UBIソフトのトム・クランシーシリーズ最新作『The Division』のクローズドβテストが開始されたので、さっそく参加してきました。一見するとTPSだけど実はRPGなオープンワールド系タイトルで、敵と味方の区別があいまいなオンラインが独特のゲームとなっています。
疫病で蔓延で崩壊した現代のニューヨークを舞台に、自警団の1人として治安を取り戻すための戦いに赴く…というのが『The Division』の世界観。オープンワールドゲームのようにマンハッタンを歩けるとはいえ、ブラックフライデーに崩壊した大都市は、休日の明るさが一転してドン底に突き落とされたかのような、なんとも悲しいコントラストがあります。とはいえ、ゲームだからこそ、こういう舞台にワクワクできるというもの。この大災害を前にハッスルしてしまった人たちと戦うのが『The Division』です。
クローズドβテストの参加資格は製品版の予約購入者であること。詳細は公式サイトを読みましょう。今回ボクがプレイしたのはXbox One版で、PS4版よりも1日早くテストが開始されています。
http://www.ubisoft.co.jp/division/
今回のクローズドβテストでプレイできるのは、ゲーム序盤部分からオンライン要素の解放まで。崩壊したニューヨークに送り込まれたプレイヤーは、暴徒化した人々と戦いながら組織の拠点となる場所へたどり着き、そこから数々のミッションをやったり、オンライン要素である「ダークゾーン」へ行ったりすることになります。スキルや行動範囲など、いろいろと制限もありますが、ゲームの雰囲気を掴むには十分でしょう。残念ながら、製品版での引き継ぎはないとのこと。といっても、開始時のキャラクターエディットがかなり制限されているようなので、このまま引き継がれても困りますけども。
TPSで戦うオープンワールドなRPG
本作の基本はTPSで、射撃もアクションもこれといった特徴もなく普通の印象。ワンボタンのカバーアクションがあり、カバーを前提とした撃ち合いになるタイプです。良くも悪くもスタンダードなTPSで大きなクセもなく、この手のジャンルの経験者であればすんなり入っていけるでしょう。
普通といっても、UBIソフトお家芸の超CoolなUIにテンション上がります。『Watch_Dogs』もそうでしたが、ハイテクを感じられるスタイリッシュなUIは個人的に大好物。いいですよね、空間投影モニター。あと、そこらのTPSと違う点は、敵の体力が高くてなかなか死んでくれないところですが、本作はRPGですからね。
RPGの部分は、敵を倒せば経験値が得られてレベルアップしたり、武器や装備を整えてパワーアップしたり、といった要素になります。経験値は敵を倒すだけでなく、街中で出会うさまざまなイベントや、ミッションの報酬としても得られます。このへんはオープンワールドゲームな感じですね。あとは、物資を集めて拠点を改築していく要素なんかもあります。
武器はパーツを組み合わせて強化できます。強化パーツとなるサプレッサーやリフレックスサイトなどは敵がドロップして、拾ったその場でカスタムが可能。装備品には取得経験値アップとかダメージアップとかが付与されているものもあり、どうやらハクスラ的なトレジャーハントが本作のお楽しみ要素になっているようです。
敵味方の区別なく物資を奪い合うダークゾーン
このハクスラ的トレハン要素の中心が本作のオンライン要素「ダークゾーン」です。ダークゾーンとはマップ上に存在する隔離されたエリアで、どの派閥にも属さない人々が物資を奪い合う無法地帯となっており、中に入ればオンラインモードに接続される感じです。ダークゾーン内部では、オンラインのプレイヤーと共に行動したり、敵対して撃ち合ったり、まさに無法な世紀末体験が待っています。
ダークゾーン内は、通常エリアと同じく暴徒化した敵NPCが徘徊しているのですが、ちょっと強めでそのぶんドロップもいいものになっているので、彼らを懲らしめてアイテムを頂戴するのが主な目的となります。倒せば倒すほど敵のレベルが上がっていくので、ガンガン倒してよりよいアイテムを目指すのがよさそう。 他のプレイヤーもいるのだから協力して倒せばおいしくガッポリ!と思っていたら大間違い。他のプレイヤーは味方であると同時に敵でもあるのです。
