【メタルギアソリッド5 ファントムペイン】1stインプレッション 隠れて敵兵を捕まえまくるオープンワールドな「メタルギア」

「メタルギア」シリーズ最新作、『メタルギアソリッド5 ファントムペイン』の1stインプレッションです。オープンワールドになった「メタルギア」がどんな感じなのかを書いていきます。ステルス潜入のドキドキ感に加えて、拡がった世界が没入感を与えてくれるので、本当に大きな時間泥棒になりそうな予感。すでに盗まれまくりですが。

1stインプレッションとはいうものの、すでに累計プレイ時間がすでに20時間近く経過しております。現在は十数のミッションをクリアして、2つ目のエリアに足を踏み入れたあたり。ゲームの要素はだいたい出てきてくれたかな?というあたりで、本作がどんな感じなのかを書いていきます。ストーリー的なネタバレはできる限り避ける方向で。

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オープンワールドになった「メタルギア」

『MGS5』の最大の特徴は、オープンワールドになった、というところでしょう。オープンワールドといえば、海外タイトルを中心に昨今のゴージャスなゲームの代表格といった印象ですが、国産タイトルでこれだけの規模を誇るものはまだまだめずらしく、貴重な1本といえるでしょう。そもそも、国産タイトルであっても世界に向かってアピールしていかなければならない時代ですから、ゲームに国境などなくなってきていると思いますけれども。(言語の壁はあるとはいえ)

ともあれ、本作はオープンワールドです。印象としては、「メタルギア」をオープンワールドゲームに落とし込んだというより、「メタルギア」を拡げてオープンワールドにした、といった感じ。いつも潜入している敵拠点の周囲にも世界が拡げられており、拠点が点在するフィールドになっています。フィールドはかなりの広さがあるものの、いわゆるファストトラベルに近いヘリでの移動が最初から使えるため、「走り回って世界の広さを体感する」ってことはあまりないかも。

メタルギアソリッド5 馬で世界を駆ける

ゲームの進行はミッション形式となっており、受注したミッションに応じて目標の敵拠点に潜入することに。メインのミッション中は行動範囲が制限されるものの、ボリュームはなかなかのもの。降下地点からいくつかの敵のキャンプを抜けて敵拠点にたどり着き、そこから潜入本番となるので、1つのミッションにつき1時間は当たり前。キッチリ進めようとすれば2時間を超えることだってめずらしくありません。

オープンワールドになったことで、潜入のルートや手段はかなり自由になりました。拠点周囲の壁や崖によってルートは制限されているとはいえ、正面から行くか裏に周り込むか、夜まで待つか砂嵐を待つか、などなど、さまざまな攻略法が用意されています。ステルスで潜入するのも強行突破するのも自由。持ち込む装備は出撃前に選択するのですが、ミッション中でも別の装備を投下して受け取ることもできるため、途中で作戦を変更する自由もあります。

装備以外に「バディ」と呼ばれる相棒ユニットを同行させられます。最初は馬しか選べませんが、ゲームが進行すれば選択肢が増えていきます。移動用の馬、索敵用の犬、戦闘支援のスナイパー、移動と戦闘を兼ねたウォーカーギアなど、プレイスタイルにあわせたバディを連れていけます。個人的なお気に入りは犬で、自動で敵をどんどんマーキングしてくれるだけでなく、暇さえあればモフらせてくれるかわいいヤツです。

おおまかな潜入の流れは、まず遠くから双眼鏡で敵と地形を確認。それからルートを考えて作戦開始、といった感じ。双眼鏡で確認した敵は赤いマーキングが付いて、以降は壁の向こう側にいても透けて見えるようになります。ソリトンレーダーのようなミニマップはありませんから、このマーキングが本当に重要になります。マーキングの漏れたところから発見されるケースがお決まりの失敗パターン。遠くから双眼鏡で状況をうかがってから作戦を考えて潜入…この流れが「潜入してる感」を高めてくれています。

怪しまれるけど発見されない綱渡り系ステルス

ステルス潜入でも強行突破でもOKな本作ですが、基本となるのはやはりステルス。敵地の真ん中でたった1人、身を隠しているドキドキ感は相変わらずです。今回は敵の反応がよくなっている上に、チェックポイントも多くはないため、より緊張感のあるステルスになっている印象です。

敵がこちらを発見するステップは2段階あり、最初は怪しい人影や物音に反応して確認しに来ます。さらにそこで見つかると戦闘態勢へ。(もちろん派手に動けば1発アウトですが) この最初の段階の反応が非常によくなっていて、かなり遠くからでもこちらの動きを察知してきます。しかし、確認する能力はそこまで高くはないため、じっと伏せていれば目の前にいても気づかれなかったりします。なので、「怪しまれるけど見つからない」状態が多く、かなりの緊張感を味わうことになります。


