【Forza Horizon 5】レビュー

なんとなくレースゲームをしたくなるタイミングってありますよね。…えっ? ないですか? そうですか。でもボクにはあるんですよ、年に1~2度くらいですけど。今まさにそんな感じだったのでPC Game Passで『Forza Horizon 5』をプレイしておりました。初月100円、以降も月額850円で遊び放題! すげぇ時代になったものです。そんなわけで100円で本作を遊んでいる人のレビューです。値段って印象に大きく影響しますからね。それからスクリーンショットは最高画質設定のものではありません。お財布にはやさしくても要求スペックはやさしくないんですよね…。

Xbox Game Pass で『Forza Horizon 5』をプレイしよう

今度はメキシコだ!

『Forza Horizon 5』 はオープンワールドのドライブゲームです。好きな自動車で広大なフィールドを好き勝手に走り回れるゲームとなっています。今回の舞台はメキシコなので、陽気なビーチからサボテンの立ち並ぶ荒野、巨大な火山にジャングルの奥地を流れる滝、そしてアステカの遺跡などがフィールドになります。「メキシコかぁ…、別に興味ないなぁ」と思われるかもしれません。ボクもそうでした。ですがこのフィールド、開放感がすげーんです。火山から大ジャンプして一気に山を下って荒野を駆け抜ける快感。1度おぼえたらクセになります。たまらん。

ゲームの進行は、フィールドに所狭しと配置されているイベントをこなしていく流れです。自動車オンリーのゲームとはいえオープンワールドとしてはオーソドックスな作りですね。イベントはレースだけでなく、特定のキャラクターの手伝いをするストーリーイベントや廃棄された車を探すものなど、バリエーションがあります。レースにもいろいろあり、特定のコースを周回するものからA地点からB地点まで走るものなど様々。これだけでも十分すぎるボリュームです。ストーリーイベントでは車種を強制されがちですが、通常のレースでは相手CPUがこちらの性能に合わせてくれるので好きな車種を選んでOK、となっているのが嬉しいところですね。「やってることは前作と大差なくね?」と言われたらその通りなのですけれども、ロケーションが違うだけでかなり別の体験になっているのも面白いところかと。

ストーリーについては、よくわかりません。街1つ貸し切り状態でモータースポーツの祭典をやってることはわかるのですが、いかんせん走ってる最中にしゃべられても字幕を読んでいられないので。時速200㎞で走ってるときに文字なんか読んでられるか! なので、映画のスタントに駆り出されたり火山の調査に行かされたり、遺跡の探検に付き合わされたりルチャ戦士と車でバトルさせられたりしているのはわかるのですが、細かい展開まではさっぱりです。いや、やっぱり車でルチャはわからん。

オモチャみたいな車が好みです

車種はめちゃくちゃ多い!と思えるのですが車に詳しい人からすると「アイツがいない」「コイツもいない」となるのかもしれません。実際、車に詳しくないボクでも「前作にいたアイツらどこいった?」みたいなのはありましたし。とはいえカッコイイ車からヘンテコな車までいろいろあるので選択肢は膨大。チューニングも細かくできるのでお気に入りの車をレースに合わせてセッティングしていくこともできます。よくわからなくてもオート設定があるのでそれっぽくするのは案外カンタンです。なので、好きな車に好きなだけ乗れます。素晴らしいですね。

『Forza』シリーズといえばペイントですが、今回ももちろんあります。自分で作れなくても公開されているペイントをダウンロードするだけで使えるので気軽にいろいろできます。往年のラリーカーを再現したり伝説のスーパーカーを痛車にしたり、等々。ただ不具合もあるようで、ボクの環境ではペイントを適用しようとするとクラッシュする現象が多発しました。ペイントだけでなく不具合はいろいろあるようなので早く修正されるといいですね。

とにかく気持ちよく走れます

本作の最大の特徴は「とにかく気持ちよく走れるように作られている」ということです。たとえばガイドラインの存在。走るべきラインを示してくれるシステムなのですが、減速が必要になるとリアルタイムにラインの色が黄から赤へ変化していくのでどの程度ブレーキをかければいいのかがわかりやすくなっています。「ラインに沿って走るとか、やらされてる感が…」などと思うなかれ。本作は広大なオープンワールドですからね。ほとんどの道が初めて走る道なのです。初めて走る道であってもスピードを抑えずにブッ飛ばせる、ってのは本当に快適なんですよ。