ダークゾーンで得たアイテムやお金は、ダークゾーン内で殺されると奪われてしまいます。なので、アイテムを抱えてウハウハしているプレイヤーは、他のプレイヤーから標的となってしまうのです。といっても、他のプレイヤーを攻撃すると「ローグ化」して赤いマーカーがつくので、袋叩きにされるリスクもあります。(ローグ化したプレイヤーを攻撃してもローグ化しない模様) 要するに、無闇に他のプレイヤーを攻撃する必要はないけれど、撃たれる可能性は常にある、というわけです。
この敵味方の区別のない状態が本作のもっとも特徴的なところでしょう。さっきまで一緒に戦ってくれていたプレイヤーが、アイテムを拾った瞬間に牙を剥いてくるかもしれない。徒党を組んで略奪を働く奴らだっているかもしれない。そんな誰も信用できない世界、まさに崩壊直後のカオスな世界が再現されているのがダークゾーンなのです。
となると、敵を倒してアイテムをゲットするだけでなく、いかに無事に持ち帰るかがカギとなります。ヘリポートでヘリを呼んで物資を回収してもらうこともできるのですが、ヘリポートでヘリを呼んで回収してもらうしかないのですが、ヘリを呼ぶということはそこに物資を持っているヤツがいることは明白なわけで、大勢が一箇所に集まって争奪戦が開始されたりします。なんといいますか、欲望にまみれた人間の醜悪な一面を見せつけられているようで、ちょっと複雑な気分にさせられます。極限状況におかれた人間を体験させる、という意味では、非常にうまくいっているのではないでしょうか。
ともあれ、このオンライン要素が本作のコアとなりそうです。さすがにまだなんとも言えませんが、世界観とマッチした内容なのは間違いないので、うまくハマれば傑作となれそう。しかし、前述のとおりRPGとして体力が高めに設定されているので、銃撃戦において人数差を覆すのが厳しく、ソロプレイヤーには寒波を超えた氷河期となるかもしれません。一匹狼としてアイテムをかっさらって命からがら逃げ延びるプレイは、はたして可能なのでしょうか。
※2016/1/30追記
本作のオンライン要素について補足してきます。上述のダークゾーンだけでなく、通常のミッションやオープンワールドの散歩パートもオンラインで他のプレイヤーと一緒に遊ぶことができます。ミッションはストーリー上のソロでやるものと同じですが、難易度を選択して何度でも周回できます。難易度が高いほど経験値やドロップアイテムはおいしくなるので、高難易度をガンガン周回するマラソンCOOPプレイもメインの1つとなるでしょう。
ここホンマにマンハッタン?
本作をプレイしていて気になったのがNPCの音声です。音声もすべて吹き替えで日本語化されているので、そこらへんから聞こえてくる何気ない会話も日本語なのですが、なぜか関西弁が混じってるんですよ。それも結構な数。最初はダークゾーンで「うそやろ」なんて聞こえてきたものだから、誰かのボイスチャットかな?と思ったのですが、そうではなく、ゲーム内のNPCのセリフでした。
崩壊後の寒々としたマンハッタンで撃ち合いをしている暴徒から「コソコソ隠れとんで!」「さっさと終わらせたる!」などと聞こえてきたりするものだから、気になって仕方がない。別にガラの悪い言葉遣いというわけでもなく、自分の拠点でも「せやからゆうたやろ」「世界の終わりやっちゅうときになぁ」などと聞こえてくるものだから、武器のカスタムどころではない。ボク自身、関西人なのですが、こんな異国の地の非日常な状況下で関西弁が聞こえてくると困惑しかありません…。正直、世界観にも合ってないと思うのですが、いったん耳にしてしまうと本作に強烈な個性を与えてしまって、もう関西の印象しかないで。
おかしいなぁ、ここマンハッタンのはずなんやけど。ニューヨークってめっちゃ遠くてクイズで決勝までいかなたどり着けへん場所やったんとちゃうん? 実は意外と近所やったり?
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