敵の反応がよいので、完全なステルスはかなり大変なのですが、反応がいいことを逆手にとって、おびき出す戦法が非常に有効です。わざと物音を立てて敵を誘導し、物陰から掴んで〆るのが常套手段。とはいえ、敵AIもバカではなく、2人1組で捜索にきたり、物音のした場所から少し離れた場所からライトで照らしたり、一筋縄ではいかなくなっています。こちらの行動によって敵も対策を講じてくるため(ライトを持ってきたりヘルメットを被ってきたり)、ワンパターンには攻略させてやらないぞ、という開発側の意図を感じますね。

また、同じ拠点やミッションであっても、敵の配置が毎回同じではありません。たとえば、ミッション失敗でリトライしたとき、さっきとは違った場所に敵が配置されていたり、敵の数が増減していたりします。巡回ルートなどは概ね同じなのですが、複数の敵が絡むと同じ状況にはまずならないので、臨機応変な対応が求められるわけです。これも緊張感を高めている一因でしょう。他にも天候や昼夜の変化など、さまざまな要因が絡むため、その都度、対応を考えなくてはなりません。

敵に怪しまれまくりながら、ジリジリと匍匐で進めていると、「あーもうめんどくせえ!」と、ついつい引き金が軽くなってしまいそうになりますが、ステルスで進むことにもちゃんと恩恵があります。単にゲームでの評価が上がるだけでなく、プレイヤーにちゃんとメリットがあるシステムにもなっています。

ビッグボスの兵隊これくしょん

本作には、敵兵を捕えてプレイヤーの拠点「マザーベース」へ送り、自分の軍隊を組織していくシステムがあります。兵士たちは戦闘や開発など、それぞれの能力に応じて部署へ配属され、自軍のために働いてもらうことになります。能力のある兵士で構成していけば、部隊はレベルアップしていき、プレイヤーにさまざまな恩恵を与えてくれるようになります。

たとえば、研究開発班のレベルが上がれば、武器や装備の開発ができるようになります。装備品が増えれば、当然ミッションでの選択肢も増えていくため、大きな追い風になります。他にも、諜報班のレベルが上がれば、付近にいる敵の予測位置をマップに反映してくれるため、ミッションを優位に進めることができます。他にも、戦闘班を傭兵として出稼ぎに派遣したり、敵兵の装備品の供給元を潰させて弱体化させたり、なんてことも。

要するに、マザーベース関連のシステムはプレイヤーを強化していくシステムとなっています。強化のために、敵を倒して経験値を得るのではなく、敵を捕らえることが必要なため、ステルスが重要になってくる、というワケ。最初のうちは手当たり次第に兵士を捕えていけばどんどん強化されていきますが、だんだんと優秀な兵士が欲しくなってくるので、能力のある敵を求めて西へ東へ、オープンな世界を駆け回ることに。

優秀な兵士や開発資材のためには、サイドOPSも無視できません。サイドOPSはメインミッションほど時間はかからないし、行動範囲も制限されていないので、メインに比べて幾分、気楽に挑むことができます。サイドOPS以外にも、フィールドに存在する薬草を摘んだり動物を捕まえたりと、やれることはそこらじゅうにあるので、膨大なボリュームを感じずにはいられません。これもオープンワールドならでは、ですね。

気になる点もあるけど、世界の深みに沈みたい

今のところ、気になる点としては、操作が煩雑なところとカメラアングルが一部で見づらいところくらいでしょうか。操作に関しては、使うボタンが多いだけでなく、デフォルト設定ではグローバルスタンダードに準拠していないことが理由です。他にも、ダッシュはスティック押し込みなのに、馬だとボタンで走るなど、一貫性のない部分も。なるべくメニュー画面などを経由させたくないレイアウトなのはわかりますが、装備の切替などはかなりやりづらい印象。

後者のカメラアングルについては、やや狭い場所で人を担いだ場合、キャラクターの背中がやたらとアップになってしまい、前が見えなくなってしまう現象があります。ただでさえ担いだ人の分だけ視界が遮られるのに、どうしてこんなにカメラが寄ってしまうのか。他の場面では問題ないだけに、どうしてここだけはこんなアングルなのかと疑問。とはいえ、どちらも細かい点なので、ゲームを楽しむ上で大きな影響はありません。

あとは発売日からオンラインサーバーが息をしていませんが、どのみちストーリーを終えるまではシングルで遊びたいので、今のところあまり気にしていません。

そんなわけで、『メタルギアソリッド5 ファントムペイン』は拡がった世界で「潜入してる感」を楽しみつつ、敵兵を捕まえるためにステルスでドキドキしているゲームとなっています。オープンワールドなゲームとして、時間を忘れてどっぷり世界に浸らせてくれるボリュームを予感させる内容なので、クリアを焦らず遊んでいきたい所存。

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