『P5』ですよ!『ペルソナ5』!! ファミコン時代からの「メガテン」シリーズ好きであり、好きなゲームが大体アトラス製のボクにとっては待ちに待った『P5』がやっと発売されました。だって前作『P4』から8年ですよ。PS2時代ですからね、アレ。続編となる『P5』はPS3を飛び越えてPS4にやってきたわけですが、待たされただけあって予想以上にゴージャスなパワーアップを遂げておりました。
公式からストーリーのネタバレは厳禁とお達しがあるので、ストーリーのネタバレはもちろん避ける方向で。別に公式から直々に言われなくても書くつもりはありませんけども。「どこまでがネタバレなのか?」という点はなかなかムズかしい問題ですが、ここでは「公式サイトに書かれている程度の内容はネタバレとはしない」くらいの線引きでいきます。公式サイトで公開されているような情報ですらネタバレだと思うような人なら、わざわざ個人ブログなんて見に来ませんよね?
http://persona5.jp/
これを書いている現在、ボクの進行状況はゲーム内で2ヶ月弱といったところ。まだまだ序盤といった印象ですが、それでもプレイ時間は軽く10時間を超えてます。なんだこのボリュームは。ゲームの基本システムはだいたい出尽くしたあたりかな?と思うのですが、公式サイトを見返すとまだ登場してないシステムもある…。『P5』のテーマの1つが「反逆」だったような気がするのですが、このご時世にこのボリュームをぶつけてくるあたりがすでに「反逆」なのかもしれない。いいぞもっとやれ。
東京は人も多けりゃやることも多い
ゲームの基本システムは前々作『P3』と前作『P4』から継承されています。学生生活を送りつつ、期限までにミッションをクリアしていこう、という流れですね。期間中、己の能力を磨き上げたりダンジョンの探索を進めたり周囲の人々と仲良くなったり。シリーズをやっている人にはお馴染みのヤツで、アドベンチャーとRPGのハイブリッドなゲームとなっています。ただ、今回はすべてにおいてやることが増えているため非常に目まぐるしく「まったく時間が足りねえ!」と悲鳴を上げることに。
『P5』の舞台となるのは東京。『P3』では都会、『P4』では田舎で、どちらも架空の場所でしたが、今回は東京です。といっても、三軒茶屋ではなく”四軒茶屋”、青山ではなく”蒼山”だったりするので、架空といえば架空。とはいえ、東京っぽい街並みが再現されているわけです。特に目を見張るのが雑踏の表現。そこらじゅうを歩いている顔のないモブたち、まるで2Dの背景絵のようですがちゃんと3Dで動いてます。しかも種類も豊富。めちゃ手間がかかってそうです、これ。こんなにたくさんの人々が歩き回っていると邪魔になりそうに思うかもしれませんが、モブたちには当たり判定がなくすり抜けられるので問題なかったりします。世界観を描写するために快適さを犠牲にすることもない、ナイスな判断かと。
学生ライフパートでは、前作に比べてやれることが増えており、行ける場所も多くなっているのですが、大抵の場所にショートカットできるので非常に快適。とはいえ、街並みが作り込まれているのでうろうろ歩き回るのも楽しい。ともあれ、あれもしたい!これもしたい!でまったく時間が足りなくなるわけですが、主人公のパラメータを要求するイベントをみるに、今回も2周必須になりそうな予感。差し当たり必要になったパラメータから育てていると、器用で知識と度胸があるけど優しさの足りない男になりつつあるのですが…これ悪いヤツでは?
