アケコンのおすすめを紹介 PS3やXbox360の格ゲー初心者向けに選び方を解説

PS3やXbox360など家庭用ゲーム機で格闘ゲームを遊ぶなら、やはり気になるのがアケコン(アーケードコントローラー、スティック)でしょう。ここではオススメのアケコンの紹介や選び方、選ぶ際のポイントを解説していきます。

ゲーセンの格ゲーが家でも遊べる!しかも快適なオンライン対戦まである!ということが当たり前のようになってきた昨今、おうちで格ゲーを遊ぶならアケコンの存在は非常に気になるところでしょう。PS3やXbox360で使えるアケコンは数多く販売されており、価格も質もピンからキリまで。今回は、そんなアケコンの選び方について、どんなモノがあるのか、どう選べばいいのか、などを解説していきます。

「解説とかいいからオススメを教えてくれ!」というお急ぎの方にはこちら『リアルアーケードPro.V3 SA』をオススメしておきましょう。通称『RAP』は定番中の定番であり鉄板。価格と質のバランスが最高で一品、迷ったらとりあえずコレ!というハイスタンダードなアケコンです。どこで聞いても大抵オススメされるのがこの『RAP』であり、信頼と実績の高さも抜群です。これを選んでおけばまず間違いはないといっていいでしょう。

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アケコンは高い買い物ですから、ちゃんと調べて自分で選びたい人も多いでしょう。いろいろ調べてまわるうちに、結局は上記の『RAP』に戻ってくるかもしれませんが、それでも自分で調べておくのは大事ですよね。というわけで、ここからはアケコンの選び方とか選ぶときのポイントなどを解説していきます。

そもそもなぜアケコンなのか?

アケコンの選び方を解説する前に、避けて通ることはできないこの疑問について考えてみましょう。格ゲーをやるのに、そもそもなぜアケコンを使うのでしょうか? アケコンでなくてはならない理由とは何でしょうか。アケコンを買うということは、その理由に対してお金を払うということですから、まずはこの疑問をクリアにするところからはじめましょう。

なぜアケコンなのか? 答えは「アーケード感覚で遊べるから」です。アケコン、つまりアーケードコントローラー・スティックはその名の通り、アーケード感覚、ゲーセン感覚で遊ぶためのデバイスなのです。ゲーセンでやり込んだゲームを、家でもそのままの感覚で遊びたい、という願いを叶えたのがアケコンです。

アケコンのメリットはゲーセン感覚で遊べること

ゲーセンの感覚を家に持ち込める、というメリットは、普段からゲーセンで遊ばない人にとってはあまりメリットに感じないかもしれません。家で練習してゲーセンデビューしたい!という場合ならともかく、ゲーセンとか行かないし…という場合ならアケコンを導入するメリットは薄いようにもみえます。もちろん、形から入ることでテンションを上げる効果は絶大なのですけれども。気分の問題はモチベーションにも繋がりますから大事っちゃ大事ですが、アケコンを使うメリットはゲーセン感覚で遊べることだけではありません。

格ゲーはほとんどがゲーセン出身なので、ゲーセンの筐体、つまりアケコンを基準に作られていることが多いです。「ストリートファイター4」シリーズのように6ボタンのゲームは言わずもがな、4ボタンのゲームでも同時押しやずらし押しを絡めたテクニックに低空ダッシュなど、アケコンの方がやりやすい部分も結構あります。レバーを回すような操作はパッドの方がラクだったりもしますが、大抵はアケコン基準になっています。なので、ゲームのプレイしやすさという意味でもアケコンを使うメリットがあるのです。

といっても、近年の格ゲーはPS3やXbox360など家庭用ゲーム機への移植も視野に入れて作られているため、パッド操作を考慮して設計されているゲームもあります。たとえば「P4U」ではパッドと同じ4ボタンで、ボタン同時押しが多いものの押しやすい配置になっていますね。すべてのゲームがそういう設計になっているわけではありませんが、パッドでも操作しやすいゲームもあるということです。

