基本無料スタイルで配信が開始された『Ace Combat Infinity』をさっそくプレイ中です。まずはキャンペーンモード用のチケットを購入して配信中のミッション5までクリア。それからオンラインの共同戦役モードもちょこっと遊んでみました。その感想とか。
5月20日より『Ace Combat Infinity』がPSNで配信開始されています。さっそくプレイしてみたので印象とか感想とかをつらつらと書いていきます。
本作は基本無料のF2Pスタイルになっています。課金要素については以下の記事でどうぞ。
【Ace Combat Infinity】基本無料のエースコンバットが本日より正式サービス開始 内容とか課金要素とか
課金要素についてざっと説明すると、ゲーム本体は無料。「燃料」を消費して出撃となっており、無料でもらえる「支給燃料」は3つまでストック、1つ回復に4時間。支給分がなくなったら1つ100円の「備蓄燃料」で出撃することになりますが、「備蓄燃料」はさまざまな条件を満たすことでも入手できます。シングルのキャンペーンモードでも燃料は消費される上、新たなミッションを解放するためにゲーム内資金「クレジット」が大量に必要ですが、2,000円の「キャンペーン無制限出撃チケット」を購入すれば遊び放題になります。
さて、今回はこの「キャンペーン無制限出撃チケット」を買ってキャンペーンを遊んでみました。ゲームのメインであるオンライン共同戦役モードも少しだけ。
シリーズファンならニヤリ連続のキャンペーン
現在遊べるキャンペーンのミッションは#5まで。「キャンペーン無制限出撃チケット」は今後配信される#8まで遊ぶことができるそうです。しかし、ストーリーは#5が終わった時点でプロローグが完了したくらいの進行具合なので、#8では完結しないでしょう。無制限チケットは2,000円のDLタイトルだと考えれば、なんて言っていましたが、そんなわけにはいかなくなりそうです。
ミッション8つで2,000円ということは、キャンペーンをすべて遊ぶためには結局フルプライスのパッケージソフト並みの金額を支払うことになるのかも…。とはいえ、クレジットを貯めてミッションを解放していけば無料で遊ぶこともできますし、今後ミッションが配信されるペースなども考慮してじっくり腰を据えて遊ぶなら、意外と無料でも遊べてしまうのかもしれません。わかりませんけど。
ちなみに、ミッション#5のクリアが条件のチャレンジ報酬が備蓄燃料20個なので、燃料を買うくらいならこっちを買った方がお得感はあるかも。
さて、お金の話はこの辺にして、キャンペーンモードの内容について。
もともとβテストでもミッション#2までは遊べていたので、今回はじめて触ったのは#3以降ですね。ミッション#1と#2はチュートリアルの延長のような内容なので、シリーズ経験者であれば軽くクリアできます。ゲームシステムも過去シリーズの「04」「5」「ZERO」に近いので、そのあたりの過去作経験者ならすんなり入っていけるでしょう。
「04」「5」「ZERO」の世界は共通の架空世界でしたが、「Infinity」では現実のif世界。隕石群が降り注いだ過去を持つ地球、という世界観になっています。隕石を撃ち落とすために巨大な砲台が建設されるなど、過去シリーズとそっくりな世界ですが、舞台のベースは我々の住んでいるこの世界です。
そっくりなのは世界観だけでなく、登場人物もそっくり。どこかで見たことのあるような人がどんどん出てきます。主要キャラクターだけでなく、通信に出てくる名前も聞いたことあるような名前ばかり。過去シリーズをやっている人ならニヤニヤが止まらないでしょう。
どこかで聞いたことある台詞なんかも。シリーズのファンなら思わずニヤリとしてしまうシーンが連続しますね。ゲームシステムだけでなく、世界観や演出なども過去作をなぞらえた感じで、いろいろと新しい道を模索していたエースコンバットが元の場所に戻ってきたような印象ですね。
しかし、過去作を真似ているだけではありません。ミッション#3からは、主人公の属する傭兵部隊と正規軍のエリート部隊による競争がはじまります。オンライン共同戦役モードのような内容がキャンペーンでも繰り広げられるわけです。これにより、すでに名のある正規軍のエリート部隊が褒めちぎられているのを横目に見ながら飛ぶという、今までとは違った流れになっているのです。
いままではプレイヤーをエースとして上手に褒めちぎってくれたエースコンバットですが、今回は別の誰かが褒めちぎられているのを横から見る立場になり、すごく悔しい思いをさせられます。もちろん、悔しい思いをさせられるだけでは終わりませんけども。一旦落としてから持ち上げるとか、褒め方に磨きがかかったというか、搦め手で褒めてくるようになったのです。上手に褒めるのも大変です。
似て異なる世界観を盛り上げる音楽は、過去作からそのままの曲とアレンジ曲が入り混じったものになっています。個人的にお気に入りなのがストーンヘンジのアレンジ曲。えっ、もうストーンヘンジとか攻略すんの?と思われるかもしれませんが、攻略しちゃうんですよ、ええ。
