【Mercenary Kings】レビュー めちゃくちゃ動くドット絵の2Dアクションに”狩りゲー”要素を融合した長く遊べる1本

すべてのミッションをクリアしてエンディングを迎えてからもまだ遊んでいる『Mercenary Kings』をレビューしていきます。「メタルスラッグ」的なミリタリー2Dアクションと「モンスターハンター」的な素材集めと装備カスタマイズ要素が融合した本作は、やはり長く遊べる1本ではないかと。

Mercenary Kings
Steam:Mercenary Kings

メインのストーリーだけなら別に全部のミッションをクリアする必要はなかったのですが、せっかくなので全部クリアしました。いやー長かった。プレイ時間が27時間とかになってるし。

1stインプレッションでは、「メタスラ」と「モンハン」の融合したゲームであることを書いて、2ndインプレッションでは武器のカスタマイズを楽しんでいることを書きました。今回はクリア後ということで、総括的なやつを書きましょう。

【Mercenary Kings】1stインプレッション 「メタスラ」と「モンハン」が融合したような2Dアクション
【Mercenary Kings】2ndインプレッション 足りない素材よりも軽いハンドガンでスピードアップ あと犬かわいい

Mercenary Kings – Launch Trailer (Steam) – YouTube

2Dアクションと狩りゲー要素の融合

きめ細やかなドット絵で動きまくるグラフィック、そしてミリタリーな雰囲気とくれば、誰もが「メタルスラッグ」を彷彿とさせることでしょう。実際、「メタスラ」に対するリスペクトを感じる部分もかなり多いです。

MercenaryKings 全ミッションクリア
しかし『Mercenary Kings』は「メタスラ」のようなステージクリア型のアクションではありません。ミッションを受けて目標を達成していく”狩りゲー”スタイルになっています。

もう1つ”狩りゲー”っぽいのは、素材を集めて武器を作ってカスタマイズするところ。銃を構成するパーツの種類も数も多く、見た目も性能もさまざまで、カスタムの幅は結構あります。欲しい武器のためにミッションを周回する感じはまさに”狩りゲー”。

2Dアクションで狩りゲーをやるという、ありそうでなかったような試みですが、この2つの相性は意外とよかったんじゃないかと思います。繰り返し遊べる2Dアクションに、繰り返し遊ぶべき要素を追加したカタチなので、まったく違った要素を足したというより、延長線上にあった1つのスタイルなのかもしれません。

アクションはゆったりペースで長時間プレイ向き

ジャンプ&ショットの2Dアクションシューターですが、「メタルスラッグ」や「魂斗羅」のように、ワラワラと迫りくる大軍相手に撃ちまくるようなノリではありません。『Mercenary Kings』は1体1体倒していくような感じですね。

『Mercenary Kings』は「Gears of War」のようなアクティブリロードが採用されています。タイミングよくリロードを成功させれば攻撃力がアップ、失敗するとジャムってしばらく弾が撃てない、というアレです。


リロードの頻度やスピードは銃によってまちまちですが、リロード時間は確実に存在するので、敵が数で押してくるような調整にはしていない印象です。それよりも1体ずつキッチリ相手をしてもらおう、という感じでしょうか。

なので、アクションのペースは割とゆったりめ。ミッションによっては時間制限がキツイときもありますが、ほとんどの場合はじっくり攻略していけます。特にボス戦はガチガチのパターンゲーなので、急ぎようがないんですよね。

じゃあテンポが悪いの?と思われるかもしれませんが、ゲームに慣れてくれば、リロードしながら敵の合間を駆け抜ける、なんてこともできるようになってくるので、テンポの悪さは感じません。敵を倒したらリロード、リロードしたら次の敵、という一定のリズムが小気味よくなる瞬間はあります。アクティブリロードは決まるとキモチイイですしね。


「メタスラ」や「魂斗羅」をイメージしてしまった人がギャップを感じるポイントかもしれませんが、『Mercenary Kings』のゆったりしたノリもこれはこれで、といった感じ。”狩りゲー”的に周回することも考えると、あまり激しい攻撃が連続するよりも、このくらいにして抑えてある方が繰り返し遊んでいても疲れないですし、ちょうどいい調整なのかなと。

オンラインのCOOPにも対応しています。少し遊んでみましたがラグもなく快適に遊べます。知り合いでなくてもラジオチャットで最低限のコミュニケーションはできますし、単純に人数が火力になるので壮快。カッコイイ武器ができたら見せびらかしにいくのもいいでしょう。

見た目に反映される装備はやっぱり魅力的

『Mercenary Kings』には素材を集めて武器を作る「モンハン」的な狩りゲー要素があります。欲しい装備を目指して素材を集める、という狩りゲーのメインコンテンツ部分ですね。

武器のパーツは種類も数も非常に多くなっています。組み合わせの自由度も高く、好き勝手にゴテゴテとくっつけることもできます。とはいえ、むやみにパーツを増やしても重量が増して移動速度の低下を招いてしまうので、うまいこと組み立てる必要がありますね。