パッドがいいのか、アケコンがいいのか、という話については、結論をいうと「自分に合ったものでOK」です。世界最大規模の格ゲー大会EVO2014での「ウル4」覇者はPS1のパッドを「ずっと使っていて慣れているから」という理由で使用しており、実際に優勝しているのだからそれが何よりの証明でしょう。

EVO2014 『ウル4』覇者の武器はPS1パッド

勘違いしてはいけない点として、アケコンを使ったからといって突然強くなったりはしない、ということです。高級なアケコンを手に入れたからといって、いきなりスーパーサイヤ人になれるわけでもなく、できなかったコンボができるようになったりはしません。どちらかといえば、慣れない操作に戸惑って弱くなってしまうことがほとんどでしょう。自分を突如パワーアップさせてくれるアイテムではないと釘を刺しておきます。もちろん、慣れればパッドの自分よりも強くなれる可能性はあります。

そんなわけで、アケコンを使うメリットは「ゲーセン感覚で遊べる」「気分が高まる」「アケコンの方がやりやすい場合がある」といったあたり。あとはアケコンに慣れてゲーセンデビューといった感じで「ゲーセンで遊ぶという選択肢が生まれる」こともあるでしょう。いろいろありますが、形から入ることで気分が高まり、モチベーションアップに繋がることが大きいと思います。ジョギングシューズとジャージを買った方がランニングを継続しやすいような感じで。…えっ、3日坊主でホコリを被ってる?

ともかく、アケコンは「格ゲーをより楽しむためのアイテム」だと考えればOKでしょう。レバーをガチャガチャしながらボタンをぺちぺち叩いているときの「格ゲーやってる感」は何ものにも代えがたい感覚です。結局のところ、アケコンを使う理由はそれで十分な気がしますね。

アケコンの選び方のポイント

一言でアケコンといっても安いものから高いものまでさまざまな種類があります。どれを選べばいいのか、選ぶ際のポイントはどこか、といったところを解説していきます。

安物は避けよう

どんな買い物でもできるだけ安く抑えたいと考えるのは当然のことです。が、アケコンに関しては安物は避けた方が無難です。使い勝手や耐久性の問題から、安物買いの銭失いになるケースがあとを絶ちません。低価格帯のアケコンを買うくらいなら、もうちょっと足してワンランク上のものを選びましょう。

価格の基準になるのは、最初に紹介した『RAP』です。実売価格1万円前後となかなかのお値段ですが、これが1つの基準になっています。基準といっても『RAP』は十分すぎるほどの品質を誇っているので、これ以上の高価格帯の高級品についてはお好みになるでしょう。高価格帯は『RAP』では満足できない人やとにかく物欲に勝てない人が到達する境地なのです。

高価なもの程質もよく満足度も高いでしょうけど、アケコンが自分に合わなかった場合のリスクを考えると、いきなり高価格帯に挑むのも悩ましいところです。それでも行くというのなら止めはしませんが、最初は『RAP』と同じ1万円前後の価格帯から入るのがベターでしょう。

サイズと重さに注目

アケコンは結構デカイです。コンパクトなものもありますが、大きいものの方が安定性に優れるため、操作もしやすい傾向があります。といっても、デカければいい、というわけではありません。アケコンのサイズや重さは使い方やご家庭の収納事情などを考慮して検討したいところです。

まずサイズですが、幅はPS3やXbox360よりも長く、スティックがあるため意外と高さもあります。なので、収納場所はそのくらいのサイズを見越して準備しておきましょう。机の上に置いて使う場合も、そのくらいのスペースを確保する必要がある、ということですね。

意外と忘れがちなのが重さ。モノによりますがアケコンは大体2kg~3kgくらいです。1kg違えば体感でも結構な差がわかります。重ければ重いほど机に置いた場合の安定感が上がりますが、膝の上に置いて使う場合は長時間プレイしているとしんどくなります。ここはプレイスタイルによるので重い方がいいか、軽い方がいいかは好みの分かれるところです。

サイズや重さはメーカーが公式に発表しているので、買う前に目を通して比較しておきましょう。

ボタン配置に注目

ゲーセンと同じ感覚でプレイできるのがアケコンのメリットですが、ゲーセンの筐体にもいろいろあります。最近のゲーセンの主流となっているのはと「ストリートファイター4」シリーズやNESiCAなどのビュウリックス筐体と、セガ、バンダイナムコ製ゲームなどのノアール筐体の2種類です。