怪盗たるもの、背後から忍び寄るべし
怪盗パートでは、主人公たちが心の怪盗となってダンジョンを探索することになります。期限までにクリアしないとゲームオーバーとなるのも変わらず。前作からの大きな変更点としては、ステルス要素が導入されたことです。これまでもシンボルエンカウント方式で敵の背中から斬りかかれば先制攻撃となっていましたが、今回はそこに隠れて忍び寄るアクションが追加された感じです。ステルスアクション自体は緩めなのでそんなに気を張る必要はないですが、失敗した場合のリスクは割とデカイので慎重さが求められています。
曲がり角や物陰に隠れるカバーアクションがあり、カバー地点から別のカバー地点までは瞬間移動のように高速移動が可能。カバー中に敵が射程内に入ればワンボタンで奇襲できるため、操作自体はカンタン。カッコイイんですが、カメラがギュンギュン動くのでやりすぎるとワケがわからなるのでやりすぎ注意。特に3D酔いをする人にはキツイかも。
バトルはついにプレスターン制ではなくなりました。といっても、速いヤツから1人ずつ行動していくので感覚的にはあまり変わっていません。弱点を突いたりクリティカルを出したりすればもう1回行動できるところも変わりません。とはいえ、ミスや無効で即相手のターン、というわけではなくなったので気持ち楽になったかも。しかし、敵に不意打ちを食らってしまった場合も同じなので、敵のターンが1周するまで終わらないため、まるで「真3」のような即死ピンチに。そういう意味でもステルス要素が重要な位置づけになっているといえます。
今回は敵との交渉が復活しました。敵が悪魔の姿になっていますが、あくまでシャドウ。交渉をするためには敵全員のダウンをとらなくてはなりません。全員をダウンさせれば総攻撃か交渉かが選択できます。交渉次第ではお金やアイテムをもらえたり、ペルソナをゲットできたりします。ただ、今回は総攻撃が壮快で気持ちいいので、ついつい総攻撃してしまいがち。ちなみに、今回はザコシャドウにも音声がついていてしゃべりまくります。なのでバトルは賑やか。
探索する「パレス」と呼ばれるダンジョンは『P4』のイメージに近いものですが、これとは別にもう1つ「メメントス」と呼ばれるランダムダンジョンが存在しています。これはメインのストーリーとは別にミッションをこなしたり探索や育成のための場所となっています。こちらは毎回マップが変化するので『P3』のタルタロスのようなイメージ。つまり、『P5』はある意味『P3』と『P4』のハイブリッドでもあるわけです。
パレスでもメメントスでもセーブポイントとなるセーフルームがあり、ショートカットとしても利用できるようになっています。昨日の続きから探索するのが容易になったわけです。が、そのぶんダンジョンの長さはかなりのボリュームになっており、最初のパレスから相当の時間を取られました。Take Your Timeってそういう…。といってもこれは前作からの経験上、ダンジョンを短期間で攻略した方がスケジュール的に優位だとわかっているから無理に進めた結果でもあるわけですけど。
ヤツはとんでもないものを盗んでいきました
ボリュームという意味では、自由に行動ができるようになるまで何時間かかったっけ?というくらい凄まじい状態になっているわけですが、その間まったく退屈しなかったことも凄まじい。自由に行動できるようになってからは、退屈どころか隙間がなさすぎてカツカツのスケジュールにメインストーリーのイベントが挟まれて「ちょっと待って!」と言いたくなるほど。セーブポイントは豊富だし、PS4なんだからスリープ機能だってあるはずなんですけど、気づけば止め時を失って朝日を拝む始末。
「ペルソナ」シリーズといえば、現代社会をテーマに盛り込むためリアリティの演出が巧妙であることが通例ですが、今回は現実と架空の境界線を溶かすような導入部分で心を鷲掴みにされました。「もうそこから物語が始まってるんだ…!」と。あの導入に限らず、パッと見はメニュー画面には思えないオシャレなUIやバトル後のリザルト画面など、「ゲームにおける当たり前」を徹底的に疑って作り上げられたのだなと感じられます。だからこそ、どこを切り取っても「すげえ」になるわけで、止め時を失うわけでもあるのでしょう。ああ、心を盗むってそういう…。
全然関係ないですけど、武見先生いいですよね。