現在解放できるのはミッション#5までなので、サックリ終わってしまうボリュームなのですが、密度はなかなかものも。内容も対地に対空、防衛にボス戦など、バリエーションに富んでいるでかなり楽しめました。ストーリーも#5終了時でやっとプロローグ完って感じなので、今後の展開にも期待。
ちなみに、キャンペーンモードでもクレジットは稼げます。オンラインに比べると少ないですけど、マッチングを待つ時間などもないので、うまく活用すれば効率的に稼げたりするかも。ただし、機体の経験値は稼げません。ミッションに合わせたレンタル機体セットが用意されているので、素直にそっちを使うのがよさげ。あと、ミッション中に成績によって台詞が変化しそうなポイントがいくつかあったので、繰り返し遊ぶ場合は注目してみるのもいいかも。
COOPでスコアを競うオンライン共同戦役モード
撃墜数を稼いだヤツが正義、という世界観をそのまま体現したのが本作のコアである「オンライン共同戦役モード」です。最大8人まで参加可能で、2チームに分かれてスコアを競うというルールです。対戦ではなく共闘です。
個人個人が好き勝手にサーチ&デストロイをしていればいいわけですが、味方の近くを飛ぶことで互いにパワーアップできるリンクシステムがある、というのがミソですね。味方を意識するのは必須じゃないけど、意識した方がお得になる感じ。個人的には、エースコンバットのオンラインモードとしてはこれが正解のカタチなんじゃないかなと思ってます。
参加人数は8人と多いのですが、大量の敵が配置されているので獲物には困らない感じ。現状はほとんどの人が初期機体なので、どちらかというと火力不足感がありますね。緊急ミッションでボス戦に挑む機会もありましたが、さすがにこれは倒しきれません…。
オンラインで使用した機体には経験値が蓄積され、新たな機体が解放されていくシステムになっています。RPGのスキルツリーのように分岐しているので、好きな機体を目指して解放していく感じですね。ところでツリーの先にベルクトの姿が見当たらないのですが、どこへいってしまったんですかね…。
オンライン共同戦役モード自体は楽しいのですが、不便に感じているのがチャレンジ関連。出撃した回数とか、特定の武器で敵を倒すとか、条件を満たすことでご褒美がもらえる、という最近のマルチプレイゲームにはよくあるシステムですね。なのですが、これが非常に使い勝手が悪い。
何が不便って「Call of Duty」シリーズとか「Titanfall」などのFPSにあるような自動で開始され自動で報酬がもらえる方式にはなっていないことです。チャレンジはリストから選んで受注することで開始され、完了したらリストから選ばないと報酬が受け取れません。
たとえば、機体ツリーでF-16Cが作れるようになったのでさっとく作ると、チャレンジリストに「F-16Cを作れ」っていうお題が出ているのを見つけました。受注したら即報酬かな?と思って受けてみると、そんなことはなかったので一旦ハンガーへいってF-16Cの機体セットを編集してメニューに戻り、報酬をゲット。すると今度は「F-16Cで機体セットを編集しろ」ってチャレンジが出現しているわけです。あのね。
他にも、同時に進行できそうなチャレンジも複数あるのですが、同時に受注できる数に限りがあるので一気に進められない、というのも不便。なんというか、FPSのチャレンジというよりはソーシャルゲームっぽい作りなんですよね。ユーザーにとっては何のメリットもない仕様と制限なので、このあたりの作りはいかがなものかと。特に、他のゲームではもっと便利な状態になっていて、それがすでに当たり前になっているわけですから、余計にそう感じてしまいました。
もう1つ、気になる点は無料の支給燃料の回復速度ですね。1つの回復が4時間かかり、ストックは3つまで。オンラインのミッションは制限時間6分なので、無料だと1日30分も遊べないくらいですね。とはいえ、いまのところはチャレンジやミッションの報酬として備蓄燃料が入手しやすいので、かなり遊べる感じ。なので、心配なのは無料で入手できる備蓄燃料が尽きた後。
ここで問題にしたいのはお金の話ではありません。オンラインの人口です。オンラインがメインのゲームですから、なかなかマッチングしないような人口になってしまっては困ります。最終的には優良なユーザーだけが残っていくでしょうし、それ自体は何の問題もないし、むしろいいことだと思うのですが、マッチングに困らない程度の人数に留まってくれるかどうかがポイントですね。数十分も待たなければ開始されないようなゲームにお金を払うのはムズかしいでしょうし。
そうするとやはり無料で遊ぶ人たちも必要になってくると思うのです。しかし、12時間で3プレイ、30分も遊べないとなると、そのためにPS3の電源を入れてくれるかどうか不安です。とはいえ、すでに家庭用ゲーム機でF2Pタイトルをいくつもリリースしているメーカーなわけですから、いままでの経験からこれでいけると踏んでいるでしょうし、意外といけちゃうのかもしれませんね。こればっかりは運営側も「おれが聞きたいわ!」って話かもしれませんし。
そんなわけで『Ace Combat Infinity』、ややネガティブな話もしてしまいましたが、あの頃のエースコンバットが帰ってきた!って感じなので、シリーズのファンはぜひ触ってみましょう。