そんな優秀なガイドラインがあってもミスるときはミスります。でも道からはみ出してしまっても大丈夫。なぜなら電柱やガードレールの方が吹っ飛んでくれるからです。普通のレースゲームなら大幅に減速させられてストレスになるところですが、このゲームではそうはなりません。それどころか破壊ボーナスとしてスコアに加算されるほどです。ドリフトしながらガンガン弾き飛ばしていきましょう。やっぱり破壊は爽快です。

とはいえ、ガードレールがガードしてくれないので派手にコースアウトしてしまうこともあります。そんなときは”なかったこと”にしてしまいましょう。本作にはちょっと時を戻してやり直せるリワインド機能があります。オープンワールドで走り回っているときはもちろん、レース中でも使えます。ワンボタンでいつでも使えるので安心ですね。とはいえ、ゲームに慣れてくるとリワインドボタンを押すときはだいたい舌打ちしながらになりますが。「なんで今ので曲がりきれねーんだよ」とか「なんでそこに岩があるんだよ!」とか。わがままだなぁ。

これらのシステムはどれも本作独自というわけではないと思いますが、すべて合わさることで快適なドライビングに繋がっています。うまいこと調整されているんだろうなぁと感じますね。

あと、気持ちよさを支えているのは音楽ですね。車内のラジオから流れているというていでクールな曲がガンガン流れてきます。曲の合間に生っぽいトークが挟まるところも雰囲気があってグッド。イベント会場や観客席付近を走ると会場のスピーカーから大音量で流れるように変わる演出もいいんですよ。ちなみにラジオごとにまとめられたプレイリストはSpotifyにありました。現実のドライブ時に流すのもいいかもしれませんね。ただし、現実の電柱はぶつかっても吹っ飛んでくれないのでご注意を。

気持ちよくない部分もアリ

そこらへんを走り回ってるだけで気持ちいい本作ですが難点がないわけでもなく。フィールドに配置されたイベントをこなしていくだけでも十分なボリュームがあるのですが、問題はそれらを終えた後。オンラインやシーズンイベントなどがメインになってからです。急に難易度が跳ね上がります。オンラインの対人レースがムズかしいのは当然としても、シーズンイベントの難易度上昇もかなりものものです。それはいいとしても、上昇した難易度に対抗するためにどうすればいいのかがわかる作りになっていないのが問題です。ステップアップのための導線がまるで見えないのですよね。ガイドラインどおりにミスなく走っても同ランク同車種のCPUにまるで追いつけなかったりして「じゃあどうすれば?」となったとき、何もないんですよ。困った。いや、ボクが下手なだけかもしれませんけど。

また、お金や経験値などはいろいろな方法で稼げるようになっているのですが、要素が多すぎて煩雑になっていることも問題です。最初のうちは適当に走り回っているだけでも何かしら報酬が貰えるのですが、そういう機会もだんだん減ってきます。そこで特定の報酬を狙って取りにいこうとすると途端に煩雑さに阻まれます。何をすればどの報酬が得られるのか、把握するのが大変なんですよね。たとえば、どうすればWheel Spinのチケットが貰えるんだ!?となったりします。ガチャは悪い文明ですが存在する以上は回さなくてはなりません。散々迷った挙句、行き着いた答えは、スコアを稼いでスキルポイントを稼ぎ、スキルツリーにWheel Spinチケットが存在している車種を買ってスキルを解放していく、ということでした。ややこしいなぁ。ちなみに効率的に稼げる車種のスキルツリーは修正されてしまったとのことです。悲しい。

好きに走ろう!

そんなわけで 『Forza Horizon 5』は適当に走り回っているだけで気持ちよくなれるゲームです。好きな車を好きに弄って好き勝手に走りまくるもよし、メキシコ各地を回って観光しつつ愛車の写真を撮りまくるもよし、オンラインに挑んでスタート直後に鳴り響くクラクションの不協和音で体調崩すもよし。とにかく好きに遊べるゲームとなっています。やり込もうとすれば大変な部分もあるかもしれませんが、浅瀬をパチャパチャしているだけでも相当楽しいし、その浅瀬がバカみたいに広いのです。好きに遊びましょう。メキシコの大地は広く、そして自由なのですから。