【Enter the Gungeon】1stインプレッション ローグライク全方位シューティングの円熟を感じる仕上がりに死にまくり中

『Enter the Gungeon』、はじめました。ローグライクと全方位シューティングの相性の良さは『The Binding of Isaac』や『Nuclear Throne』などで証明済みですが、本作はそこに「弾幕」を取り入れ、よりエキサイティングなゲームに仕上げられている印象です。確立されたジャンルにおいてこの完成度は、もはや円熟期に入ったといえるのかもしれません。

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『Enter the Gungeon』はこんなゲームです

本作はローグライクと全方位シューティングを組み合わせたゲームです。簡単に言うと、見下ろし型で360度すべての方向から襲ってくる敵を撃ちながら、自動生成されるランダムなダンジョンの中でランダムなアイテムを拾ってランダムなパワーアップをしながら最深部を目指す、という内容です。ランダムであるが故に一瞬で殺されることもあれば、思いがけないスーパーパワーアップを果たすこともあり、毎回違ったプレイに一喜一憂するのが魅力でありましょう。

enter the gungeon 宝箱からAKが

『Enter the Gungeon』独自の特徴は、激しい「弾幕」です。このジャンルのゲームは大抵ムズかしいものですが、本作はその難易度を「弾幕」という目に見えるカタチで表現しているので、納得のムズかしさとなっております。いわゆる弾幕シューティングゲームのように食らい判定がやたらと小さかったりはしませんが、無敵の前転回避や画面上の弾を消せるボム的なモノがあり、気合のみに依存した弾避けを要求してこないところは有情……と思いきや、「前転あるからいいよね」とばかり、遠慮のない弾幕が展開されるため、やっぱりとってもムズかしいです。

enter the gungeon ドッヂロールによる回避

前転とボム以外にも、弾避けの手段として、机を立てて盾にする、というシステムがあります。どこかの映画や漫画でみたことがあるようなシチュエーション。机には耐久値があるのでそのうち壊れてしまうものの、立てた状態で押すこともできるので、使い道はいろいろあります。この手のゲームで部屋の地形を利用するのは常套手段ですが、能動的に地形を利用できるのはちょっと新しいかも。

enter the gungeon きみらの弾はこのつくえでふせぐぞ

「過去を撃ち抜ける銃」を求めて「ガンジョン」に挑む、というコミカルなストーリーとかわいらしいドット絵キャラクター、そしてフランクに翻訳されたテキストに親切なチュートリアルまで完備されているので、ちょっと触った感じではフレンドリーな印象しかありません。しかし、ガンジョンに一歩足を踏み入れたら迷いなく殺しにきます。いきなり死地に送られる『Nuclear Throne』のような突き放した印象こそないものの、やっぱり殺しにきているのは同じ。派手な弾幕がある分、こちらの方が殺意は感じやすいかもしれません。

enter the gungeon 展開される弾幕

とはいえ、このジャンルはムズかしいからこその楽しさ、おもしろさがあります。ゲームオーバーになっても即リトライしたくなる魅力、というか魔力のようなものがあるのです。本作にはプレイ毎に累積される要素もあるので、モチベーションも維持しやすい……というか、むしろどんどん上がっていってしまう感じ。探索中に助けたNPCがエントランスに配置され、さまざまな手段でプレイヤーを支援してくれるので、繰り返しプレイしていればクリアに近づけるようですし。でもクリアできる気がしない…ムズい…。

ジャンルの円熟を感じる洗練された遊びやすさ

さて、冒頭で書いたジャンルの円熟を感じる部分とは、洗練されたシステムにあります。たとえば、本作には敵を全滅させた部屋にはテレポート用のポータルが設置され、後はワープで戻ってこれるようになる、というシステムがあります。ボス部屋を見つけたけどまだ探索していない部屋がある場合とか、ボスを倒した後に一旦ショップに戻りたい場合とか、カギを拾った後にカギのかかった宝箱に戻りたいときとか、非常に便利。すでに通った部屋を何度も歩き回る必要がなく、ゲームのテンポがよくなってるわけです。

enter the gungeon 便利なテレポートシステム

エイムの操作感も良好。パッド操作のデフォルトだと照準のマーカーは表示されないものの、それでまったく困らないくらいにはエイムアシストが機能している感じです。問題は海外ゲームらしくAボタンとBボタンの決定とキャンセルが逆なことや、デフォルトだと射撃がトリガーではなくバンパーに割り当てられていることくらいでしょうか。ともあれ、狙って撃つアクションにストレスがないのは本当に快適。

他にも、ゲームオーバー画面からの即リトライはもちろんのこと、ゲーム起動後のロゴ画面でボタンを押せばキャラクターセレクトさえすっ飛ばして前回プレイしたキャラクターでゲームを開始できるなど、遊びやすくするための配慮が細かく施されている印象。何度も繰り返しプレイするタイプのゲームだからこそ、こういった細かい積み重ねが効いてくるんですよね。開発者さんはとてもよくわかってらっしゃるようです。

enter the gungeon リザルト画面

おいでませ、ガンジョン

『Nuclear Throne』と比較すると1フロアが広く、プレイ時間の長くなっているため、序盤であっけなく死んだと思っていても意外と時間が経過している本作。リトライのしやすさもあってなかなかの時間泥棒っぷりを発揮中。ボクはまだ4フロア目に到達するのがやっとのところなのですが、ゲームに慣れてきた感もあってぐんぐん楽しくなってきてます。使用キャラはハンター。最初からアーマーを持っているソルジャーがいいのかなと思いつつ、ハンターの連れている犬がかわいかったので。ちなみにこの犬、ここ掘れわんわんとお宝を見つけてくれるだけでまったく戦ってくれません。かわいい。

enter the gungeon 美しいグラフィック

ダンジョン内で手に入る銃火器もリアルなものからどこかで見たことのあるようなパロディまで、見た目も使い勝手も愉快なモノが多くなっています。AK-47のような定番からイカした水鉄砲までなんでもござれ。ボクのお気に入りは「ロックハンド」なるロックバスター的なアレ。溜め撃ち機能も付いていて普通に強いため、「Yeeeeaaahhh! Megamaaaan!!」と大興奮すること間違いなしであります。

enter the gungeon どうみてもロックバスター

そんなわけで『Enter the Gungeon』、ちょっとは上手くなってきたかな?と思っていたら1フロア目で即死することもありますが、ともかく楽しくプレイしております。このジャンルが好きな人には間違いなくオススメできるし、歯応えあるゲームを求める人にもぜひ挑戦していただきたい次第。かわいらしいドット絵に惹かれて足を踏み入れるとあっという間に消し炭になるかもしれませんが、それはそれで。今日は弾が騒がしいな…と思ったら、行こう、過去の過ちを消し去りに。