家庭用のアケコンのボタン配置もこのビュウリックス配置とノアール配置のどちらかに合わせてあることが多くなっています。なので、自分が普段遊んでいるゲームやその筐体と同じ配置のアケコンを探すといいでしょう。どちらが良い、悪い、といったことはないので、特にゲーセンへ行かない人にとってはあまり気にする必要はないでしょう。

静音モデルか否か

アケコンを家で使う際に問題になるのが音です。レバーはカチカチというスイッチ音があり、ボタンをパチパチと叩く音も思ったより響いてしまっているものです。家族や隣近所への迷惑にもなりかねないため、最近では音を抑えた静音モデルが登場しています。

アケコンの音がどのくらいうるさいのか、というと、レバーをいずれかの方向に入れるたびにマウスをクリックしたようなカチカチというスイッチ音がします。ボリュームはマウスよりももっと大きいです。たとえば、波動拳のコマンドを入力するだけで、下、斜め下、横、の3方向になるのでカチカチカチッと3回。真空波動コマンドを入力しようものならカチカチカチカチカチカチッと最低でも6回の音がなるわけです。うるさくないわけがない。

というわけで、音を抑えたスティックやボタンを装着した静音アケコンが登場したのです。レバーを入れた場合のスイッチ音がなく、ボタンを押したときの音もかなり抑えられています。ただし、スイッチ音がないために、アケコン独特のクリック感は損なわれています。設計上、音と感触はトレードオフであるため、こればかりは仕方のないことのようです。

従来のアケコンと静音モデルではやや感触が違うものの、慣れてしまえば問題なく動けるようになります。静音モデル独特の感触に馴染めるかどうかは個人の好みもあると思いますが、アケコンにおいて騒音の問題は避けては通れないため、これは結構重要なポイントだったりします。

入力遅延の問題

入力遅延とは、自分が操作をしてからゲームに反映されるまでのタイムラグのことです。電化製品である以上、遅延がゼロになることはありえませんが、アケコンによって遅延に差がある、という話はよく聞くところです。どうせならできるだけ遅延のないアケコンを使いたい、と考えるのが人情でしょう。

しかし、結論を言ってしまえば入力遅延についてはそこまで気にしなくてOKでしょう。さまざまな検証がなされていますが、プレイに支障が出るほどの差はない、というのが実際のところです。コンマ何秒の世界まで突き詰めていきたくなる気持ちもわからないではないですが、なんだかもうピュアオーディオのノリに片足を突っ込んでいるような印象すらあります。遅延を体感できるかどうかは個人差もありますが、実際の対戦に支障がでるかどうかといわれると…。

ちなみに、アケコンとは関係ありませんが、遅延の問題はコントローラーよりもモニター・ディスプレイの方がより顕著です。モニターは長く使うものですから、ゲーム向きなものでちょっといいやつを選ぶようにしましょう。

そんなわけで、アケコンの選び方のポイントはこんな感じ。あとアケコンを買うとき、箱が非常にデカイことが多いので、お店で直接買うなら車などの移動手段を確保しましょう。手で持って歩くとか自転車に積んで運ぶのは厳しいです。配送してもらうかAmazonなどの通販で買うといいでしょう。

おすすめなアケコンの紹介

では、ここからは具体的にアケコンを紹介していきましょう。ほとんどの製品にPS3用とXbox360用があります。

『リアルアーケードPro.V3 SA』

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冒頭でも紹介した定番中の定番『RAP』です。迷ったらとりあえずコレ、というくらい鉄板の名品。実売価格は1万円前後で、入門用からガチ勢までもっとも広く使われているアケコンです。これよりも高いアケコンはこの『RAP』に満足できなかった場合に考えていきましょう。

ボタン配置はビュウリックス配置。「スト4」シリーズの入っている筐体や「ブレイブルー」や「P4U」などのNESiCAの動いている台はこの配置です。アケコンのサイズは標準的ですが重量は2.2kgとやや軽めなので膝置きプレイヤーにも安心。本体の左右が少し出っ張っていて持ち運びやすい形状なのもポイント。

