやっぱりちょっと長いです。

Strike Suits Zero

変形メカに乗れるようになった後にも、戦闘機固定となる変則ミッションがいくつか待っています。単調にならないように変化をもたせているのはわかりますが、戦闘機固定のミッションはそれ自体が単調になりがちです。こういった変則ミッションでも20~30分というボリュームだったりするので、かえって逆効果になってしまっているのではないかと。

個人的にひどいと思ったのはミッション4。ミッション3の後半でようやっと登場したStrike Suitsでバリバリやるぜ!と思った途端、ロックオンミサイルが使えないというミッションで、せっかく手にした力をまったく使えないという寸止め状態。ストーリー的にはこの順番になるのかもしれませんが、ゲーム的にはかなりまずい構成になってしまっています。

結局、こういった構成のまずさへの不満が、後々『Strike Suits Infinity』を生むことになるのですが。『Infinity』ではストーリー部分をバッサリ切り落として変形メカによるバトルのみを楽しめるタイトル。今回Steamでは全部入りのパックを購入したので、今度はこの『Strike Suits Infinity』をやってみようと思います。

Strike Suits Zero

総評として、『Strike Suits Zero』は、メカのかっこよさと壮快感を全力で楽しむ分にはハイレベルで構築された最高のオモチャになりえるでしょう。ただし、やや慣れが必要な操作と、長く単調に感じるかもしれないストーリーという2枚の壁は、人によっては高い壁になるかもしれません。特に後者。といっても、メカ好きなら「カッコイイ!」だけで難なく乗り切れる程度の壁だと思っています。楽しく変形してミサイルサーカスしてあげましょう。

Strike Suit Zero
Steam で 75% オフ:Strike Suit Zero

▶ Strike Suit Zero Launch Trailer – YouTube