銃は攻撃力や属性だけでなく、弾の形状も散弾やミサイルなどいろいろあるので、武器によってプレイスタイルも変わってきます。ショットガンでゴリゴリ前に出るのか、ハンドガンで堅実に戦うのか、マシンガンでとにかく撃ちまくるのか。これだとクリアできない、というのはなさそうなので、自由度は高いといえるでしょう。

銃のカスタマイズで何がうれしいってちゃんと見た目に反映されることですね。パーツの1つ1つまでキッチリ反映されます。見た目に反映されるので「欲しい!」と思えるんですよね。欲求を刺激してくれるだけの魅力がないと狩りゲーは成立しませんから、その意味では『Mercenary Kings』はうまくいってると思います。

カスタマイズできるのは銃だけでなく、サブウェポンのナイフやスキル拡張に当たる人体改造、ステータスアップの料理など多岐に渡ります。当然、どのカスタムをやるにも素材が必要です。


これだけいろいろあると素材の調達が大変そうに思えるかもしれませんが、割かし自然と拾ってる感じでした。すべてのミッションを順番にやっていたこともあるでしょうけど、レアすぎて全然拾えない素材はなかったように思います。ボスのドロップなどもありますが、ミッションのクリア報酬でもらえたりするので、意外と困らない感じでした。

極レアを求めてひたすら周回プレイをやりたかった人には残念かもしれませんが、欲しい素材はミッションを1~3周くらいで集められる程度の現状の方が、個人的にはありがたいですし、モチベーションも維持できました。ちょっとがんばれば手が届くくらいのところに目標が設定されている方が気楽でいいです。

ボリューム十分だがエンドコンテンツ不在かも

ミッションの数は非常に多くなっています。5分もかからないものから30分近くかかるものまで、実にさまざまです。ただ、バリエーション豊かかといわれたら、そうでもない感じですね。同じようなマップに似たような目的、見たことあるような色違いの敵、という内容がいくつも続いている印象です。


マップはどれも広いのですが、あるミッションでは左から右へ、別のミッションでは右から左へ、といった風に変化をつけようとはしているものの、ミッションの数が多すぎるのでややダレてしまうのは拭えません。

これはおそらく早期アクセスで配信しつつ開発をしたことが理由なのかもしれません。未完成品であることがわかっているとはいえ、そのときそのときである程度の完成度が必要になるでしょうから、できた素材を使いまわしてボリュームを増やしてきた結果なのではないかと。

終盤に敵のボスが乗っていたメカを操縦できるミッションがあるのですが、本当は「メタスラ」的な乗り物要素も入れたかったのでしょうか。この乗り物は強すぎてミッション自体がほぼボーナスステージになっているあたり、自作の武器と乗り物の調整が難しかったのかもしれません。


もう1つ問題なのが、ボリュームはあるけどエンドコンテンツになる部分がないこと。最終ボスを倒した後を想定したようなミッションがないんですね。最終ボスのドロップを素材にした武器なんかもあるっちゃありますが、すぐに作れてしまいますし、その武器を使うためのミッションが用意されていないわけです。

素材を使って製作するものに、自室に飾るバナーとか置物などもあり、法外な素材数が設定されているので、これがエンドコンテンツ替わりなのかもしれませんが、装備のように自分で使うものではないので、イマイチ魅力に欠けるのが難点。そうなると後は実績を埋めるくらいですが、実績にご褒美は設定されていないので、これが魅力的に感じるかどうかはプレイヤー次第といったところですね。


とはいえ、アクションの部分の楽しさやオンラインCOOPの楽しさがあるので、別にご褒美なんてなくても遊べるのは間違いありません。特にオンラインは人がいる限り、いくらでも遊べるでしょう。といっても、やっぱり何か目的は欲しいですよね。今後アップデートで追加されていくとありがたいところです。

動かしているだけで楽しいドット絵アクション

いろいろ言ってきましたが、『Mercenary Kings』の最大の魅力はめちゃくちゃ動くドット絵です。「メタスラ」並に動きます。敵もプレイヤーキャラクターもキャンプ地にいるNPCもとにかく動きます。

これだけぐりぐり滑らかに動くキャラクターは操作しているだけでも楽しいものです。アクションのスピードがそこまで速くない分、じっくりと動きを鑑賞できるのもポイント高いですね。個人的なお気に入りはブルーベル博士。


音楽もすばらしい出来です。何度も同じようなミッションを繰り返すことになるので、音楽も長時間聞くことになるわけですが、それでも聞いていたくなるカッコイイ曲です。

なので、『Mercenary Kings』は見た目が気に入れば買いです。アクションとかミッションとか素材集めとか、多少気に食わない部分があったとしても、ドット絵のすばらしさがすべて洗い流してくれるでしょう。そんな細かいことよりも、もっときめの細かいドット絵に震えましょう。

『Mercenary Kings』はSteamで$19.99で配信中。海外ではPS4でも配信されているようですが、日本では未配信。ローカライズもされているのになぜ…。PS Vita向けに配信される予定もあるようですが、日本ではどうなんでしょう。日本人受けのよさそうなゲームだと思うんですけどねー、ソニーさん?

※2017/1/29追記
2017年1月26日、日本国内でもPS4にて配信されました。長かったなぁ…。

Steam:Mercenary Kings

モバイルバージョンを終了