参考:HORI製のアーケードスティック リアルアーケードPro.V3 SA (RAP V3SA)レビュー

同じ「RAP」でノアール配置のモデルは『リアルアーケードPro.N3 SA』になります。「鉄拳」シリーズや「ガンダムEXVS」などの入っている筐体はこのボタン配置であることが多いです。

『Mad Catz アーケード ファイトスティック トーナメントエディション』

1万円前後の価格帯で『RAP』と並んでおすすめにあがってくるのがこの『ファイトスティックTE』。日本人のプロゲーマーを抱えていることで一気に知名度を上げたMad Catzですが、それだけではなく製品の品質もしっかりしていることが裏付けられているのでしょう。

こちらもボタン配置はビュウリックス配置。重さは2.9Kgと『RAP』よりやや重いため、机に置いたときの安定感など重さを求める人はこちらの方がよさげ。Mad Catz製品はスタートボタンとバックボタンが後側面に配置されているので、プレイ中に誤って押してしまうこともありません。

海外メーカーのMad Catzですが、日本支店があるらしく、日本語でのサポートに対応しています。ボク自身も1度サポートのお世話になったのですが、修理のための送り先も日本国内なので2,3日で帰ってきました。なので、サポートについては心配しなくてよさそうです。

『Mad Catz アーケード ファイトスティック バーサスシリーズ SH(静音)』

静音モデルの完成品といえばコレ『VSSH』。静音アケコンはまだまだ選択肢が少ないのですが、Mad Catz製ということで品質は十分。ただし、品薄のためかやや値段が張ってしまうのが難点かも。サイズは『RAP』よりもひとまわり大きめで重さもあります。

参考:Mad Catz製の静音スティック Arcade FightStick Versus Series SH (AFSVS SH)レビュー

この他の静音モデルとしては、『RAP』の静音版として『リアルアーケードPro.V4 隼』のリリースが予定されています。こちらはPS3とPS4の両方に対応しているという点でも注目。

『ワイヤレス リアルアーケードPro.V3 隼』

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こちらは『RAP』のワイヤレスモデルでBluetooth接続になっていますが、USBケーブルを使って接続することも可能。充電もPS3からUSB接続でできるため、乾電池などは不要です。無線で心配になるのが入力遅延の問題ですが、Amazonのレビューなどを見ていても遅延を感じている人はあまりいない様子。ワイヤレスのアケコンとしては現状これが唯一の選択肢といえるかも。

変換器について

アケコンはPS3用のものとXbox360用のものがそれぞれ販売されています。ゲームハードメーカーのライセンス的な問題で両対応のアケコンは販売されていません。ただし、非公式ながらハードを跨いで接続できる変換器は販売されています。ハードに合わせてアケコンを複数買うのは金銭的にも部屋の場所的にも問題なので、変換器を利用するのも1つの手です。

参考:PS3/Xbox360用マルチコントローラ変換アダプタ(クール・クラウン) レビュー

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PS3とXbox360間での変換器として使えるのはこれ。800~2,000円くらいで手に入ります。変換器を使うことによる入力遅延の問題はありませんが、変換器そのものの品質にやや問題があったりします。どうも個体差が激しく、当たりハズレがあるようで、ハズレを引いてしまった場合はうまく動作しないこともあるようです。

また、変換器の話ではありませんが、PS3のアケコンがPS4で使えるかどうかについて。これはゲームによる、ということのようです。PS3のアケコンをPS4に接続した場合、メニュー画面を操作することはできないがゲームを起動してしまえば、ゲームによってはPS3のアケコンで操作できるようです。メニューの操作ができないのでゲーム起動までがやや手間になりそうですが、自分のやりたいゲームで自分の所持しているアケコンが使えるかどうかは試してみる価値がありそうですね。

というわけで、アケコンのおすすめの紹介と選び方の解説でした。家庭用の格ゲーもますますラインナップが充実していくので、ちょっといいアケコンを用意しておいて快適な格ゲーライフを楽しみましょう。